あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

村上春樹も猫好きだった!?

2009-09-13 23:10:25 | 本(児童書・絵本)

ポテト・スープが大好きな猫 ポテト・スープが大好きな猫
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2005-11-29

これは図書館の子ども室で借りた本。

以前その日返却された本のワゴンに乗っていて、一回りして最後に借りよう(大型絵本でかさばるから)と思っていたら借りられてしまい、残念な思いをしたことがあって。

先日行ったらやっぱり返却ワゴンに乗っていたので、今度はすぐ借りました。

子ども室にあったけど、どちらかというと大人向きの絵本かな?と思います。

おじいさんと、老いた雌猫の二人暮らしの淡々とした日常から、ちょっとした事件が起こり、それが収束するまでの何気ない話なのですが、とても心に沁みる本です。

老雌猫のプライドがけなげで、訳者の村上春樹氏も、“この物語に出てくる年取った雌猫のキャラクターはとりわけ魅力的です”とあとがきで書いています。また、こんな記述も心から共感しました。

“年取った雌猫はだいたいにおいて気むずかしくて、すぐムッと腹を立てるのだけれど、感情が細やかで、(きげんの良いときには)とても心優しくて、深く気持ちを通じ合わせることができます。”

そうして、こんなふうにも書いています。

“この本は、年取った雌猫好きの読者のみなさんには――世の中にどれくらいそんな人がいるのかわかりませんが――きっと喜んでいただけるのではないでしょうか。”

私はとても気に入りました。絵も素敵です。

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コドモと、お酒 その2

2009-09-11 23:36:05 | 本(児童書・絵本)

引き続き、『こどものためのお酒入門』の話。

この本の著者、山同敦子氏は、“未成年はお酒は飲めません。それなのに、なぜ私が「お酒の本」を書いたのか。それは、お酒が持つさまざまな「物語」をみなさんに伝えたいからです。”と書いています。

この本を通して読むと、本当に、その思いが伝わってきます。

この本に出てくる酒の造り手たちは、日本酒、ビール、ワイン、焼酎、琉球泡盛と、さまざま。でもどの方も、本当に情熱と愛情をこめて酒を作っていて、子どもにだって、その心意気は伝わるはず。

そして、“お酒を深~く伝える仕事”として登場している酒屋さんとソムリエは、どちらの方もさすがの含蓄ある言葉をおっしゃってます。

“「一気飲み」なんて最低です。頭が割れるように痛くなったり、吐いたり、気分が悪くなる。体に悪いし、味もわからない。心をこめて造っている人にだって、とても失礼になるのですから”とは、酒屋の君嶋哲至氏。

ソムリエの佐藤陽一氏は、こう言います。“なぜ、こどもがお酒を飲んではいけないかというと、必要ないからだと思う。大人がなぜ飲むかというと、じょじょに死ぬ準備をしているから”

死に近づく自分をいたわったりなぐさめたりするために、少しのお酒が必要だと。お酒の本当の味わいと人生の味わいは、そんな大人のためのものなんじゃないか、と。

おばさんくらいの年齢になると、とても沁みる言葉だけど、子どもたちは解ってくれるかな……。

ところでこの本 ↓ は、私が小学生のとき最も美味しそう、と思ったお酒の描写が出てくるので載せました。

赤毛のアン (講談社青い鳥文庫) 赤毛のアン (講談社青い鳥文庫)
価格:¥ 693(税込)
発売日:2008-07-31

ダイアナがイチゴ水と間違って、マリラ特製の葡萄酒を飲んで酔っ払ってしまうところ。

そういえば、ダイアナも酒にまったく抵抗感じてなかったな……(^_^;)

でも、本当に美味しそうで、葡萄酒作れないかと思った小5の私……(いろんな意味で違法!)

