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ワーグナー:楽劇「ローエングリン」 (3CD) 価格:¥ 4,101(税込) 発売日:2006-10-23 |
例によって、夜ぼーっとテレビを見ていたら、無印良品のコマーシャルで、《クリスマス ヘクセンハウス》を紹介していました。 ヘクセンは、たぶんドイツ語だと思うのですが、魔女のことですよね。“魔女の家”つまりヘンゼルとグレーテルのお菓子の家です。 とっても可愛いお菓子の家で、CMも感じが良いのですが、それを見ていて、以前軽いショックを受けたことを思い出しました。 『歌劇ローエングリン』だったと思うのですが、悪役の魔女が出てくるわけですよ。もうベタな悪女で、すごーく憎々しいのです。 ところが彼女が、北欧の神(オーディンだったろうか……)を信仰していることが分かるんですね。 北欧神話に一時期ハマったことがある私は、思わず心の中で叫びました。 だったら彼女は魔女(ヘクセイ)ではなく、巫女(スパーコナ)ではないか! キリスト教世界では、こういう解釈になってしまうんだな……。スパーコナ、という響きより、ヘクセイ、という言い方の方が、蔑んだ感じあるよな……とか思って、ちょっと悲しかった。 でも、“ヘクセンハウス”という響きはけっこう可愛いけど。 ちなみに、私がヘクセイ、という言葉に初めて触れたのはこの本でした。 グリム幻想―女たちの15の伝説 |
グリム童話に出てくる女たちにスポットを当てた、ちょっとブラックなメルヘン。
イラストレーター東逸子氏のリトグラフも美しく、内容も好きなのですが、今は入手困難なようです。残念!
そして、私が北欧神話に凝ったきっかけは、小4の時に読んだ、『サイボーグ009 北欧神話編』でした。
私と同じようなひと、いるのかな……。
BGV代わりに、点けたテレビをNHK-BS2にしたら…チェコのイジー・トルンカの人形アニメ「チェコの古代伝説」をやってました[E:note]
建国伝説のエピソードを連ねて、神話の時代から人間の時代へと変わっていく様を描いたもので…
最初の部分に、こういうエピソードが描かれます。
建国の父とされた王には、三人の娘があり、王の死後は、末娘がシャーマンのようになって国を治めていたのですが…女に支配される事に不満を抱く男達の様子に、末娘は森の中へ啓示を受けに行きます。
そして、そこで受けた啓示の通りに、ある農夫を王と定め、末娘とその側近の女達は権力を失います。
その後、女達は砦に籠っていますが、夏至の夜、彼女達に捕まっていた男達(王もいたのか?[E:coldsweats02]よく解らないんですが[E:coldsweats01])を助けに来た男達と、裏切った娘により、砦はたちまち合コンの場に…[E:happy01]
ただ一人、その事態を受け入れられないある娘が、砦を出て行くのです…
男性上位となっていく人間の世界を捨てて行くかのような彼女の姿は、“魔女”といつしか呼ばれるようになる女達の、遠い先祖のように見えました…。
アートアニメ、大好きなんです[E:happy01]
でも、巫女が魔女になってしまうように、差別された人々が魔物になるのかなぁ……と思ってしまったりして[E:think]
鬼、というのも一説にはオヌ、隠れる、という意味の古い言葉からきていて、“隠れ住む人”ということだった、というのを聞いたことがあります。
ちょっと興味深いテーマです[E:confident]
「チェコの古代伝説」について。
シャーマンの末娘に、ある男がこんな台詞を叫ぶシーンがありました。
「女は髪は長いが、知恵が足りない!」
…どの口が言ってんだ[E:annoy]、この口か、この口か[E:sign03]
…って感じですねぇ[E:coldsweats01]
キリスト教の伝来とは関係なく、女性が社会の中心だった時代から、男性支配の時代へと変わって行くのは、洋の東西を問わないんでしょうかね…。
(この作品には、キリスト教の影を感じなかったので…)
トルンカ監督の別の作品で、岸田今日子さんがナレーションを担当されたものがあるそうですが…タイトル忘れちゃいました[E:weep]
そういう目で観ていたせいだけじゃないと思いますが、この作品の女性キャラの人形が、今日子さんに面差しが似ている気がしましたね…[E:weep]
人間は、差別する生き物なのでしょうか[E:despair]
男女どちらが欠けても、人類は発展できないのに[E:think]