心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

夏の雲ノ平。黒部五郎岳から北ノ俣岳へ。(その2)

2022-08-03 21:00:00 | 登山
青空へ向かって一直線の登り。



こちらを越えると、山というより丘のようなずんぐりとした山が視界に入ってきた。次こそが北ノ俣岳の山頂らしい。



山頂へ続く岩の転がる道。傾斜はほとんど感じず、足取りも軽い。



北ノ俣岳から見た、黒部五郎岳。そんなに歩いた感はないが、ここからは遥か彼方に思える。



雲ノ平とその彼方の山々。この風景ともこれでお別れ。しっかりと瞼に焼き付けておこう。



ここから北ノ俣岳西斜面を下る。段々と雲が湧き前方を覆い始める。



ハイマツ帯に入る。登りの時の大変さが嘘のように快調に降りていく。



深い溝に付けられた登山道となる。



ガキの田の池塘が見える。


そして木道。この辺りは問題ないが、この先の崩れかかった木道は歩きづらいし、足を取られそうで注意したい。


木々の先に寺地山が見える。その前にまだ下りきり、折り返しの登りがある。


笹の原から森の中へ。足元が笹で濡れてくるのでスパッツは必需品。



そして森の中は泥濘みの道。ある意味、泥濘みは地雷のよう。注意をしていてもズボッとハマッてしまう。


左手の視界が開く。スッキリとした天気なら、笠ヶ岳、御嶽山、乗鞍岳が見えるが今日のところはどうだろうか。



寺地山の山頂までもう少し。



この先は下りのみ。森を抜ければ、何か所の草原を抜けていく。



行きよりも帰りの方が泥濘みが酷く、もうすでに靴は水分を吸い込んでズッシリと重い。



神岡新道分岐から飛越新道へ。標高が下がってきたせいか、木々が太くなってきたようだ。



このダケカンバが見えれば登山口はもうじき。森の中風もなく、標高が下がり更に暑くなり、体力を絞りきった下山だった。



2年前の、水晶岳の山頂から雲ノ平を見下ろした時、次は雲ノ平から水晶岳を見上げたい、その思いがこうして叶えられた。決してアプローチの良い山域ではないからこそ、より一層感慨深い。
おいそれと訪れることはないが、次に訪れる日まで今回の山旅の思い出を大切にしまっておこう、と思う。

      (2022年7月28~30日)

(終わり)

夏の雲ノ平。黒部五郎岳から北ノ俣岳へ。(その1)

2022-08-03 19:00:00 | 登山
今日も登山日和。明るくなるのを待って出発。黒部五郎岳のカールに向かっていくと、山頂付近に日が当たって来た。


木々の中を歩けば、ほんのりと花と木の甘さの混じった爽やかな香りが流れてくる。



いよいよカールらしい岩の屹立する荘厳な風景が見られる。



朝日せいでシルエットになってしまったが、カールのシンボル、雷岩が見える。



黒部五郎岳は遠くから見る、たおやかな山容も良いが、カールから見上げる、岩の要塞のような厳しさもまた魅力。



肩に向かって登っていくとコバイケイソウの大群落が広がる。



岩の重なる登り道。少しずつ高度を上げ、稜線までもう一息。



肩からカールを見下ろす。
椀状の谷間そして彼方に連なる山々の右側には槍ヶ岳、穂高が見える。



肩から見た山頂は、手の届きそうなくらい近くに見える。



山頂から見た薬師岳。


北ノ俣岳まで連なる稜線、そして山々。



緩やかな尾根道ながら一直線に下って行く。ハイマツエリアに入る頃、黒部五郎岳を振り返る。



輝く笹の原の先には雲ノ平、更にその先には水晶岳を中央にズラリと山々が連なる。



岩の間にはチングルマが一面に咲いている。



そして振り返れば、黒部五郎岳が一層遠く見える。


目指す北ノ俣岳は連なる山々の一番右にある。ここから穏やかながら、登り返して行く。


振り返り見下ろすと、登山道からは外れるが、池塘群が見える。



視線を上にやれば、黒部五郎岳。もうここまで遠くなったのか、と感じる。



(続く)

