心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

新潟県側から雨飾山へ。(その2)

2017-09-25 21:00:00 | 登山
遠くから見ていた時には小ピークかな、と思っていたが、近づくにつれ、岩山が尾根を塞いでいるのに気付く。


さあ、この岩場は左に巻くのか、右に巻くのか、探すと、右側に頼りないロープが見える。
足場は細く不安定だし、下は崖だし、緩んだ緊張感をもう一度引き締める。



ここを乗り越えてしまえば、細いながらも展望のきく尾根歩きを楽しめる。



今日は天気もいいし、誰にも出くわさず、マイペースでの山歩きができる。
こんな景色も独り占め。


アップダウンの尾根歩きの後、下った先に大曲りに出る。
ここでシゲクラ尾根と合流。
いつの日かシゲクラ尾根を歩いて雨飾山を目指したい、なんて考えがよぎる。



ここからは登り一辺倒。右側は崩れ落ちた崖。まだまだ気を緩められない。



青空がこのまま続いて欲しいが、段々雲がかかってくる。



笹平への登り。
こんなマイナールートなのに登山道の刈り払いが行われている。感謝、感謝。



小谷ルートと合流。目指す山頂と笹平が見える。




登山道から布団菱を見下ろす。



山頂までもうすぐ。
どうやら青空の下で辿り着けそうだ。



鋸岳、鬼ヶ面山、駒ヶ岳方面は雲がかかっている。少し残念。



笹平の横顔はクッキリ見える。
秋らしく、少しずつ色が変わってきたようだ。



下山路は薬師尾根(梶山新湯から直接の登山道)を利用し、これで雨飾山へのルートは一通り歩いたことになる。
久しぶりに新鮮な気持ちで山に挑めた気がする。

そして、今とても気になるのは今回目の当たりにした海谷山塊。いつの日か登りたいと思うが、麓から見ると険しくハードな山容。体力のあるうちでないと無理かも。

(終わり)

新潟県側から雨飾山へ。(その1)

2017-09-25 20:30:00 | 登山
雨飾山にはブナの黄葉が似合う。

一番堪能できるのは十月だが、九月の時季を選んだのは、新潟雨飾山荘を起点に、登りは鋸岳分岐から大曲りへとマイナールートを歩くため、秋の盛りは落葉で登山道が判りづらくなっているかもしれないという思いから。
何はともあれ、初めて歩く道へは期待と不安が入り乱れる。


雨飾山荘下の駐車場横の林道がスタート地点。
鋸岳が標高1630m台とは思えないほどの迫力がある。



川を渡り、緩やかに登ると、細い幹のブナ林となる。奥深い山中というより、里山のような雰囲気。



北側斜面は朝露に濡れた草原。
膝までびっしょりとなり、ズボンをレインウェアにしておけばよかったと、少し後悔する。



鋸岳、鬼ヶ面山に朝日が当たっているのが見える。



足元は濡れた草、岩のため、滑りやすい。
まだ歩き始め、ここいらで転ぶわけにはいかない。



やがて、流れの音が聞こえ、下っていくと沢に出くわす。



沢を渡り、北側斜面をトラバース気味に登っていくと、また鋸岳、鬼ヶ面山が見えた。
もうすっかり日が高くなったようだ。



先ほどより細い沢を渡り、藪のような道を進む。
人間の足跡は無いが、鹿らしき足跡は無数にある。



秋らしくキノコがあちこちにでている。
食べられるのかどうかは判らないけど。



ようやく鋸岳との分岐に出る。
破線ルートのせいか、思ったより気を張って歩いてきた。



ここから尾根を目指して南の方向に転じる。
明るい藪の中、地面は湿り気味だが、滑らず歩きやすくなった。


細い尾根に出ると、目指す雨飾山方面の展望が開けてきた。


振り返れば、鋸岳、鬼ヶ面山が見える。
あんなにも高いと思っていた山頂が、今や視線の高さまでになっている。


この景色を見て、このあとは稜線慢歩で雨飾山の山頂に向かうと思ったが、緊張感を緩めるのはいささか早かった。

(続く)

