トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

マーチンゲールEA作ってみたが、矢張り怖い!

2017-05-07 11:27:55 | 投資

 先のブログでマーチンゲールのお話をしました。マーチンゲールというと、もう20年以上も前にロンドンのPalm Beach Casino Clubというカジノでこれをやって、ディラーやテーブルに同席した顧客から冷笑を浴びたことを今でも苦々しく思い出します。 

 実はEAはとっくに出来上がっていたのですが、このようなバクチルールのEAを公開するのには、とても抵抗がありました。なぜなら、他のマーチンゲールと同じく資金が有限である以上、20連勝しても1回の負けで破産してしまう危険が大きいからです。今回は、デモまたはバックテストでのお遊びに使うことを前提として、リクエストいただいた方には無料で提供することといたしました。

  添付しましたのは、2017/01/01 ~ 2017/4/30の期間でバックテストを全チックベースで行った結果です。美しい右肩上がりになっていますが、裏には暗い事実も隠されています。期間中、連続4回負けがありました。最初のロットは$5000で始めていますから、最大ロット数、0.5の4乗の8万ドル、最大ポジションは15.5万ドルとなり、レバ25としますと、資金は1万ドルではギリギリであったことが分かります。因みに、昨年1年間のバックテストも行っていますが、そこでも連続4回負けが数回ありました。このEAの基本的なルールは次のようになっています。

通貨ペアはUSDJPY、期間は5分足。最初のエントリーはRSIを使っています。RSIの30割れで買いエントリー、70超えで売りエントリー、負ければ価格が30pips上昇、または下落するごとにロットを倍々としていくやり方です。Entrypeは0と1が選択でき、0は現値ベースでのエントリー、1はローソク足確定後のエントリーです。EAのダイアログボックスは以下のようになっています。

 

 このEA使用についての注意点

1)リアル口座では使用しないこと。

2)最初のロットが1万ドルであれば5ドルの利益、5千ドルであれば2.5ドルの利益という考えでプログラムは作成されています。

3)バックテストは現状円建てでは行えません。したがって、デフォルトでは、資金も利益額もドル建てになっています。

4)一方、円のデモ口座で本EAを作動させる場合は、利益額も円にて把握されますので、2)の5ドルは500に、2.5ドルは250とする必要があります。さもないと、利確は5円または2.5円でなされますので、要注意。 

 本EAご希望の方はMetaGenicFXのお問い合わせ欄からお申し込みください。https://metagenicfx.thebase.in/


10年来の高値圏・安値圏にある通貨ペアを狙え

2017-05-06 13:08:24 | 投資

 値頃感によるFXのトレードは最も避けるべきことの一つとされている。主要通貨に限ってのことだが、もし或る通貨ペアが10年来の高値圏や安値圏に位置している場合はどうであろうか。 

 前にもちょっと触れたが、Linear Regression(以下LR)というインディケータがあって、このツールは現在の価格が過去10年間の相場の中で、どの位置にあるかを教えてくれる。 

 添付画像はAUDUSDのチャートにLRを表示させたものである。よく見るとLRは全体として右肩上がりのチャネル内にはあるが、5月5日現在の価格はチャネルの底から14.18%のところまで下落している。画像には出していないが、USDCADは88.5%とこちらはチャネルの天井に近いところまで上げている。昨年の6月に125.85を付けたUSDJPYは、チャネルのほぼ天井100%(125.85)にあって、その後下げに転じ、本年1月にはチャネルの中心50%(98.90)で底を打った。

 月ベースで5年間も勝ち続けている友人は、昨年の円安局面ではこの時を見逃さなかった。LRが相場の天井に近いことを教えてくれていたからである。相場が122.50に達したころから逆指値によるUSDJPY売りのトラップトレードを開始。天井の125.50を最上位トラップとしてロット$2,000、トラップ幅は25銭ということであった。そして115.00で全ロットを決済したということである。(下図)

 

 その際の仕掛けをMetaGenicFXで紹介しているEA、TrapTradeSystemで再現してみよう。このEAは主としてトラリピとして利用されるが、逆指値によるトラップ取引にも対応している。既存のトラリピEAで逆指値対応型であれば、それを使っていただいて差支えない。

