あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

マイ・フェイバリット・クリスマスブック その2

2010-12-21 23:39:17 | 本(児童書・絵本)

サンタクロースっているんでしょうか? サンタクロースっているんでしょうか?
価格:¥ 840(税込)
発売日:2000-11-27
もはや古典、と言っていいのでしょうか。何十年も親しまれてきた定番の1冊です。

しかし最近では、それほどメジャーじゃないのかな、とも思います。

なにしろ、私がこれを読んだのは四半世紀以上前の中学生のとき。

そうして、この本の原文が掲載されたのは、約90年も前のニューヨーク・サン誌なのです。

「友だちはサンタなんていないと言います。……パパは、新聞社の人に聞いてみなさいと言いました」

こんな文章だったと思うのですが、バージニアという8歳の少女の「サンタクロースっているんでしょうか」という問いに、当時の記者が社説で答えた文章が収録されたのがこの絵本なのです。

時代的なものもあるでしょうが、品格のある、柔らかな文章です。言葉自体が、美しい。

それに、当時私は十代前半で、子どもに近い歳だったので、子どもを馬鹿にせず真摯に答えてくれたのが、とても嬉しかったのです。

今の私は子どもと接することも少なくない仕事をしているのですが、こんなふうに誠実に向き合えるかな、とハッとさせられもします。

今の感覚では古く感じる方もいるかもしれませんが、読み継がれていってほしい。サンタクロースという現代に唯一生き残った魔法的存在と同じように、この本にも失ってはいけないものが潜んでいる気がするのです。

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