夜間雷が聞こえ、パラパラと雨が落ちたが、晴れの朝を迎えられそうなので、暗いうちにテントを撤収して出発。
山頂で日の出を待つが、東の水平線は雲が掛かっていて御来光が見えるのかどうかヤキモキする。
期待に応えるように、やっと太陽が雲間から上がって来た。
雲がスクリーンとなり、赤い丸が東の空に浮かぶ。
飛龍山に雲取山の影が映る。日が上がる方向も今の時期が丁度良いようだ。
さあ、朝日の中下山を開始する。眼下には長い尾根が連なっている。
昨日の笹に覆われた縦走路とは打って変わって、真っ直ぐな道が伸びている。
登山道というより朝の散歩道の方が似つかわしく、足取りも軽やかになる。
知らぬ間に小雲取山を過ぎ、急坂の下には長く伸びる稜線が見える。
朝日が木々の間から差し込み、道に縞模様の影が出来る。
緩やかな下りから少し上がればヨモギノ頭へ。
南側は大きく開け、七ッ石山までの稜線を鳥になった気分で俯瞰する。
奥多摩小屋跡付近に下りて来る。絶好のロケーションなのに、現在は閉鎖された事がつくづく残念。
何方かクラウドファウンディングで小屋再開を計画してはくれないものだろうか。
尾根は細くなってはきたものの、西側に視界が開け、気持ち良く歩ける。こんな登山ならずっと続いて欲しい。
不思議な樹形のカラマツが視界に入る。
そして少しずつ七ッ石山が近づく。
七ッ石山を登って行く。恐らく今回最後の登り。
開けた草原を登る。草原はマルバダケブキしか生えていない。
夏になるとオドロオドロしい黄色の花咲く光景が目に浮かぶ。
もう間もなく山頂へ。これが今回最後の山頂になると思うと寂しく思える。
山頂から見た飛龍山。雲取山からここまでずっと見続けて来た。今回の山旅の主役だったと感じる。
そして雲取山とここまで歩いて来た尾根が続く。ここで見納めとなる。
これで三日間の山旅が終わりとなる。
天気に恵まれ、特に最終日は青空の元て歩けたなんとも幸せな登山だった。
先の事はまだ分からないが、次に来るとしたら紅葉の頃がいいかな、雲取山だけなら薄っすら白く染まる12月もいいかな、と想像を膨らませている。
(2019年5月22〜24日)
(終わり)