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コドモと、お酒 その1

2009-09-11 22:39:49 | 本(児童書・絵本)

こどものためのお酒入門 (よりみちパン!セ) こどものためのお酒入門 (よりみちパン!セ)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-02

図書館の子ども室から借りてきた本です。

私は酒好きですし、大人が読んでも面白そう、と思って借りたわけですが、反面、子どもにお酒の話ってどうなの……?という気持ちもありました。

お酒が魅力的に書かれているぶん、子どもが“飲んでみたい”と思うのでは、と心配になって。

全体を読みとおしてその心配は解消しましたが、まずは子どもの頃のお酒の思い出の話から。

この本はこんな一文で始まります。

“こっそり尋ねます。(中略)日本の法律では、二十歳になるまで、お酒は飲んではいけないと決められています。でも、いけないと言われると知りたくなるもの。実は、ちょっぴりなめてみたことがあるという人は、あんがい多いかもしれませんね。その味、どうでしたか。”

そうして、著者が中学生のときこっそりビールをなめてみて、驚くほど苦くて、はきだしたエピソードが語られます。“今思えば、体も味覚も未発達なこどもの私には、本当のお酒の味なんて分かりようがなかったのです。”とも。

平松洋子氏のエッセイでも、中学ぐらいで飲んだはじめてのビールが苦くて、捨ててしまったエピソードがありました。

でも、私はちょっと事情が違いました。なんと私の小6のときのお酒初体験は、親と先生公認だったのです。

当時、私はひどく乗り物酔いをする子どもで、遠足の時のバスの車内ではいつも具合が悪くなっていました。で、心配していた母が、どこからか乗り物に乗る前にお酒を飲んでおくといい、と聞きつけてきたのです。

天然気味の母だけならともかく、先生もOKを出したということは、その当時は結構流布していた俗説なのでしょう。もちろん、迷信、というか、効果が無いと思いますが。

ただ、私には目覚ましい効果がありました!乗り物酔いしなくなった。ただし、それは私がヒジョーに暗示にかかりやすい単純(バカ)タイプだからですけど(+_+)

それに、小6の私はなんと、酒の味も気に入ったのです。

飲んだのはウイスキー、いわゆるダルマのミニチュア瓶でした。薬、と思って飲んだし、相当苦いだろう、と最初から覚悟してました。

ところが。……確かに、甘くは、ない。舌を刺すような刺激もある。けど、奥からふわあっと、深い、なんだか甘味に近いものが立ちあがってくる。うん、悪くないぞ。

そう、12歳の私は思ってしまったのです。呑兵衛の素質がその頃からあったのでしょうか。それとも、ガタイの大きい私は、やっぱり他の子どもとは違ったのかな……(^_^;)

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澄んだ水のように

2009-04-17 00:50:49 | 本(児童書・絵本)

かっぱのすりばち―菊池トヨばあちゃんの語りから かっぱのすりばち―菊池トヨばあちゃんの語りから
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-02

両親の出身地が岩手県なので、河童はちょっと気になります。

以前テレビの番組で、遠野が取り上げられたとき、

「河童はいますか?」

の質問に、どのひとも

「はい」とためらいもなく答えていたのが印象的でした。

私はいままで、現代に生き残った魔法的存在は唯一サンタクロースだけ、と思っていたのですが、河童も何とか生きているのかな、とちょっと嬉しくなりました。

これは、福島県の河童のお話。

口伝えにしてきた民話をもとにした物語だと思いますが、語り口も、内容もナイーブですっきりとしていて、透きとおった水を飲んだときのように、すっと身体にしみとおってきます。

絵は、全体にグリーンを基調としていて、森の中を通り抜けたように清々しい雰囲気。

物語は少し悲しいけれど、読み終わって裏表紙を見ると、それがあり得たかもしれないもう一つの結末、という気がして、描き手のひとの優しさがしみじみ伝わってくるように思えるのです。

“かっぱのすりばち”のある場所は、かつて、河童がいた場所、ということになるのでしょうか。

妖怪、というより、隠れ住む静かな人々、といった感じのこの物語の河童の、気配を感じてみたくなります。

巻末に、ちゃんとイラストマップが付いているのも嬉しい。

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