心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

晩秋の小楢山へ。

2021-11-19 15:00:00 | 山日記
山梨県の低山で気軽に行け、かつ山頂からの展望が良い山はないか、と思って目に止まったのが、小楢山。
事前にいろいろと調べると当日面白くないので、地図のみの情報だけにする。こういう山登りは新鮮味があってワクワクする。


しばらく林道を行けば、露わになった山肌の先に朝日を浴びた山が見える。もしや小楢山か、とテンションが上がる。



薄暗いヒノキの中を抜ける登り坂もそろそろ終わり。



父恋し道を上がれば、葉を落とした広葉樹の森となる。風のない陽だまりは11月という季節を感じさせない。



サラサラと水の音が聞こえ、小さな滝が現れる。この時期でも枯れないのは保水力のある豊かな森の証。



予想外の登り続きで次第に暑くなり、上着を脱ぐ。



次々と現れる小さな石仏、それぞれに名前のある巨石は信仰の山だった名残り。



段々と傾斜が緩やかになり、木々も疎らになって来る。この巨岩を左側から回り込む。



ここでようやく狭い稜線に出る。



今度はこの巨岩を右側から登る。



大沢の頭に出る。
上空の青空は見えるが、周りは木立が展望の邪魔をする。



小楢山に向かって北上する。狭い稜線の先にまたもや巨岩が立ち塞がる。



直登は出来ず、登山道は寒々しい左斜面をトラバースしている。



陽当りの良い緩やかな稜線に出ると、木立越しに小楢山の山容が見える。



小楢山峠付近。
今日は吹き抜ける風もなく、静寂の晩秋のひとコマといったところ。



直接頂上に向かわず、一杯水から回り込む。枯れ葉積もる道はフカフカでさながら散策路の様。



頂上から先程の大沢の頭方面を望む。彼方には南アルプスの山々が並ぶ。



後ろを振り返れば国師ヶ岳方面。


そして富士山方面。薄っすらとした靄が笛吹市の街に掛かる。この時期らしい朝の光景。



4時間弱ながら、登り応えがあり、山頂からの景色も楽しめ、予想以上に充実した山歩きができ、また一つお気に入りの山が増えた。
次は新緑の頃、野鳥のさえずりを聞きながら歩きたいな、と思いを馳せながら母恋し道を下って行った。

       (2021年11月19日)

(終わり)

晩秋の荒船山へ。

2021-11-14 15:00:00 | 山日記
冬の足音が聞こえる11月。
肌寒さはあるものの、天気が安定し、標高が低い山がゆっくりと楽しめる。
今回は長野県と群馬県の境にある荒船山へ向かう。


内山峠を出発すると、なだらかな道が延びる。



朝日が遠くの山をほんのりと染める。



荒船山艫岩が枝越しに見える。



アップダウンの道を行けば、荒々しい岩峰が迫って来る。



そして、切り立った岩壁が目の前に立ちはだかる。



登山道は岩壁を右手側から巻く。そして、枯れ葉の山肌の中を進む。



次に見えるのは艫岩らしきシルエット。



一杯水を過ぎると、ゴツゴツした岩の登り道になる。


 
登りきれば、笹の茂る林の中。もう荒船山の山頂台地の上を歩いているようだ。



展望スポットに着くと、北側の景色が一望できる。あいにく浅間山にガスがかかり少し残念。



行塚山に向かって南下する。ガサガサとする音の先で鹿が走り去った。



笹から枯葉落ちる林へと景色が変わる。



星尾峠への分岐から登り坂になる。



行塚山に到着。疎らな木々の間から回りが見える。



西側の風景。この時間になって日がさしてきた。



風の吹き込まない日だまりを下る。



峠から西側に伸びる登山道。



カラマツ林も葉を落とし、すっかり冬を待つばかりの様子。



本当は星尾峠から兜岩山へ行くつもりだったが、ロウソク岩から先、狭い北側斜面のトラバース道が落葉で埋もれていて、足元が分からない状態だったので、すんなり引き返した。
荒船山だけでも歩き通せたので、これはこれで良しとしよう。

       (2021年11月14日)

(終わり)



乾徳山から黒金山ヘ。(その2)

2021-11-04 20:00:00 | 登山
苔むす森と大きな岩。地元の山を歩いているのを実感。



あまり歩かれていない森のようだが、風倒木はほとんど無く歩きやすい。



思っていたより呆気なく、笠盛山山頂に着く。木々に囲まれているので見通しは効かない。



ここから黒金山方面はこれまでと景色が変わらない。大ダオからの合流地点から登りらしい登りとなる。

 
 
