心が満ちる山歩き

美しい自然と、山に登れる健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山・街歩き・温泉・クラシック音楽‥‥

尾瀬沼から尾瀬ヶ原へ(2) 白砂峠から見晴へ

2021年07月09日 | 尾瀬・燧ヶ岳・会津駒



 (つづき)  辞書で「尻」をひくと、7番目に「いちばんあと。終わり。」(『三省堂国語辞典(第七版)』)と出てきます。「沼尻」という地名らしく、尾瀬沼の西の端にあたります。
 尾瀬沼の水は沼尻川へ、西の方角へ、福島と群馬の県境をたどって、広大な尾瀬ヶ原へ流れ出ます。登山道は、川のやや北側、福島県側につけられています。
 沼尻から尾瀬ヶ原の見晴までおよそ4kmの間は、尾瀬のど真ん中という雰囲気で、歩くことの少ない道です。沼尻川は尾瀬沼から一方的に下りですが、登山道はいったん白砂峠まで少し登りがあります。途中には、複線の木道が架かって、沢を渡る場所があります。そこでは水が沼尻川とは逆方向に流れています。面白い地形です。
 先にあるのが白砂田代で、この湿原を過ぎると見晴に着くまで湿原はありません。大きくはないですが、水面の占める部分が広く、尾瀬の中でも豪快な湿原の一つだと思います。上空は曇ってきましたが、ミズバショウはさらに白さを増した気がします。湿原の出口にはミネザクラも咲いています。
 峠へ登り切る直前に、この日最後の残雪が現れました。
 その先に「迂回して下さい。木が倒れそうです」という注意書きがあります。その木は残念ながらもう倒れていました。幹は長いですが、太くはありません。細かい根が、横に長く長く広がっているのが意外でした。
 段小屋坂を下り、見晴まで森林の道が続きます。
 尾瀬では燧裏林道も深い森で、背の高い立派な樹が多いですが、枝ぶりの豪快な樹は段小屋坂の方が多い気がします。いくつか小さな沢をこえるところは燧裏林道に似ていますが、沼尻川の水音が聞こえてくるのは燧裏林道とは違っています。

 
 見晴に着きました。モノクロの写真を撮るなら曇り空の日がいいと思いました。






 (写真:2021年6月上旬) (つづく) 



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