心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

栂海新道を行く。親不知へ。

2021-08-12 08:00:00 | 登山
昨日より1時間遅い起床。昨日頑張った分今日はゆとりが充分ある。

昨日歩いてきた山々が遠い彼方に連なっているのが見える。さて、この光景に別れを告げ出発。



昨日は見られなかった朝焼け。できるなら、もっと標高の高い所で見たかった。



木々に囲まれた下り。疲れが残っておらず足取りも軽い。



朝日が射し込んで来た。今日は標高が低い分一層暑くなるのか、とげんなりする。


ジメジメとした谷間に向かう。シキ割の水場までもうすぐ。



次第に坂が急になってくる。金時坂に差し掛かったようだ。



悲鳴を上げたくなるような下り。
終わりが見えず何処まで下るのだろうか。今回で一番キツい降りだった。



坂田峠で一休みしたかったが、アブ(ハチ?)の襲撃を受け、逃げるように出発。



先程の急坂と打って変わってなだらかな登り。



程なく標高677mの尻高山へ。標高差約600mを降りてきたことになる。



なおも下れば樹生が変わり、里に近づきつつある感がする。



立派な立山杉。



左側には遠くの山々が望まれる。稜線ははるかに高い。



藪に囲まれた明るい登山道に出る。



二本松峠付近。いにしえの峠道だった所。



薄暗い森から木漏れ日の道に変わる。

 

今回最後の山というと大げさだが、なにはともあれ入道山に到着。



次第にクルマの音が聞こえてくる。長かった下り坂もそろそろ終わりか。フィナーレは近い。



クルマが行き交う国道に降り立つもまだ、緊張感は緩まない。
このあと、親不知駅まで歩く。登山靴に馴染まないアスファルトのせいで足の裏が痛く、一歩一歩が苦痛だった。

山旅を終えた今もまだ歩き終えたという実感が湧かない。身体中の虫刺されの痒みもひかない。
まだ、身体のどこかでこの山旅を続けたいと感じているのかもしれない。

       (2021年8月4〜6日)

(終わり)

栂海新道を行く。白鳥小屋へ。(その2)

2021-08-11 08:00:00 | 登山
先程までの草原歩きのせいで、靴の中までビショビショになり、靴下を絞る。次はサワガニ山を目指す。



笹の茂る低灌木帯を歩く。 



サワガニ山の山容が見えてくる。



サワガニ山に到着。ここまでは歩きやすく順調。



右手側に広がる山また山の広大な景色。



犬ヶ岳に連なる稜線。(犬ヶ岳は3つ先の台形の山だった。)



このあたりから暑さが増し、風もなく、汗の量が尋常ではなく、休憩の度にタオルを絞ると滴る。



それでも山頂は次第に近づいてくる。



犬ヶ岳山頂。栂海山荘は目と鼻の先。



この先ハードさが増してくる。
急な下りを経て次は黄連山がぼんやりと見える。



黄連の水場の付近はブナ林がきれい。ここからまた登りとなる。



菊石山。すっかり暑さにやられ、体力的にもバテバテ、うずくまっていたいがそうもいかない。



今回で一番急な登りが待っている。
一歩一歩身体を上げるのがしんどい。



見上げれば、ほぼ壁というくらいの直登。登りも嫌だが、下りならもっと怖い。



ようやく、山頂。「はぁ」とため息がでてしまう。



下りに差し掛かると、今度は左側が崩れた崖。ロープがあるのが救い。



今日最後の登り。大した事ない坂なのに時間ばかりがかかってしまう。



頼みの綱の白鳥の水場はなんともショボい流れ。時間は掛かるが、なんとか必要量をくみ、山荘に向かう。


予想より大苦戦をしたものの、やっと到着。テントで寛ぎの一時を、と思ったが、蚊、アブにやられまくり、こちらでも大苦戦だった。

(続く)


栂海新道を行く。白鳥小屋へ。(その1)

2021-08-10 08:00:00 | 登山
栂海新道は長く、アップダウンが激しいので、朝日小屋の主人から「栂海山荘までには12時リミットで。」と釘をさされる。
それなら、出発時間を早め3時半に出て、長丁場ながら涼しい時間帯に稼いで、白鳥小屋まで頑張ってみる事にする。