Hello again 、前穂高。(後編)

2017-09-20 16:26:03 | 登山
ボンヤリとした眠気の中、雨の音が聞こえる。また、天気に見放されたか、と思うが、テントを叩く雨粒の音がしない。何の音だったのだろう、沢には水が流れていないはずだったし。

何はともあれ、暗い中、空は曇ってはいるが、稜線は見える。
さあ、予定通り前穂高へ行こう。

草原の中を登る。今は秋の花がチラホラ咲いているが、盛夏の頃は一面の花畑だろうな。



急登はまだ始まったばかり。
尾根に出るまで先ずはここを越えないと。



カモシカ立場からは見晴らしが良くなるが、足元への注意は一層厳しくなる。
そして前穂高の頂上が小さく見える。


雷鳥広場からはドーンと山塊が迫ってくる。ちっぽけな人間が近づくのをあざ笑うかの様。



ハシゴ場を下った先に、再び岩場の登りが迫ってくる。



クサリ場を越えればその先は紀美子平が待っている。



紀美子平から見た明神稜線。




奥穂高方面。
あぁこのまま吊り尾根を歩いていきたい。



上高地方面と焼岳。



そしてこれから向かう山頂方面。
取り付きに少し迷うところ。


風景としたら味気ない岩場だが、こんな場所にいることに心の底から悦びを感じてしまう。
正真正銘の山バカだな。



後もうすぐで山頂なんてなんだか残念だが、一歩一歩噛み締めて行こう。



そして山頂。
薄日差す天気だが、風は俄然強い。



奥穂高に日が差す。
この後天気は曇りとなり、上高地から見た時は曇がかかっていたので、丁度良い時間帯だった。



槍ヶ岳方面。
この秋訪れる予定だが、どんな山旅になるのか、考えるとワクワクが止まらない。



これで四度目の登頂となった。久しぶりにカモシカの様に登り、雷鳥の様に下る山歩きが出来た。
まだまだ自分の山人生は続くだろうが、またアドレナリンを出しに穂高に行きたい。

(終わり)


Hello again、前穂高。(前編)

2017-09-20 15:30:36 | 登山
昨年の12月、蝶ヶ岳に登った際、横尾
から見た前穂高。


圧倒的な迫力、そして気高いほどの美しさ。積雪期は無理だが、また前穂に行きたい、と強く思った。

穂高に登ると山が一層好きになる。いやいや穂高にとりつかれる。そう感じるのは、自分だけだろうか。
奥穂高も良いけど、前穂高はもっと魅惑的だ。


晴天下の上高地。
今シーズン、こんなにも青い空は見ていなかった気がする。とにもかくにも心が弾む。



観光客の賑わいが消える登山道。
ひんやりとした森の中、着実なペースで岳沢に向かう。



木々の間から明神方面が見える。



風穴を過ぎた辺りで、奥穂が見える。
上高地からでは奥まっているので、判りづらいがこの辺りからは堂々たる姿から一目でわかる。



森を抜けると視界が開け、振り返れば上高地方面が見える。



対岸の彼方には西穂高から奥穂高への稜線が。



そしてその先は奥穂高へと続く。
今日は最高の登山日和だな。



また、樹林に入り、中々な登りとなる。今日は晴れていてもさらっとした空気だが、夏の盛りはイヤだろうな。



そしていよいよ沢の向こうに岳沢小屋が見え、その上を見上げれば、奥穂高が聳える。



上高地から約2時間で小屋に到着。



テントを張り終え、暗くなるまで稜線を見上げていた。
何とも贅沢な山の時間。


 
明日の天気は曇りの予報。
なんとか無事に登山が出来ますように。

(続く)