らくがき帖

ノンジャンル心象風景

投げキッス

2006年01月18日 | 子供
どこで見たのか、
タローが投げキッスを覚えた。

目を細め、唇を尖らせ、
人差し指と中指にチュッっとしてから
ゆっくりと手を開き、キスを投げるその姿は
なかなか本格的で、かなり笑える。
面白くなった私は
なんとかこれを幼稚園でやらせようと
水を向けてみた。

私 「タロー、それって大好きな人にやってあげるんじゃないの?」

タロー 「そうだよ」

私 「じゃあHちゃんにやってあげたら?」

ちなみにHちゃんとは、
11月にたんぽぽ組に編入した、
現在タローと最も仲の良い女の子である。

タロー 「Hちゃんにはやらなくていいの」

私 「どうして?」

タロー 「だってHちゃんはタローのこと好き過ぎてさー、
いつもいつも
『タローくん、いっしょにお外行こう』
『タローくん、いっしょにぬりえしよう』
って仲良くするんだもん。
だからもうしなくてもいいの」

私 「ふーん。ラブラブなんだ?」

タロー 「うん、超ラブラブ」

私 「ラブラブの子にはもう投げキッスしなくてもいいんだ?」

タロー 「うん」

こんなことで引き下がる私ではない。

私 「じゃあさー、ほかに投げキッスしてあげたい子はいないの?」

タロー 「いるよ。Rちゃんと、Dちゃんと、Nくん」

私 「Nくんも? 男の子なのに?」

タロー 「うん、だって好きだから」

つくづく、見境なく人を好きになる男である。

私 「ふーーーん。じゃあその子たちに
投げキッスしてあげれば?」

タロー 「無理」

私 「どうして?」

タロー 「『やだー!キ~モ~イ~!!』って言われるから」


タロー!!
自分のこと、分かってきたじゃん!