黒金山山頂。三年前ここに辿り着いた事を懐かしく思い出した。



甲武信ヶ岳方面。今日は雲が掛かっておらず、くっきりと見える。



国師ヶ岳方面。



ゴトメキから伸びる稜線。



大ダオへ向かう。なだらかな下りで足取りは軽い。


 
次第にマーキングが乏しくなり、踏み跡も消えかかっていてルートを見失いがちになる。



大ダオへ出る。笹に付けられた道は獣道と錯綜している。



乾徳山。



大ダオからの急斜面を一気に下る。この辺りもほとんど歩かれていないようで、マーキングを探し探し行く。



標高が下がってきたので、木々がまだ落葉しておらず、秋の装いを楽しめる。



沢に出る。この後荒れた沢を何度渡り返した事か。



踏み跡かどうか分かりづらい道を悩みながら下って行く。



はっきりとはしないが、道らしき道になって、ようやくまわりの紅葉を楽しむ余裕が出てきた。



ついに、林道歩きとなる。ただ急坂で路面が悪いので油断は出来ない。



乾徳山登山を「動」とすれば、黒金山は「静」。楽しみ方がそれぞれあって思いのほか良かった。
乾徳山は今回迂回下山道を通らなかったが、次回は迂回下山道から道満尾根を下るルートを利用したい。
これは来年の初夏のお楽しみに取っておこう。

        (2021年11月4日)

(終わり)

乾徳山から黒金山へ。(その1)

2021-11-04 18:00:00 | 登山
甲武信ヶ岳から国師ヶ岳を廻って黒金山に来たのは三年前のこと。
もう一度秋の時季に黒金山に来ようと思ってから、ズルズルと時が流れた。
今度は乾徳山から黒金山に向かう事とする。


林道から乾徳山登山口に入ると、薄暗い針葉樹林の登りとなる。



広葉樹の森となり、朝日のおかげもあって、辺りは一気に明るくなる。



再び、薄暗い森の中を登る。足元はガラガラの岩で歩きづらい。



やがて平坦な道となり、白樺林の彼方に乾徳山の山容が見える。


笹の斜面を登って行く。辺りは葉を落としつつある広葉樹の林。



黄色一面のカヤトの草原に出る。



ここでひと休み。富士山が彼方に見える。



目指す乾徳山。



シラビソ、コメツガの森の中に次々と巨石が現れる。



巨石の横をすり抜けて行く様は、まるで迷路の中を行くかのよう。



鎖の掛かった岩場を越えて行くと、今日のハイライト、鳳岩の岩壁に出る。



そして、乾徳山の山頂へ。



南西方向。甲斐の山々の彼方に南アルプスの峰々が連なる。



西方向。



東側の山々。甲武信ヶ岳、木賊山から破風山が連なる。



そして、国師ヶ岳とこれから向かう黒金山。



水ノタル方面へ。苔むすタンネの森に入って行く。


森が切れ、笠盛山が見える。標高差があまり無くアップダウンが少ないので歩きやすい。



(続く)

三倉山、流石山から三斗小屋温泉へ。(その3)

2021-11-01 22:00:00 | 山日記
緩やかなながら登りが続く。少しずつ流石山が近づく。



流石山山頂。この先もう目指す山はないと思うと気が緩む。



今まで歩いてきた道のり。



笹に覆われた稜線。その先には大峠山。


大峠山から大峠までは笹一面の斜面。



登山道はえぐれた道で、足運びに気が抜けない。



大峠が見えて来た。



峠から降りてきた斜面を見上げる。



三斗小屋温泉への下り。



笹のトンネル。



ナナカマドの赤。秋を意識する。



艶やかな紅葉。まだ葉を残していることに山の秋の余韻を感じる。



最初の沢、峠沢を渡る。この先あと二つの沢を渡ることになる。

  

枝ぶりの良いブナ。すっかり葉を落としている。



二つ目の沢からの登り。沢を挟んだ登り降りが意外にキツい。



右手に流石山の山容が見える。先程までいたのが嘘のように感じる。


三つ目の沢からの登りが平坦になれば人家のニオイが鼻に届く。宿までもうじき。



三斗小屋温泉、大黒屋に到着。



こうして思い描いた山旅が叶えられた。
大黒屋は今回初めての宿泊だったが、古き良き佇まいに強く惹かれる。山の中の宿なのでおいそれとは来られないが、またいつの日か再訪したい。

       (2021年10月31日)

(終わり)