周りのみんなの話題も自然に桜のことが多くなって、少し浮き立つ季節です。
私は少女の頃は、桜よりも梅の方が好きでした。
まだ冷たい空気の中に凛と開く健気さと、芳香に惹かれて、皆はなんであんなにも花見だ桜だと騒ぐのかな、と思っていました。
けれど、歳を重ねてくるとなぜか、桜に惹かれるようになるんですね。
あの、あっという間に咲いて、ぱっと散るはかなさに、何となく人生を連想するんですかね。
それに以前、夜桜を友達と見たのですが、寒かったけれど本当に満開で、その時初めて、桜の芳香を感じたのです。
満開の花の中でやっと感じる、微かな香りでした。
私の中では、桜は華やかな花ではなく、ひそやかな花です。
万葉集の『春の夜の 闇はあやなし…』という歌を見るにつけても、やっぱり、薫りは梅の方が勝るんだよね[E:confident]と思いましたし…
でも、もう10年以上前になりますか、ちょうど満開の桜の下を通った時に、「あ、これは桜の薫りなんだ…[E:sign01]」という発見をして、少し認識が変わった経験があります。
管理人さんも私も、歳を取るにつれて桜への認識が変わっていったというのは、やはり、DNAに刷り込まれた何かに抗しきれないって事なんでしょうかね…[E:confident]
ずいぶん遠くまで来てしまったなぁ、と思うことが多くなった今日この頃。
歳をとるのも悪くない、と思えるようになったらいいのですが。