小路幸也の新作。★★★★★
カメラマンを志す大学生の志田圭司(シダケイジ)は、時間があると、東京の公園を回り、「家族」の写真を撮っている。
ある日、圭司は、初島という年上の男に出会い、「公園に出かける妻と子どもを尾行して、写真を撮ってくれ」という妙なバイトを頼まれる。
晴れた日には、必ず公園に出かける初島の妻・百合香と娘・かりん。二人の写真を撮るたびに、少しずつ百合香を意識し始める圭司。
これは恋なのか?・・・
~まるで、一編の映画を観ているような小説でした。
公園の風景もきれいで、登場人物もあたたかくて。
自分と周囲の人に対して、まっすぐに向き合う圭司。
圭司より三つ年上で、ライターでデザイナーの同居人ヒロ。
二人の家にごはんとDVD持参で遊びにくる、彼女ではない、同級生の富永。
圭司の義理の姉の志田咲実。
そして、彼らの言葉のひとつひとつが、胸に沁みてきます。
職場の休憩場所で、読んでいたので、じわじわとこみあげてくる涙を抑えるのが大変でした。たぶん、家だったら大泣きしてたでしょう。
今も、じわじわきてます
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一番泣いたのは、ヒロの過去のエピソード。
どんなあやまちも許せるひとがいるんだ、と胸が熱くなりました。
2007年、最初に読んだ本が、この一年の№1かも。
そのくらい好きです。めちゃめちゃ良いです。
だめだ、この本、図書館に返したくない。買おう。
私もこの本、読みました。いいですよね。
小路さんの本に出てくる登場人物ってみんなさわやかな人たちなんですよね。
読んだ後、清々しい気分になりました。
とてもいい作品でした。
みんなさわやかで、やさしくて。
だれもが、だれかのしあわせを願ってて。
だから、読んだあとも、あたたかなきもちが残るんだな~
と思いました。
好きな言葉が幾つもあって、何度でも読みたい作品でした