 

 ダイアログボックスの中身を簡単に説明すると:

Lots:0.02 // 各$2000の逆指値オーダー

Positions:50 //トラップの数

BuyTrapはfalse、SellTrapはtrue、LimitAndStopOrderはfalse、逆指値のみのオーダーであるからStopOrderOnlyをtrueにする

OpenPrice:125.50 //売りトラップの最上位となる価格

TrapIntvl:25 //トラップ幅は25ピップス(25銭)

TakeprofitPips:0 // トラリピではないからゼロとする

StopLossPips:0 // 逆指値で含み損は持ちにくいので、原則入れない

StopTriggerPips:25 // ここでは現値があるトラップまで上げた場合、その一つ下のトラップ(25pips下のトラップの価格)に売りの逆指値オーダー

OrderRangePips:200:// 現値から乖離した差し当たり必要のないオーダーを出さないため、現値から200pips以内のオーダーのみを発注させる機能、デフォルトでは300

MAGIC:1000 // マジックナンバー、同一通貨ペアで複数のEAを稼働させるときは、マジックナンバーは100番程度離した数字を使う

UseTrailingStop:false // トレイリングストップを使う場合はこれをtrueにするが、ここでは使わないのでfalseのままでよい。また半自動(VPSを使わない)の場合は、そもそもトレイリングストップを使わないTrapTradeSystem版を選択される方がよい。 

 現値が122.50手前でEAを稼働させたとすると、現値が同価格を付けた瞬間、122.25の逆指値売り注文が発注される。自分のパソコンで運用する場合、パソコンのスイッチを入れた際には、相場が123.00を付けていたとしても、EAが欠落している122.25等の売り注文を発見して、自動的にその注文を発する仕組みである。

 通常ではこのように将来価格に基づいた待機注文は出せないが、MT4ではこれが可能となるのである。逆指値待機注文の優れたところは「トラリピは逆指値がお得」で詳しく述べた。上記の例で、たとえ、相場が127.00になったとしても逆指値の売り注文が残るだけで、ポジションはなくしたがって含み損もほとんど発生しないのが原則だ。 

USDCADとAUDUSDは各々天井と底に近い。私も虎視眈々と市場参入のチャンスを待っている。

(注)LRのインジが見つからない場合は、metagenicFXのお問い合わせ欄からメールしていただければ、お送りします。 


西山孝四郎(石原順)の最近のセミナー

2017-05-05 11:36:20 | 投資

  西山孝四郎(石原順)氏の最近のビデオセミナーが公開されていましたので、そのアドレスを下欄に掲げておきました。 

 いつもながら、標準偏差(STD)とADXを使った順張り戦法ですが、氏は四半世紀以上もこの手法で、ヘッジファンドのファンドマネージャーとして生き残ってきたといわれます。 

 セミナーでは株式についても言及されていますが、その場合はボリンジャーバンドのσ±1は0.6に設定するよう奨励されていました。氏のトレード手法は、以前のブログ「西山孝四郎の順張り手法でコピートレード」でも取り上げていますので、参照されたい。 

MetaGenicFXで公開中のインディケータはトレンド発生時にはSTDとADXの線が赤く変色するようになっています。(左はSTD、ADXを別枠標示、右チャートは同枠表示、四角で囲んだトレンドは逃がしてはならない) 

録画セミナー公開先:https://www.youtube.com/watch?v=_7Gc2pBtTOc&feature=youtu.be

資料:http://www.fxtrade.co.jp/doc/20170502_seminar_ishihara.pdf

 


トラリピの仕掛けどころ

2017-05-04 15:49:56 | 投資

 再びトラリピについて、今回は仕掛けどころについて考えます。これまでのテーマでは、MT4を使えば自己のパソコンのみで、何十本もの複数ペアのトラリピ注文も一気に発することができるし、1日数回パソコンのスイッチをONにしてやれば、決済されて欠落しているIFD注文も自動的に再発注されることが分かりました。これをわれわれは、半自動(半手動)取引と呼ぶことにしています。注意事項もその際に申し述べました。 

