陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

尾崎 翠 群ようこ 著 & 第七官界彷徨 尾崎翠 著

2015-12-20 03:36:22 | 


やっと積ん読を完読。
図書館借りたのは返却期限があるから、義務のように急いで読んでしまうが、
群ようこのエッセイを読んで、大絶賛だった尾崎翠を知りたくて、
そして、尾崎翠の作品でピカイチと群さん大絶賛の第七官彷徨も読みたくなって
珍しくAmazon購入したのだ。

いつでも読めると思うと、これがなかなかと手にとれず、
集中力も衰えた昨今、読み終わるまでに時間のかかったこと。

要は群さんの感覚と尾崎翠がよく似ているってこと。

あっさりと男っぽい。
生涯独身。
翠も後年は編み物をしている。

翠の第七官、、、と言う小説の第七官とは、
第六感よりもう一つお多い第七感で詩を書きたいという少女の話だった。

肥やしを煮て自宅の自室で二十日大根など育てている同居人とか、
全編、肥やしを煮る臭いを感じ、
臭いを誤魔化す香水ふるともっすごい臭いがするんじゃないかと
私の嗅覚が小説の内容を酔えないものにしてしまった。

読んで、
ただただ群さんは自分に似てるんでお好きなのねと分かった次第。

私にはつまんなかった。
積ん読を減す、年末年始大掃除?が一個済んだ。

次は、バザーで買った古い文庫本に手をつけた。


井上ひさしの小説。
吉里吉里人みたい架空東北都市が出てきて、
つかみから滑稽な人物が登場しておもしろいが、
いかんせん、古いんでポイントが小さい。
ページもまっ茶色。
昭和55年発行 350円。
10円で買ったんだったけ?
売り手が知り合いだったからお付き合いだったからね💧
これが済んでも積ん読後、二冊。しか文庫本。

図書館には十月桜が咲いている。
老眼的には図書館でいつも借りるハードカバーの本が恋しい。








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煩悩の子 大道珠貴著

2015-11-30 15:55:31 | 


愛されるように赤ちゃんは可愛く出来ているって説もあるが、
主人公の女の子はビジュアル的にもイマイチな設定。
子供に寄り添っている自分に酔っている教師の真意も分かっている生徒。
小学5年で生きる事に倦んでいる。
子供は無邪気、可愛いは幻想だと常時ごろ思っているんで、
この小説は小気味よかった。

でも、最後の締めの言葉に救われる。

今からものすご長生きして、何十年と続いている友情なら、それこそ上等だ。
会うのは年に一回とか、それくらいでいい。
いざというとき、多くを語らず、さりげなく助けてくれるのがいい。
それこそがともだだ。自分もそんなひとになろう。


小学5年で友だちはいらない。

もっと先に、おばぁさんになったときくらいでいい。
どんな長生きしたって、
同じ歳くらいで話の通じる友だちがいなけりゃ、
寂しいに決まっている。


と、最後の文章の前にあるのだが、
ばぁさん世代に近い私としては、
うんと、おばぁさんになると会う事自体が身体的にむつかしくなるし、
人を助ける以前に自分の事めいっぱいにならないか?
と、
思わないでもない。

気の合う友だちは数要らないけど、貴重だと思う今日この頃。

逆襲、にっぽんの明るい奥さま 夏石鈴子 著

2015-11-24 09:54:52 | 
逆襲にっぽんの明るい奥さま

多作の作家ではない。
年に一冊よりスロー。
でも、作者の年齢が上がるにつれて、登場人物年齢と取り巻く環境が変わる。
この本は40代主婦の短編が詰まっていた。
おもろい。
内容はむしろ重すぎるほど重いんだけど、
軽く明るく
真っ正直。

はじめの出会いが処女作の「バイブを買いに」
電車に落ちてて拾って読んだらものすごく面白かったと遠方知人よりメール。
さっそく図書館で蔵書検索したら、「倉庫」と出た。
おもむろに出て来た表紙がすっぽんぽん女性のバンザイ。
陰毛までばっちり。
バイブってあれなんだ、、、
渡す図書館員さんも手渡されるる私も 、照れたのはいつの日だったか?
今はちゃんと書架に並んでいるし、確か文庫本にもなったはず。

