夕方、大会が終わって夢が帰って来ると、六小がさっそく声をかけてきました。
「大会、どうだった?」
「うん、結果は惨敗。でも、四小さんとお話できてとてもうれしかった。久しぶりに
会って泣いちゃった。」
六小は、『やっぱりねえ~。夢ちゃん、よっぽどうれしかったんだなぁ。』と
思いながら、夢に言いました。
「ふ~ん、そう。結果は残念だったね。でも夢ちゃんにとっては、四小さんに
会えたことの方が大事で、結果はどうでもよかったのかもね。なんか、今、夢ちゃん
見ててそう思った。」
実は六小は、四小のことを楽しそうに話す夢を見て、四小にちょっとやきもちを
やいていたのです。すると、それを察知したかのように夢が言いました。
「六小さん、もしかして四小さんにやきもちやいてる?」
六小は、夢に自分の気持ちを見透かされていたことにあわてて、
「べ、べつにー。」
と、夢の言葉を打ち消そうとしました。しかし、
「うふ、ごまかしてもだめ。わたしと六小さんの仲じゃない。ちゃんとわかっているよ。
大丈夫よ。前にも言ったように、わたし、六小さんのこと好きだから。四小さんの方が
もちょっと好きだけどね。」
と夢に言われ、打ち消すことはできませんでした。六小はさらにあわてて、
「わ、わかってるよ、そんなこと。それに、別に、四小さんにやきもちなんて
やいてないよ。」
と、チカチカ細かく光りながら言いました。
「うふふ、はいはいわかりました。じゃ、そういうことにしておきます。」
「何よ、その言い方、急に改まっちゃって。」
「うふふふ・・・・・」
六小はカァーッとなってしまいました。
「もういい、わたしもどる。」
「あ、そう。じゃ、またね。」
「もう!」
六小は照れかくしに、半ば怒ったような感じでもどっていきました。