 さて、トラリピがわれわれ一般トレーダーにとっては、比較的勝ちやすい手法であることは疑いないにしても、仕掛けどころを誤ればとても成功は望めません。いかに逆指値で攻めようとも、途天井で始めた買いトラリピであれば、どうにもなりません。仕掛けどころは、売りでも買いでも頭を使わなくてはならないところです。 

 先に紹介した5年間トラリピを含むトラップ取引で勝ち続けている方は、Linear Regressionというインディケータを使って、10年来の高値圏や安値圏にある通貨ペアを狙うという戦略をとられています。しかし、そのような現象下にある通貨ペアはめったに見つからないので、例えば週足のボリンジャーバンドでσ2近くにあれば売りトラリピを、—σ2近くにあれば買いトラリピをといった方法をとっておられるそうです。 

 私は最近例の小次郎講師の「大循環分析」を使って成功しています。売りであれば、週足の大循環分析のステージ2で始めています。これはMACD(5/20)がゼロラインを割ったところです。トラリピは大まかな判断でよろしいので、ここから逆指値手法で入ります。出口は、ステージ4でそろそろ売りトレンドも終わろうかといった時点です。大循環分析では、相場の循環は時々逆循環をみせることがありますが、逆指値で入っているので、少々の逆流は恐れるに足りません。いずれ、正循環に戻りますので、じっくりと本来のトラリピ精神で臨むことになります。買いのトラリピであれば、ステージ4で仕掛けて、ステージ2終わるのが大体の目安です。(KACD 5/20のゼロライン突破で仕掛けて、ゼロラインに戻れば手仕舞い) 

 以上を纏めると、移動平均線、ボリンジャーバンド、その他インディケータで週足(または月足)の高値圏や安値圏にある通貨ペアを見つけることが基本といえるのではないでしょうか。 

 因みに、5年間勝ち続けている方は、主として利確値を入れない逆指値によるトラップ取引を多用されています。そして総利益が目的額となれば、全トラップを一挙に決済するという手法をとられています。MetaGenicFXで扱っているEAはこの手法も対応しています(説明書付)。


うねり取りと大循環分析【続】

2017-05-02 18:46:59 | 投資

 過日の日記で、小次郎講師の「大循環分析」と相場師朗氏の「うねり取り」には、共通するところが多いことを発見した。そして大循環分析用に作成したMT4のインディケータのパラメータを変えるだけで、「うねり取り」にもそのまま使えることも分かった。 

 「うねり取り」では、相場(あいば)氏は、5/20/60の単純移動平均線(SMA)を使っておられるが、これを指数移動平均線(EMA)に代えたら、チャートはどう変化するのだろうか。本日のNikkei 225を表示すると、下図のようになった。左がEMA、右が元のSMAを適用したものである。「うねり取り」では、MACDは使われていないが、参考までに両チャートにMACD(5/20、5/60、20/60)も併せて描画させてみた。 

 一目瞭然、EMAの方がSMAと較べて圧倒的に反応が早い! そして何よりもうれしいのが、うねり取りではローソク足と5移動平均との絡み具合で、エントリーを分散するのであるが、そのタイミングをMACDがビンビンと教えてくれるのである。相場が底値周辺にある場合、先行して上昇をしだした5/20及び5/60に続いて20/60のMACDが上昇し始めたら(ピンクから青に変色)試し買い、5/20MACDがゼロラインを越えたら第2の買い、5/60MACDがゼロラインを越えたら第3の買い、そして20/60(棒グラフ)がマイナス域からプラス域に入ったところで最後の買いといった具合だ。これって、相場講師が詳細に説明してくれているキーポイントとずばり一致しているのだ。 

 相場はいつも同じ展開を繰り返すことはないから、上記のキーポイントでは両建てを巧みに操作しながら「うねり」を取っていくのが相場(あいば)氏の手法のエッセンスなのである。ここのところは、MT4といえども自動売買ができないところで、まさに職人技である。講師のビデオを視聴して練習を重ねていくしかない。 

 残念ながら、東京株式市場の個別株式(CFD)を扱うMT4採用FX業者は海外ブローカーでも少ないので、このインディケータは当面Nikkei225、US30(ダウ)FTSE等の株式指数CFD中心に使っていきたい。くりっく株365にも新しい武器として利用できる。 

大循環インディケータは:https://mtstudio21.com/