世間のまちまちしたお決まり事にとらわれず、
自分の感じたこと、考えに従って行動するスタイルは奥さまになっても、
お母さんになっても健在。



のエッセイにこの本について書いてある箇所をちょっと抜粋。
下手解説より趣旨がよく分かるから。

、、、、奥さま、なんてきれいな言葉に包まれているけれど、
中身は主婦の話でず。
自分がやってみてやっとわかりました。
わたしは悪い娘だった。
母は専業主婦でしたけれど、
「ふん、わたしはママみたいにならない」と思って大きくなった。
お皿洗いなんか全然しなかった。テレビを見て笑っていた。
「それ、ママの仕事でしょう」などとも思った。
父親のお給料で生活させてもらっているのだから、当然と思っていた。
今なら思うね。
自分に言いたい。
身の回りのこと、全部押し付けてやらせているくせに、偉そうにするな、
お金稼げば何でもいいと思うなよ、と叩きのめしてやりたい。
(中略)
楽をして生きている人なんて、一人もいない。
みんな平凡繰り返しの中で、
どうにかならないかと思いながら生きている。
(中略)
そんな人たちのことを書いた本です。



平凡なわたしのこともこの中にあったかも。
等身大のお話を読むと元気がでるわ。



次作の題名まで書いてあったけど、 まだ出ていない。
ファンはまっていますよ。
17歳年上の映画監督と離婚ってのもネットで見たから、
次作は「奥さま」ではないお話かな?
気長に待とうっと。

長いお別れ 中島京子著

2015-11-10 19:22:45 | 


長いお別れはアメリカで認知症を意味することから付いた題名。
10年に渡る老々介護が題材の小説。
著者の父親の病気進行を実際に経験しているだけに、
もちろん、誰でもが同じ病状を辿るわけではないけれど、
嘘、絵空事で書かれた感がなかった。
介護保険の利用もこの手の小説に多い、首を傾げる場面、突っ込みどころもなかった。
調べて書いたではない、当事者ならはの事と思う。

主たる介護者の妻が我が身犠牲とは思わず、懸命な介護に走る姿、
母親が入院する事態になってからの
アメリカ在住、国内在住の既婚、独身三人姉妹の対応、慌てぶりなど、
家族愛に溢れていて、ほっとする。
著者ならではの深刻な出来事をユーモアタッチで重く感じさせずに読ませる。
ADLも大事だけどQOL。
と、 お父さんのほ 本当の気持ちに寄り添おうとする姿にも形を激励。
簡単なようで細かな日常トラブルに翻弄されれてそれどころでないのが、
よくあるパターン。。
毎日、毎日、いつまで続くか分からない介護。
綺麗事を言うなとお叱りもおこりそうだけど、
壊れてきても大事な大事なお父さん。
当たり前が見えなくなりそうなのが介護とも言えるものねぇ~

あっけない終わりが ちょっと淋しい。
小説としてはほっとした結末だけれど、
読者としてもう終わり?という感じ。
閉じるの惜しくて
本を閉じてしばらく手に持っていた。

伏線ながらアメリカの学校事情、親の都合で日本で育てない子供の事情も興味深かった。
彼女の新刊は チェックして待ってる。


⭐参考

社会福祉においての「QOL」と「ADL」。

社会福祉において「QOL」と「ADL」は重要な概念として知られています。ここでは、改めて2つの概念を認識しておこうと思います。

QOLとは、Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)の略で「生活の質」などと訳されています。人間らしく満足して生活しているかを評価する概念で、医療で使われることの多い言葉です。生命の質や人生の質、人格の質など精神的な自己実現を得るための指標となり、個々の日常生活を充実させ、幸福感や生きがいを自ら発見し、人間らしく生きていくために必要な考えを表しています。

ADLとは、Activities of Daily Living(アクティビティ・オブ・デイリー・リビング)の略で「日常生活動作」と訳されています。私たちが普段の生活の中で日常的に行っている食事や排泄、入浴、移動、更衣、寝起きなどの動作がどの程度自分の力でできるかを測るための指標となっています。主に介護で使われることが多く、介護保険制度ではこのADLに基づいて「できる・できない」を調査してレベルを決めています。

