トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT4のフラクタルズ(Fractals)をどう使う?

2019-02-11 12:18:00 | 投資

 MT4にはビル・ウイリアムスの開発した6個のテクニカル指標が標準搭載されています。筆者も誤解していたのですが、ビルウイリアムスは有名な%R(Williams’ Percent Range)の開発者ラリーウイリアムズとは別人ということです。%RはMT4の中では「オシレーター」指標群の一つとして搭載されていますが、ビル・ウイリアムスの6個のインジケータはそれとは別に「ビル・ウイリアム」特別ファイルに収められています。 

 6個はいずれもあまねく利用されえているテクニカル指標ですから、実用に耐えるものばかりでしょうが、どう使ってよいのか戸惑ってしまうのが、Fractalsというインジケータでしょう。MT4チャートにFractalsを挿入したのが次に掲げるチャートです。

 

 「一見して逆張り指標だな、上向きの印が出ているところで売り、下向きの印で買えば成功しそうだ」と思ってしまいがちですが、なかなかどうしてそう単純にはいかないのです。 

 現値より2本前のローソク足の上の印がFractal Up、6番目の陰線の下の印がFractal Downと称されるサインです。Fractal Upはその足の高値、Fractal Downはその足の安値の値を持っています。さて、2本前に表れているFractal Upのサインはいつ出るのでしょうか。実は、現在の足の始値で初めて点灯したのです。つまり、サインが出てすぐに市場参入ということは不可能ということです。サインが出るタイミングは、現在の足を含めて過去5本のローソク足の真ん中の足の高値が両脇2本の高値より突出して高くなった時であり、上記チャートの現値でその条件が整ったことになります。整理すると次のようなローソク足の並びとなります。

 

                

 現在のローソク足が終値で上図のような形態となっていれば、それぞれに表れたFractal UpとFractal Downは確定することになります。2本前の足はおろか、1本まえの足でさえサインは出ていないことになるので、現値ですぐに買いとも売りとも判断しかねるのです。 

 そこで登場するのがもう一つのインジケータSupport and Resistanceです。このインジケータはFractalsを母体に作成されているので、とても相性が良いのです。FractalsにSupport and Resistanceを重ねて表示してみました。(USDJPY M30)

  これなら下値支持線、上値抵抗線として使えそうですね。赤と青の線の値はそれぞれのFractalsの値と同じです。現在、上値抵抗線をブレークしています。このチャートにボリンジャーバンドを追加表示すれば、レンジブレークの順張り手法にも使えそうです。 

 現在、筆者はFractalsに関して研究中です。ぜひ皆様からのフィードバックをお待ちします。なお、Support and Resistanceはネットで入手可能となっています。

追記:Fractalsはレンジ相場手法で効力を発揮するスーパーシグナル系インディケータで利用されています。6月12日ブログでは、リペイントしない改良型を公開しております。

https://blog.goo.ne.jp/antnobu/e/42f9f63c0f38aa66bd6e22ea6a1231a8