石原講師最新の順張り戦略であるMegaTrend Follow手法に用いられているすべてのインジケータの種類とそのパラメータの解明が完了し、残す課題はその手法に沿った自動売買システム(EA)をMT4上で実現することでした。
但し、講師が用いられているパラメータで明らかに修正を要するものが1件ありました。それは、MegaTrendFollowで用いられている移動平均(MA)の計算手法です。講師の計算方法は、SMAを採用されていますが、これではトレンド変化に対する反応が遅きに失し、エントリー遅れ・エグジット遅れが多発いたします。本EAでは計算式をLWMAに変更しております。結果、顕著な改善が見られたこと、既報告の通りです。その他のインジケータについては、講師設定どおりのパラメータといたしました。
EAにおける追加機能としては、各別のSLとTPをピップス単位で設定すること、また、ATRを用いたトレイリングストップ(TrailingStopByATR)をともにオプションとして装備しております。
一、EAの主な構造
トレンドの方向性判断指標としては、①MegaTrendFollowの他②ADX・StfDev、③Bollinger Bands(BB21)があります。講師は①及び②を使って、①単独運用と①②併用しての運用を取引の中心とされ、③については副次的に利用されています。
本EAでは①MegaTrendFollow単独、②MegaTrendFollow とADX・StdDev併用、③MegaTrendFollowとBB併用、④、MegaTrendFollow、ADX・StdDev、BBの3者運用が自由に選択できるように設計されています。そのデフォルトでの設定画面は下記の通り。
1)エントリー条件(石原講師の典型取引)
メガトレンドが買いトレンドである場合、ADX_StdDev(サブチャート上段)の方向性も買いトレンドとなった場合には、メガトレンドのポジションに加えて新しい買いポジションを取ります。メガトレンドが売りトレンドでADX_StdDevの方向性もそれに一致すれば、メガトレンドの売りポジションに加えて新しく売りポジションを持ちます。メガトレンド、ADX_StdDevいずれのシグナルの点灯が先行しても同様です。いずれにおいても、シグナルが終値で確定した場合に、次のローソク足の始値でエントリーされることになります。
2)MeMo_1取引モード手仕舞い条件
MEMO_0モードは途転売買なので手仕舞い条件の説明はするまでもありません。MEMO_1モードの手仕舞い条件は、ADX_StdDevのシグナルに反対方向のシグナルが点灯したとき、または、MegaTrendにトレンド転換があったときのどちらか早いタイミングでMEMO_1モードのポジションが決済されます。
二、設定画面の説明
① 設定画面では、メモ欄が3ヶ所に設けられていて、説明のように各取引モードに分類されています。設定では、MegaTrendのみによるトレードのLotsが0.1(1万通貨単位)になっています。MEMO_1のLotsは0となっていますが、これにLots数を入力するとMegaTrendとADX_StdDevの組み合わせた取引が行われます。MEMO_2の取引についても同様です。MEMO_1モードのみの取引やMEMO_2モードのみの取引は行うことができません。
② 各取引モードには、SL(損切り)とTP(利確)をピップス幅で設定することができます。
③ 各取引モードには、ATRベースのTrailing Stopが用意されています。MEMO_0の基本モードでは大変有効となります。(後述)
④ 基本取引となるMEMO_0モードでは、移動平均の期間と計算方法のパラメータを設けました。石原講師の設定を試すには、MegaTrendMA_Periodは50、MegaTrend_MAMethodは0(ゼロ)となります。
三、取引モード別過去検証(バックテスト)
テスト通貨ペア:EURUSD 時間軸:日足 テスト期間:2021.01.01 ~ 2121.11.30
テスト結果の中心となるMEMO_0モード単独取引とMEMO_0モードとMEMO_1モードの併用取引について詳しく見ていきます。
1)MEMO_0単独取引_トレイリングストップなし
2)MEMO_0単独取引_トレイリングストップあり
3)MEMO_0単独取引モード総括
メガトレンドは比較的長期のトレンドを追尾するため、ATR Trailing Stopの効果は絶大で、同じトレード回数でもPFは2.38と大幅に改善されています。MEMO_0モードに限っては、トレイリングストップを常時trueとしておくことが推奨されます。
4)MEMO_0モードとMEMO_1モードの併用
この組み合わせは講師が取引されているという基本の取引システムとなります。SL、TP、の設定も「なし」とします。
① トレイリングストップなし
② トレイリングストップあり
5)MEMO_0モードとMEMO_1モードの併用取引総括
石原講師基本取引システムとなりますが、こちらはPF 1.65と2を下回るものの平均を上回る結果が出ています。テストのチャートをよく見ると、MEMO_0とMEMO_1のシグナルが2本別個に発生していることが確認できます。MEMO_0モードに「トレイリングストップあり」として全チック検証してみた結果はPF 2.11となり、こちらでも「トレイリングストップの効果が出ています。