精神的自己実現のQOLと日常生活動作の満足のADL。近年は、もともと医療で多く使われていたQOLの考えが福祉や介護にも浸透してきました。身体的ケアのADLも大切だけれど、精神的な充実を図るQOLを大事にしようという流れです。いずれにしても、どちらも大切にしたいものですね。




感情から老化してゆく人いつまでも感情が若い人 和田秀樹著

2015-02-04 06:15:27 | 


いるいるこんな人^_^
まわりのあの人この人を思い浮かべつつ、
よくよく思えば私にもしっかり当てはまる老化。

老化は記憶力より体力より感情の衰えが先なんだそう。
前頭葉が歳と共に縮んできて、感情の抑制がきかなくなり、物事を深く考えなくなる。
歳を取って丸くなったんじゃない、感情鈍麻ってことらしい。

考えたくないから、保たれている過去の記憶に頼って新しい事を自然と避ける。
馴染みに所ばかり選んだり、
ルーチンワークで日々を過ごして安堵している。

老化したくなかったら、不慣れなことをし、未知なことにとにかくチャレンジ。
なかなかしんどい話だ。

少し小タイトルだけ書いておこう。

🙆キレやすく、いったん怒りだすとなかなかおさまらない

🙆わけもなく不機嫌

🙆お世辞に弱くなった

🙆部下や店員に向かって怒鳴り散らす

🙆物が捨てられない

🙆白黒をはっきりしたい

🙆なにをしてもつまらない

🙆くよくよ考えて抜けられなくなる

🙆服はラクなのがいちばんいい

🙆涙もろくなり、感情のコントロールがきかない

🙆議論するのがめんどうになった

🙆思考が短絡的で決めつけが多くなる

🙆人の話を聞いていられない

🙆財産は子供に残してやりたい

🙆新しい友人ができない

🙆昔の話、子どもの話が多くなる

🙆過去の栄光にすがる

🙆お金が使えなくなる

🙆同じ著者の本ばかり読む

🙆自分におしゃれは似合わない

🙆なんでも否定してかかる

🙆仮面夫婦をつづけている

🙆集中力が落ち飽きっぽくなった

🙆漢字が書けなくなった

🙆飴など甘いものを持ち歩く

🙆旅行はいつもおまかせツアーで行く

🙆わかりやすいものが好き

🙆昼食はいつも同じ店、同じメニュー

🙆最初の答えに飛びつく

🙆テレビのコメンテーターは正しいと思う


予防策に結婚二度説、財産は残さず使い切ると提唱されている。
著者は精神科医だから説得力あるが、
老いはしかたないじゃん、自然なことじゃんと思う自分がいる。

いろいろ面倒くさい人のアレは老化だと納得。
そういう人との関わりを避け、議論も避け、人の話を聞かず我は我と思うのも我老化ってこと。

性格の歪みは歳と共にパワーアップしてくると思ってたのは当たっていたらしい。

美は乱調にあり 諧調は偽りなり 瀬戸内寂聴著

2014-11-08 04:19:29 | 
瀬戸内寂聴の寂聴だよりを読み終えたら回してくれる人があり
パワフル80代に唸ったり
なぜ仏門に入られたのか興味がわいたり。
そんなこんなで、
年金生活者お決まりの図書館通いの折、
寂聴さんの書架で立ち止まる事が多い。

ホームレス歌人の冬と断捨離の本を抱えた後、二冊抜いた。
昔からのファンではないので読んでないモノだらけ。
「蘭」「美は乱調にあり」

どちらも
主人公の奔放さが別世界へ誘う。
ところがところが、
「美は乱調にあり」は大杉栄と伊藤野枝の話であるのに、
妻と市子と野枝の三人にフリーラヴ実践を唱える大杉が市子に刺された「日陰の茶屋事件」ところでプッツン。
甘粕事件、大杉栄と共に虐殺された凄まじい話で読者の心を掴んでおいて、それはないだろう。