夏の雲ノ平。雲ノ平散策。(その2)

2022-08-01 21:00:00 | 登山
祖父岳から黒部源流へ下る。殺風景な、岩の点在する草原。



雪田が現れる。登山道はその左側を巻いている。



源流域に向かって急降下の登山道。とにかく急だし、足場は悪いしで、油断できない。



源流域の沢を渡る。ここで冷たい水を確保し、次の登りに備える。



三俣蓮華岳キャンプ場への登り。先ほどとは打って変わって緑濃い森の中の道となる。



左手からは沢の流れの音が聞こえ、右手はコバイケイソウの群落の草原。



稜線が見えてくれば、容赦ない夏の陽射しの中の登りもそろそろ終わりとなる。

 
ここまで体力の消耗が激しい。今日は、欲張らず鷲羽岳を諦めて正解だった。



三俣蓮華岳のカールへの巻き道を行く。



短いながら、今回初めての雪田歩き。急でもない登りで踏ん張りが効くので却って歩きやすい。



黒部五郎岳からの稜線が見えてくる。



三俣蓮華岳の頂上を見上げる。雪田からの流れが足元をすすいでいく。



祖母岳付近でも雷鳥を見、今日二度目の出会い。距離的には10m位だろうか、そっと撮らせてもらった。



山頂からの道との合流点までもう少し。



ここからはひたすら下るだけ。左側からガスと共に冷たい風が吹き抜け、心地良い。


右手には、雲が降りてきてはいるが、雲ノ平が一望出来る。
今日の自分があそこを歩いていたのかと想像すると、感慨深いものがある。



行く手をガスが包む。天気が変わる前にキャンプ場に辿り着きたい。


黒部五郎岳が次第に見えてきた。キャンプ場までもうひと頑張り。



(続く)


夏の雲ノ平。雲ノ平散策。(その1)

2022-08-01 20:00:00 | 登山
薬師沢から雲ノ平へ。
予想外の青空に期待が膨らむ。
いきなりの急登も何のその。


梯子の急登から丸い岩の登り道に変わる。苔が付いているので滑りやすい、とは言うものの、ゆっくりと登れば特に滑ることもない。それよりも日陰で暑さが凌げ、助かる。



登り切ってしまえば、黒部五郎岳が右側に現れる。今日はあの懐まで歩く。大変だろうけど楽しみでもある。



そして、小さく笠ヶ岳が見える。その右側は三俣蓮華岳。



こちらは薬師岳。
青空に映える山々を眺めながら歩いて行く、これぞ夏の山旅の醍醐味。



針葉樹の中を抜ければ草原の風景。アラスカ庭園というイメージが分からなく無くもない。



やがて小さく祖父岳が見えてくる。この風景の中ならどこまでも歩いていける。



祖母岳、アルプス庭園に寄り道。池塘のある、絵画的な光景。



祖父岳へ伸びる木道。この先は草原の風景。


雷岩付近のコバイケイソウの群落。夏ならではの景色との出会いに幸せをしみじみと感じる。



登山道から脇に逸れた展望ポイントからの水晶岳。
水晶岳を訪れた二年前の秋からこの景色を夢見ていたので念願が叶った一時だった。



右手には薬師岳。改めて薬師岳は登るよりも眺めるのに値する山だな、と思う。



雲ノ平キャンプ場を過ぎ、いよいよ祖父岳が大きく見えてくる。



祖父岳のカールに雪田が残る。何かの形に見えなくもない。



岩の重なる登道を経て山頂へ。雲ノ平随一の展望台。段々と雲が出てきたがまだ水晶岳が見える。



鷲羽岳とワリモ岳が近い。



こちらは薬師岳。堂々たる風格が視界一杯に入ってくる。


 
黒部五郎岳。大分近く感じられるが、道のりはまだまだ遠い。



(終わり)