6)MEMO_0モードとMEMO_2モードとの併用、及び3モード併用
こちらの組み合わせについても、同様の検証を行いましたが、結果はMEMO_0とMEMO_1の組み合わせには及びませんでした。講師がBollinger Bands(BB)を参考指標として脇役に置かれた理由が理解できます。ADXやStdDevは相場がBBのσ± 1のバンド内にあってもシグナルを発するのに対して、BBのシグナルはバンドを外側に飛び出したときにのみシグナルを発するので、守備範囲が狭いという傾向があります。したがって、本モードを含む取引スタイルはEAのオプションとしては残しておきますが、現在の市場環境では、当面、実取引には利用は推奨されません。追加の検証または、将来の市場変化に備えたオプションとなります。
7)MEMO_1モードでのトレイリングストップ
メガトレンドの比較的長期のトレンド周期と比較してADX_StdDevのトレンド周期は短期であるため、ATRによるトレイリングストップの効果は区々になっています。銘柄により、またはパラメータを変更することにより効果の濃淡があるものと考えます。トレーダーの検証に待ちますが、デフォルトでは「トレイリングストップなし」とします。
8)SL(損切り)及びTP(利確)の設定
いずれの取引モ-ドにもSLとTPをピップス幅で設定することができますが、こちらも任意に設定が可能ということであり、いずれも「設定なし」をデフォルトとしています。
四、EAの公開予定
基本的なEAは完成しましたので、提携先(MT Studio21社)との打ち合わせの後、同社HPにて近く公開を予定しております。このブログがアップされる頃には、すでにMT Studio21にて公開済みになっているかもしれません。
一方、石原先生の番組で自動売買をされている事を話されているのを見て、いつも羨ましく思っていました。
今回、石原先生の自動売買を作成されたとの事、よくぞ作成して下さいました!
自動売買でしたら日米の株価指数や商品、為替など分散投資が可能になりますので、投資成績の向上が見込めるのではないかと期待しています。
引き続き素晴らしい商品を開発される事を期待しています。
これまで、講師はセミナー主催FX業者のチャートシステム上で、インジケータの表示をしつつ相場の分析や解説をされていましたが、最近はMT4のチャートのみを提示されており、そのインジケータの内容も公開されなくなっています。そのため、講師ファンのトレーダーの多くは隔靴掻痒の想いであったかと思われます。今回偶然も重なり、講師のインジケータの全てが判明しましたので、EAの作成にも漕ぎつけることができました。今後も、皆様のお役に立てればと願っております。
さて、本EAを先月初旬の販売開始直後に購入し、先月半ばから日経225cfdで20万円から運用を開始し、1か月足らずの現在で38万円を超えています。
私がこれまでの4年間で出会った数多のEAの中でも群を抜いて優秀なEAだと感嘆しており、改めて深く感謝申し上げます。
さて、本EAを運用する中で改良頂きたい点が一点だけ生じましたので、リクエストさせて頂きました。
それは、タイトルのとおり、MeMo_1モードの手仕舞い条件です。
MeMo_1モードの手仕舞い条件は、 取説のとおり、ADX_StdDev のシグナルに反対方向のシグナルが点灯したとき、または、MeMo_0モード(MegaTrendo)にトレンド転換があったときのどちらか早いタイミングで決済される訳ですが、この条件に加えて、MeMo_1モードの売買シグナルが「消灯」した際にも決済して頂きたいのです。
つまり、MeMo_1モードの売買シグナルの点灯でエントリー後、売買シグナルが消灯した時点が最も利幅が取れている事が多く、さらに言えば、消灯後、消灯状態が続いてから反対方向シグナル点灯時又はMeMo_0モード(MegaTrendo)のトレンド転換時では、買いで踏まれ、売りで担がれている事が大変多いのです。
何卒お聞き入れ頂けますと幸甚です。
引き続きよろしくお願いいたします。
ご希望の件は、EA作成時にも検討しておりました。最初は、ご提案通りの方針で取り組んでいたのですが、相場がレンジ内で上下する場面では、売買シグナルがとぎれとぎれになる結果、テストではあまり好結果が出ませんでした。結局、現在のような手仕舞い条件になった経緯があります。但し、テストはEURUSD中心の通貨ペアにて行いましたので、貴殿運用の株式CFDでは別の結果が出ている可能性があります。
一斉に手仕舞い条件の変更はできませんが、ご希望のオプションを付加した、非公開の更新版をテスト的に作成しお届けしようかと考えています。貴殿のご試用感を伺った上、MT Studio社の承認があれば、正式なEAとして更改いたします。準備に少し時間を頂きますので、その間TP SL機能でカバーいただきたく、よろしくお願いします。
手仕舞い条件決定の経緯についてよく理解できました。
また、非公開の更新板をお届け頂けるとの事、幸甚です。
私のメアド等のご連絡はどうしたら良いかなど、追ってご指示下さいませ。
この度は誠にありがとうございます。
引き続きよろしくお願いいたします。