あとがきで続編があることを知る。
大杉栄の言葉で
「美は乱調にあり。諧調は偽りなり。」
から続編に題名がとってある。
さっそくAmazon検索したらもう絶本で中古のみを扱っている。
いざ、図書館へ。
田舎図書館の蔵書検索にはひっかっからない。
もしや?と、瀬戸内寂聴全集をあたる。
「捨弐」
に美は乱調とセットで収録。
分厚いのを借りてきた。
中に挟んである栞紐に誰も触れた形跡なく折りたたみあとまま。
私がお初かしら?
読む前からテンションが上がる。

どうも殺害した甘粕大尉に世の誤解ありとの投書が寄せられ
ちゃんと調べてからでないとあの事件に筆が進まなかったとの事。
全集は分厚すぎて扱いにくい、読みにくい。
好奇心の冷えぬ間に~🎵

川柳の締め切りが…
アッチイケシッシ^_^;
ではでは~最近は寒いので朝ウォークから朝読書に変更しとりますデス。

ついでながら
続いているこの二つの言葉。
正し過ぎることへの嫌悪感が強い私の気持ちにすっと入り込んで心地いいのデス。






風のマジム 原田マハ著

2014-10-22 08:22:15 | 


沖縄で沖縄産にこだわったラム酒を作るベンチャービジネスを成功させた女性のお話。
著者によるあとがきで実話に基づいたフィクションと知る。
朝ドラのマッサンが国産スコッチウイスキー。
原作の森遥子さんの望郷もどこまでが事実であるのか?
さらに朝ドラの小説ともまるで違うフィクション性を思うと
あくまで小説と言い聞かせながら、
ベースになった女性があると言う事実。
感嘆せざるを得ない。
信じて進む一歩一歩。
並々ならぬ努力。
全部、わたしに欠けている。

沖縄にはたった一度行った。
夫を亡くしてはじめての一人旅。
ラム酒製造をはじめる南大東島までは行かない本島だけの旅だったけど、
底抜けに明るい空と海だった。
沖縄の食材もはじめて口にした。

あの時の風を思いおこしつつ、
沖縄の陽が全身に沁み渡る心地で本を閉じた。

マハさんの沖縄が舞台の小説をもう一冊借りている。うふふ(*^^*)



皇后美智子さまのうた 安野光雅著

2014-10-21 07:27:28 | 



安野光雅美術館で皇后さまのうた展をやっていた時に購入。
やさしい安野光雅の絵とうたとをじっくり観てまわり
館を出る時は、しっかりこの本を抱きしめていた。

皇室の方は素直に自分を吐露できないんじゃないかとか、
短歌の大家のお手が歌には入っているんじゃないかとか、
邪推と偏見が歌を感じればすっと消えた。

反戦を口にし子を思う気持ちが溢れ
すっかり皇后さまの歌のファンになった。
昨日、お誕生日とのこと。
ふたたびページをめくってみた。

少し歌を置いておこう。


戦なき世を歩みきて思ひ出づかの難き日を生きし人々

笑み交わしやがて涙のわきいづる復興なりし街を行きつつ

君とゆく道の果たての遠白く夕暮れてなほ光あるらし

初夏の光の中に苗木植うるこの子供らに戦あらすな

風ふけば幼き吾子を玉ゆらに明るくへだつ桜ふぶきは

パンとスープとネコ日和

2014-10-16 03:45:26 | 


DVDの前編だけ借りて、あら?
続きがあったのね。と気づいた次第。
あわてんぼう^^;
後編は借りられていてなかったので、
続きが気になり気になり、いざ図書館へ。
群さんの原作の方を読むことにする。

突然母を亡くし、納得いかない人事異動から出版社退職。母の営んでいた大衆食堂を
素材にこだわったスープとパンのみがメニューの修道院の食堂イメージで生花のみを飾るという店にリニューアルオープンしてゆく話。
それに突然現れて伴侶?になる猫のタロちゃんが絡む。
猫バカでないと付いてゆけないシーンも数多。

