どこで見たのか、
タローが投げキッスを覚えた。
目を細め、唇を尖らせ、
人差し指と中指にチュッっとしてから
ゆっくりと手を開き、キスを投げるその姿は
なかなか本格的で、かなり笑える。
面白くなった私は
なんとかこれを幼稚園でやらせようと
水を向けてみた。
私 「タロー、それって大好きな人にやってあげるんじゃないの?」
タロー 「そうだよ」
私 「じゃあHちゃんにやってあげたら?」
ちなみにHちゃんとは、
11月にたんぽぽ組に編入した、
現在タローと最も仲の良い女の子である。
タロー 「Hちゃんにはやらなくていいの」
私 「どうして?」
タロー 「だってHちゃんはタローのこと好き過ぎてさー、
いつもいつも
『タローくん、いっしょにお外行こう』
『タローくん、いっしょにぬりえしよう』
って仲良くするんだもん。
だからもうしなくてもいいの」
私 「ふーん。ラブラブなんだ?」
タロー 「うん、超ラブラブ」
私 「ラブラブの子にはもう投げキッスしなくてもいいんだ?」
タロー 「うん」
こんなことで引き下がる私ではない。
私 「じゃあさー、ほかに投げキッスしてあげたい子はいないの?」
タロー 「いるよ。Rちゃんと、Dちゃんと、Nくん」
私 「Nくんも? 男の子なのに?」
タロー 「うん、だって好きだから」
つくづく、見境なく人を好きになる男である。
私 「ふーーーん。じゃあその子たちに
投げキッスしてあげれば?」
タロー 「無理」
私 「どうして?」
タロー 「『やだー!キ~モ~イ~!!』って言われるから」
タロー!!
自分のこと、分かってきたじゃん!
タローが投げキッスを覚えた。
目を細め、唇を尖らせ、
人差し指と中指にチュッっとしてから
ゆっくりと手を開き、キスを投げるその姿は
なかなか本格的で、かなり笑える。
面白くなった私は
なんとかこれを幼稚園でやらせようと
水を向けてみた。
私 「タロー、それって大好きな人にやってあげるんじゃないの?」
タロー 「そうだよ」
私 「じゃあHちゃんにやってあげたら?」
ちなみにHちゃんとは、
11月にたんぽぽ組に編入した、
現在タローと最も仲の良い女の子である。
タロー 「Hちゃんにはやらなくていいの」
私 「どうして?」
タロー 「だってHちゃんはタローのこと好き過ぎてさー、
いつもいつも
『タローくん、いっしょにお外行こう』
『タローくん、いっしょにぬりえしよう』
って仲良くするんだもん。
だからもうしなくてもいいの」
私 「ふーん。ラブラブなんだ?」
タロー 「うん、超ラブラブ」
私 「ラブラブの子にはもう投げキッスしなくてもいいんだ?」
タロー 「うん」
こんなことで引き下がる私ではない。
私 「じゃあさー、ほかに投げキッスしてあげたい子はいないの?」
タロー 「いるよ。Rちゃんと、Dちゃんと、Nくん」
私 「Nくんも? 男の子なのに?」
タロー 「うん、だって好きだから」
つくづく、見境なく人を好きになる男である。
私 「ふーーーん。じゃあその子たちに
投げキッスしてあげれば?」
タロー 「無理」
私 「どうして?」
タロー 「『やだー!キ~モ~イ~!!』って言われるから」
タロー!!
自分のこと、分かってきたじゃん!