1月2日、上野の東京都美術館でおこなわれたメトロポリタン美術館(愛称Met)展を観に行ってきました。
4日で終了のせいか思っていたより混んでいましたが、少し待てば絵のすぐ前に立つこともできて、かなりガッツリ堪能できました。
テーマは自然、7章に分かれた展示室には、様々な時代の絵画や工芸品、彫刻などが130点余り飾られて、見ごたえのあるものでした。
その中でも見どころは、やはりポスターにも使われているゴッホの《糸杉》でしょう。
もちろんさすがの迫力だったのですが、私のお目当てはホッパーの《トゥーライツの灯台》。以前から観たいと思っていたので、6章の展示室でそれが目に入ったときは、かなり感激しました。
ホッパーは、学生時代セガンティーニやワイエスと並んでお気に入りの画家の一人でしたが、ホッパーだけは本物を観たことはなかったのです。
家に帰って母にその話をしましたら、「初恋の人に会ったみたいだった?」と言われましたが、どっちかというと、若い頃の自分と再会したような気分。
ホッパーは食堂に集う人々をさりげなく描写した絵でも、どこか死の影が漂っているところに魅かれたのですが、《トゥーライツの灯台》は不思議な明るさのある絵です。
それにハッとした以前の気持ちもよみがえり、懐かしくまた、新たな感慨もありました。
そうそう、隣り合って壁に掛けられていたオキーフの小品も印象深かった。解説にあるように、骨を描いても生命力を感じ、また、あたたかさも感じました。
東京まで美術展や博物館の特別展に行くのは私にとってはちょっとした贅沢であり、次に行くのはちょっと先になると思いますが、充実した1日だったと思っています。