朝日岳を越えると、東の空が明るくなってきた。



吹上のコルから栂海新道に入ると、ガスに包まれる。



右手側はなだらかな斜面の草原。雪渓も残っている。

森を抜ければ、広大な景色が広がる。今日はどこまで歩いていくのだろうか。



アヤメ平付近。ヒオウギアヤメが咲いている。



湿原に付けられた木道が伸びる。



振り返ると、今下って来た山々が朝日に照らされている。



草原のトラバース道。朝露のせいでズボンの裾、靴がビショビショになる。スパッツを着けていればよかったと、後で後悔する。



なおも下りが続く。景色がすぐに変わっていくので、目が離せない。


遠くの山々が見えて来た。気持ちが一層高ぶる。



朝日の中輝きを増す、ハクサンコザクラ。



振り返れば今下って来た山が池に映る。



なおも広がる湿原。



池塘が青さをたたえている。



山が次第に近づいて見える。



黒岩平の景色。今日これが最後の湿原。ここで、水を補給する。



黒岩山が近づく。



山頂からの眺め。この時間はまだガスにまかれていない。


(続く)














栂海新道を行く。まずは朝日岳ヘ。(その2)

2021-08-09 08:00:00 | 登山
この辺りからだろうか、両足腿に攣ったかのような痛みが出てきて、30分ごとに休みを入れる。果たしてこのまま歩いていけるのか、そして明日からの栂海新道は無事に歩けるのか、心配になってくる。

森を抜けると、登りながら草原へと景色が変わる。



草むらの中に付けられた木道を行く。



階段を登る。あの繁みを抜ければ朝日岳が見えるのか、と期待してしまう。



小さな沢を渡る。このコースは盛夏でも水の心配がない、理想的な登山道。



ガスっていて見えないが、彼方には朝日岳が聳えているはず。



ハクサンコザクラの群落。



後ろを向けば、草原の斜面が広がる。何だかんだ言ってここまで頑張ってきたんだと、感じる。



うっすらと前方が見える。あのコブの向こうに朝日岳があるはず。そんなもどかしい気持ちが湧く。


ここにも花々が咲いている。眺めつつここで気持ちをリセットする。



そして、吹上のコルに到着。明日はここを北上するが、今日のところはひとまず朝日岳を越えて行こう。



ジグザグの登り道が始まる。


ガスが少しだけ薄くなってくる。影に見える山容は朝日岳本体だろうか。


 
頂上直下の雪渓が現れる。さすがに8月なので、大部小さくなって雪渓を渡らずに済んだ。



程なく頂上に着く。



ガスに覆われていたものの、一部上空には青空が見える。



ここからは下りのみ。



木道を緩やかに下って行く。足取りが重いせいか、思っていたより遠く感じる。




やがて、水平道と合流すれば朝日小屋が見えて来る。



予想外の、テントの多さに驚く。
果たして明日どれだけの方が栂海新道を目指すのか気になるところ。

(続く)

栂海新道を行く。まずは朝日岳へ。(その1)

2021-08-08 08:00:00 | 登山
この夏の山旅は前々から歩きたかった栂海新道。
静かな山旅ができるとはいえ、長くハードなコースなので気持ちが揺らぐ。果たしてどんな三日間となるのだろうか。

まずは初日。糸魚川駅からバスで蓮華温泉に入る。平日とはいえ、天候に恵まれた日なのに貸し切り状態なのにはビックリする。

七時半過ぎに出発。もうすでに日は高く、かんかん照りで暑い。



日影の森を下って行く。足元は滑りやすい粘土質の土なので気を取られがち。



やがて兵馬ノ平に出る。朝日岳方面は雲の中。



なおも下りが続き、1つ目の沢を渡り登り返すとヒョウタン池が見える。



広々とした白高地沢に出る。正面には五輪尾根が見える。


ここからカモシカ坂が始まる。


耳に届くのは喧しい蝉の声のみ。



途絶えない坂道で、汗が止めどもなくながれる。



ようやく樹林帯を抜け振り返ると、はるかに蓮華温泉の建物が小さく見える。



高層湿原を行く。ガスがかかり回りの景色が見えないのが残念。



ワタスゲが広がる。



振り返ると、五輪高原が一望出来る。まさに夏の楽園。


花の群落が所々に見られる。



ガスに吸い込まれるように登って行く。



いよいよ五輪の森へ入って行く。


彼方の山もすっぽりとガスに覆われている。青空が恋しい。



ニッコウキスゲ咲く草原を登る。



緩い登り降りの先には
こんなトラバース道も待ち受けている。



(続く)