南側は大きく開け、富士山がスッキリ見える。今日一番の眺望で、思わず声が出る。

山頂付近はなだらかな笹の原。静かな夜をここで過ごしたいと思えるくらいのお気に入りの場所。

明るく伸びやかな尾根道。こんな道ならずっと歩いて行きたい。

木々が増え少し薄暗くなって来ると、燕山が近くなってくる。

燕山山頂。山頂と気が付かず通り過ぎるところだった。

この先は木々が生い茂る尾根道となる。

秩父方面の斜面はシャクナゲの森。あちこちで赤、ピンクの色が咲き誇り、見頃を迎えていた。

降って行くと、今度はミツバツツジがあちこちで色を添えていた。今日は花日和。

降って行くに連れて緑が濃くなって行く。

木々の間から笠取山が見える。
ひと目で笠取山と分かる容姿に惹かれ、次に行きたくなってきた。

雁峠に近くなると、今度は小梨が花盛り。

雁峠は草原の峠。

今降りてきた斜面を見上げる。今日歩いた稜線はあの山の向こう。

きょうの稜線歩きはこれでお終いとなり名残惜しいが、峠を下っていく。

雁坂峠とは違い、なだらかな草原はカエデの森。さぞ秋は見応えのある森だろう。

春ゼミの蝉しぐれが響く森。
森の涼しさが心地良い。

せせらぎの音も聞こえてきた。ゆっくりと下っていく。

渓流沿いの道を歩いて行く。
この先は長い林道歩きが待っていた。

今回は予想していた五月らしい景色に恵まれていた。それだけでなく予想もしていなかった花盛りにも出会えた、本当に充実した山歩きとなった。
宝物のように大切に記憶に留めておきたい。
(終わり)