これは、中学生のとき、同級生に貸してもらった絵本です。
自分では持ってないし、その時以来ちゃんと読みかえしていないにもかかわらず、鮮烈な印象があります。
さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本) 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:1974-10-25 |
まずコミックのように、コマで区切られているのが面白かったし、愚痴ばかり言ってるサンタのキャラクターが新鮮でした。
小学校高学年のころ安野光雅氏の『旅の絵本』に感動した私は、細かい絵をじっくり観るのが好きだったということもあり、すっかりお気に入りの絵本に。
それに、愚痴ばっかり言ってるけど、案外サンタの生活、楽しそうなんです。
子どもも喜んでくれる絵本だと思うけれど、大人向きって気もします。男の人も、面白いと思う人多いかも。
その後、大人になってから、『スノーマン』を読み、ビデオも買いました。
スノーマン (児童図書館・絵本の部屋) 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:1998-10 |
これも、コミック風にコマ割りされていますが、台詞はなく、詩画集のような美しさでした。
ビデオも、最初の主人公の回想のモノローグのほかは、たしか音楽だけだったと思います。
白一色の世界の清潔な美しさと、エンディングのもの悲しさが心に残って、コミカルな『さむがりやのサンタ』とはまた違った面白さでした。
両極端なブリッグズの絵本、どちらもおススメです。
実は私、いかなる経緯かは忘れましたが、その絵本の英語版の絵本を持っております[E:coldsweats01](ハードカバーではない、ペラペラの簡易本ですが[E:coldsweats01])
ちなみにこの作品、続編があるのを、管理人さんご存知ですか?
これも英語版を持っているんですが…
「Father Christmas goes on Holiday」…はい、サンタさんが夏休みを取って、色んな所を遊んでくるお話です[E:wink]
ブリッグスの作品は、各コマの描き込みの細かさが、読む者を作品世界に浸らせてくれますよね[E:confident]
この作品も、サンタさんの日常が詳しく描かれていて、いわゆる“男おひとり様”なのに、全然淋しさが無くて、いいと思います[E:smile]
こういう楽しい方に転ぶと、サンタさんのお話になり、シリアスに転ぶと「風が吹くとき」になるんでしょうね…[E:confident]
「スノーマン」は、絵本もビデオも見てないのでした[E:coldsweats01]
だって、あらすじを何かで読んで「ダメだ~[E:sweat01]こりゃ泣くしかない~[E:sweat01]」と、思ってしまったんですよ[E:coldsweats01]
多分、よっぽど魔がささないと、手に取らないかも…[E:coldsweats01]
「風が吹くとき」を読んだ時の辛さ・哀しさとは違う種類の、しかし確実な強さを持つ哀しみに出会いそうで…
でも確かに、私も『結構楽しく暮らしていそう……』と思っていました。
『さむがりやのサンタ』の続編は、たしか“サンタのなつやすみ”というようなタイトルで翻訳版も出ていたと思いますが、残念、読んだことありません![E:bearing]
これを機会に読み返したいものです。
『スノーマン』は、ビデオには暗示されているように思うのですが、おそらくスノーマンとの別れは、主人公の“(幸福な)少年時代の終わり”のメタファーなのかな、と思いますが……。
切なく哀しいストーリーですが、それこそ降り積もる雪のようなしん、とした美しさがありますよ。
観て損はない、と思います[E:confident]