DVDの方は小林聡美、もたいまさこと、まったく「かもめ食堂」のノリ。
淡々と静かにゆったりとシーンが流れる。



原作はもっと匂いも味も濃い?かな?
朝晩寒くなったし、スープでもコトコト煮ようかな?
日中、モコは日向がお気に入り(*^^*)


タロちゃんが死んじゃうシーンには泣けた。
モコもうしばらく一緒に居てね。




望郷 森瑤子著

2014-10-14 06:22:07 | 


台風の風音を聞きながら、モコと家篭りの友に完読。

本屋で朝ドラで話題と平積みを発見。
マッサンは実在の人物。
国産ウィスキーへの取り組みに興味がある。
地元図書館での検索ではヒットせず。
図書館へ買ってもらうべく用紙に記入しようかと一瞬思ったけど、
早く読みたい思いが強く本屋へUターン。
斜陽の出版界へ貢献しました(*^^*)

ドラマとは相当違う。
意思の強い女性。
時代がどう動こうと、住む場所の風習は違っても
自分が揺るがない流されない、思えば似た者夫婦だったかも。
ストーリーがわかってしまったのでドラマ展開をドキドキして待つ楽しみは消えたかも?

マッサンはアンほど熱がまだこもらないから、まっいいか。

おしまいのデート 瀬尾まいこ著

2014-10-10 07:50:46 | 


表紙の天丼がおいしいそう(*^^*)
これは二話目の師と教え子のデートの絵。
いつもは玉子丼の月一デート。
最後は特別で天丼と決めていた。
軽いタッチで描かれているけれど、最後だもん…やっぱり泣ける。

離婚したした父方のじいちゃんとのデート。
男同士の最後と知らないで友情を感じてしまったデート。

捨て犬を介してのドッグシェアデート。
保育士と担当のやんちゃ坊主とその父の変則デート。

人と人とが逢うことの物語。
どれも人っていいなぁって気にさせる。

甘辛い天丼の出汁が口に広がってきた。
長いこと食べてない気が...
久々、今日は丼にしよう(*^^*)
一人分、冷蔵庫に何があるかな?




働かないの れんげ荘物語 群ようこ著

2014-10-07 05:49:11 | 


前作の「れんげ荘」は以前にも読んだけれど、
とんと記憶が曖昧な今日この頃。
図書館で二冊借りて来た。

当ブログ機能も進化してきたので、
自分の過去録を検索。
前作の自分の感想も読んでみた。
45歳ですっぱり仕事を辞め、持ち金だけでひとりで生きて行こうと決意。
自宅を出て月10万円生活を開始する。
まずは住まい。
月三万の家賃のシャワーとトイレが共有と言うオンボロアパートに決定。
雨露がしのげるだけの六畳一間。
自然がそのまま室内で感じられる。
蚊の猛攻撃やら梅雨のカビ湿気、雪まで部屋に入ってくる。

次作はそこに暮らして3年後。
なかなか無職のゆったり気分にまだ慣れず、
手慰みに始めたはずの刺繍に根を詰めたり、思うように出来ない自分を責めたり。

前に読んだ時は有職者。
そして今は主人公とおなじく
命とお金の尽きる日を両天秤にかけて
チビチビとお金を使い
大量な無為な時間を過ごしている。

無職ライフが半年経過した。
念願の家の片付け最小限度の改築も済ませ、
猫の額庭の夏草との格闘も終わり...

ちょっこし働こうかな?

などと雑念が胸を過ぎり始めた。
60歳リタイアでもなんとなくこそばい昨今、主人公は48歳。
世間の風当たりについても話は及んでいた。
前回は月10万の使い方内訳が現実的でないと盛んに書いていたが、
実際の先に無職になってらの先行き不安がそこへ思いを集中させたと思われる。

今回はまことに身につまされて読んだ。
淡々と飄々と生きるってむつかしいね。

主人公を取り巻くみんなみんな親切で優しい。
恵まれていることに感謝して物語は終盤。
そして、まだまだ悟り切らない先を見せて終わっている。

親切に頼りきらない。
価値観の押し売りやベタベタ過剰親切をする人物も出ないのが幸い。
程好い距離感の人間関係にも触れてある。
この辺り、大事。
ひとり身のチェックポイント。

ひとり例外として、自分の価値観どおりに繰りたがる困ったちゃんの母親が出てくる。
母の慈愛ばっか出てくる川柳が良く選に挙がるのに、少々ゲップ。
麗しき母性真っ黒な群さんの自己愛母親像に拍手。

今朝は寒いね。モコたん。
家族なし職なしオールフリーな今日も
散歩からはじめますか?



