タキュイナムサニタティスに描かれたガラスの瓶に関連するのお話をしようと思います。あれはローズウォーターを作るための容器でした。ヨーロッパでは1350年頃からローズウォーターを使った料理が料理書の上に登場し始めます。
イングランドでは1550年の“A Proper newe Booke of Cokerye、Matthew Parker, Archbishop of Canterbury, and Margaret Parker his wife.著.” 頃からですが、ドイツは1450年、イタリア、フランスは1300年代の料理書の中に登場します。十字軍の遠征による影響、その後のタキュイナムサニタティスのヨーロッパ各地への拡散速度を考えると各国の料理書への登場年代に納得ができます。下に十字軍の遠征地とその年代を引用しておきました。
https://sekainorekisi.com/download/ 十字軍の遠征路とラテン帝国地図/
これが1096年から始まる十字軍遠征路です。この地図とペルシャの地方政権乱立期の地図とを比較すると、十字軍遠征とその影響を受けた地域と程度がどれほどのものであったかを知ることができます。
ペルシャの地方政権乱立期
1096年の第一回十字軍遠征時,1055年にアッバス朝からセルジュク朝に、1118年にはイラク・セルジュク朝が建ち、アッバス朝はその庇護下に入ります。目まぐるしい変遷を遂げるのですが、
ローマ帝国の最大領土 https://sekainorekisi.com/glossary/
振りかえってローマ帝国の領土と比較すると。ローマ帝国は476年に東西に分裂し、480年、オドアケルにより西ローマ帝国は滅亡し、1453年オスマン帝国により東ローマ帝国が滅亡します。 1922年 に滅亡するまでオスマン帝国はヨーロッパ諸国が東方へ向かう出口を塞いでいたとみることができます。
オスマン帝国の最大領土(1683年)