既報告のとおり、専業トレーダーSさんからヒントを得て「最適取引ペア選別ツール」2種の開発を終えました。早速、Sさんに試用していただいた結果、好評価のフィードバックもあり、胸をなでおろしている次第です。チャートは、2種のツールをEURUSD及びAUDJPYのMT4チャート上に展開したものです。2019/2/7 11AM 1H EURUSD
2019/2/7 11AM 1H AUDJPY
上段のインジケータ:Daily OPS(Optimum Pair Selection)
下段のインジケータ:Smoothed OPS(FXTF社のKyojakuに相当)
Daily OPSの特徴とフィードバック
主要8通貨(EUR,GBP,AUD,USD,CAD,CHF,JPY)相互間の日中の強弱関係を示します。マーケット開始時点をゼロとして、その後各通貨がどのように展開していったかを4時間足以下のチャートに展開したもの。Sさんがひそかに使用されていたものは、一部のMT4会社でのみ表示することができませんでしたが、これをMT4採用会社全部にて表示できるようにしています。
Smoothed OPS
Daily OPSだけでは、毎日分断した強弱分布が表示されるため、過去の推移が明確に判断できません。連続した強弱インジケータとしては、FXTF社のその名もずばりFXTF Kyojakuというのがあります。しかし、このKyojaku、ププログラムの内容が公開されていないのとプログラム自体にロックが掛っているため、他社のMT4では利用することができません。同社のホームページに論理構造の概略が記されていたので、そのとおりにプログラム化したのがSmoothed OPSの元となっています。紹介された論理式のみですと非常に鋭敏に振動するインジケータとなってしまいますので、何らかの平滑化が不可欠となります。平滑化の論理式までは表示されていなかったので、やむなく開発者独自の法式をとりました。このため、FXTF社オリジナルKyojakuとSmoothed OPSとでは波形が細かいところまで同一ということにはなりません。オリジナルは波のギザギザがみられますが、Smoothed OPSでは比較的滑らかな波形となっています。
2個のインジケータの使い方
フィードバックしていただいた2種のインジケータの使い方は、開発者が予想していたとおりでした。その使い方は、Smoothed OPSにおいて過去からの通貨間の強弱を掴み、実際に取引に入る時間帯で両OPSをさらに分析して、その日のトレード候補となる通貨ペアを2~3ペアに絞る。更に、S氏のトレード時間帯が東京マーケット終了後の欧米市場の時間帯であることから、Daily OPSのゼロとする基準時間(オフセットタイム)を0ではなく16(日本時間午後3時)にしているとのことでした。夏時間であれば、17ということになります。(下記チャート参照)
2019/2/714:00 GBPJPY 1H
Smoothed OPSについては、日足以上の時間軸での分析も可能です。通貨の強弱を日足ベースでとらえるには、日足(D1)の時間軸を選択します。Daily OPSはチャートから消えますが、下段のSmoothed OPSは引き続き日足としての機能を有しますので、オーバーナイトから中長期の判断にも利用することができます。
Sさんからは新たな宿題を頂いています。このOPSの金・原油等の商品や株価指数への応用という問題です。もちろん可能だと断言できますが、通貨群とは質的に異なりますので、インジケータとしては別異の形をとらざるを得ません。FXは単なる通貨間の交換レートに過ぎず、交換レート変動の総和はゼロになるはずですが、商品等の価格変化は絶対的な価値の変動でありますから、時として全商品が一緒に値上がりするという状況が生まれます。その点に留意しつつ新たな宿題に取り組みたいと考えています。MetaGenicFXにて公開されました。
https://metagenicfx.thebase.in/
(注)Smoothed OPSとFXTF Symbol Kyojakuの利用方法は両者共通です。そのため、FXTF社のホームページにあるKyojakuの説明はそのままSmoothed OPSに当てはまります
https://www.fxtrade.co.jp/page-257491