とり残されて 宮部みゆき著

2014-10-01 18:40:10 | 


ウォークの途中休憩用にリュックに入れて出た。
朝マックで完読。

子供のどちらかが置いていた文庫本。
ホラーと言うか?ミステリーと言うか?
幽霊の話と言おうか?
超自然の話と言おうか?

短編が七つ。
怖いというより人は人恋しい物語。
なかなか読みやすくおもしろかった。
宮部みゆきは読まず嫌いだったかな?

さいごの毛布 近藤史恵著

2014-09-20 04:32:48 | 


老犬ホーム「ブランケット」が舞台のお話。
老健施設でなく、老犬。
老犬を飼えない人がお金を支払って、預ける所。
原則は10歳以上と言うことだけれど、事情があって若い犬も居る。

「三つの名前を持つ犬」同様、社会適合が少々むつかしい人物が登場してくる。
物語の最後に、
犬がよろこびなど感情をストレートに表すのは、群で生活するのに必要な能力かも知れないと、主人公の気づきシーンがある。

ストーリーは施設に預けられても飼い主をひたすら待っている犬の気持ちと
母親に見捨てられた観を持って大人になった人間の気持ちがクロスして展開し、
良い方向に流れて終わる。

老犬の死が少しきれい過ぎはしないか?
目や耳が聞こえない老犬や歩くのがやっとの老犬を散歩させているのも
近隣で目にする。
ペット用品にオムツがメジャーになって久しい。
医師の常駐しない施設で、具合が悪くなったら車移動が必要な病院頼りと言う設定も安直な感じ。

ここのところ二匹、腎臓の病で点滴なしで生きられない高齢猫を見送った。
最後の最後は点滴の意味もわからない猫に、点滴の苦痛を強いているのは、私のエゴのような気がしてきた。
だんだん弱る最後の最後は飼い主の私が決めたようなもの。
嫌がる点滴はもう止めようと。
その晩、どちらの猫も膝に抱っこで、目から光が失われる時を過ごした。

人の自宅介護の限界もさんざん見る仕事に携わっていたこともあって、
老犬の世話がこうきれいごとであるはずがないと余計、思うのかもしれない。

施設入所を拒まれる理由に
愛犬、愛猫のことが確かにあった。
どこか最期まで安心して預けられる施設が実在すれば助かる。
人の入所費用も人手での在宅介護費用も出せない経済状況も珍しいことではない。
あってもお金次第...

こんなことを書いていると、犬と人間の関係も甘過ぎ?な気がしてきた。
読んで気持ちが軽くなる小説ではあるけれど。

三つの名前を持つ犬 近藤史恵 著

2014-09-18 07:16:49 | 


これはミステリーの範疇になるのかな?
犬は飼い主によってしあわせ度が違ってくる。
犬に関わる人間はどうしようもなく努力が無理な易きに流れるタイプ。
昨日、シルバー人材センターの説明会に行って
もっと高齢な人たちの労働意欲を横目に
「私には無理」
とすごすご帰った自分と寸分違わない感じで読み進んだ。

エルとササミとナナの三つの名前を持つ犬はホームレスに飼われていた。
そっくりの犬は動物愛護ボランティアの里親会でもらったミックス。
血統正しいペットショップの犬でないところが私好み。

ダメな方へダメな方へ流れる自分に自己嫌悪な飼い主を
やわらかい毛玉の体温が慰め
真人間への意欲を引き出してくれる。

分かるわぁ~
拾い猫のモコもじっとっと沈んでいると
すり寄って顔や涙を舐めてくれる。

共感しつつ一気に読んだ。
犬も飼いたい衝動にコピっと駆られている。
いかん…ダメ!!!