おはようございます!あるくべきのふみです!歩くの止めてませんか?継続こそ力です。明日の痛み対策のために、しっかり歩き氷冷しましょう!
さて、今日は、なぜ関節がパキパキと鳴るかについてです。
結論から言うと、関節内で起こる、キャビテーション現象が原因です。
キャビテーションとは、液体中に圧力変動が生じ、気泡が発生して崩壊する現象です。原理は沸騰と同じですが、圧力が十分低ければ常温でも発生します。
キャビテーション現象が分かりやすいのが、船に備え付けられているスクリューです。水中でスクリューを急速に回転した時に“泡”が発生しますね。
水中には空気が無いにも関わらず、このような沢山の泡が発生するのは、急速に回転したスクリューによって水中の流れが変わり、圧力が下がることで液体が気化したのです。その気泡が弾ける現象がキャビテーションなのです。
余談ですが、痩身機器等は、脂肪分解にこのキャビテーションがよく利用されているので、機器の名前自体に使われてることが多いです。
そもそも関節は、上下の骨のすき間は関節包で包まれ、内部には関節液が充満し、密封されています。
ひとたび体を動かすと、関節液で満たされた内部の圧力が急速に変化し、液体が気化して気泡(キャビティ)が発生します。
関節がポキポキと鳴るのは、この気泡が弾けたときの衝撃が関節軟骨を刺激した音です。
関節内で急な陰圧(内部が外部に比べて圧力が下がること)が起きることで気泡の表面(膜)が伸びて破裂します。
関節内にある気泡は弾けて減っていきますので、やがてポキポキと音が鳴らなくなります。
しかし、時間が経つとまた気泡が発生するため、再び動き始めの際にポキポキと音が鳴るのです。
この急な陰圧が起きる動きは、主に、動き始め、強いストレッチ時、関節矯正時、牽引時、自分で鳴らす時等があります。動き始めを除けば、全て関節の生理的な限界を超えた範囲に動かしています。
この生理的な限界とは反対の手や他の人が行う、他動的に動かすことです。
引っ張り動作と捻り動作は生理的な限界を超えているという意味では同じです。両方とも陰圧傾向が著しく高まるため、ポキポキと音が鳴るのは当然です。
関節が鳴ると体は、関節液の中で液体が気化し、気泡が弾け、小さい面積ではありますが瞬間的に大きな衝撃が発生します。もし繰り返し気泡が弾け続けることになれば、やがては関節面を損傷させるだけのダメージが溜まります。
内部から発生するダメージに対して、関節面は無防備にダメージを蓄積します。傷ついた組織(関節軟骨など)の修復と損傷を何回も繰り返し、やがて修復が追い付かなくなると関節が変形していきます。
ケガした傷口の治りが悪いと傷痕になるように、関節軟骨の擦り減りや関節そのものの変形はこうして進んでしまう可能性が高くなります。
関節がポキポキと鳴ると、鳴った瞬間はスッキリ感を感じることがありますが、体の中ではこのようなダメージが加わっていることは忘れてはいけません。
では、鳴らさないようにするには、関節に急な陰圧をかけないことです。特に日常生活において、強めのストレッチや、捻り動作といった引っぱり系の動きは、避けましょう。
肘や肩でいえば荷物を持つ動作、膝や股関節でいえば足組みや床座り等の動きにならないよう注意するだけでも対策になります。
また関節を鳴らすのが習慣になっている方は特に要注意です。
首や腰など、鳴らすことが半ば癖になっている方がいますが、繰り返していくと非常に危険です。
しかも、これは意識して鳴らさないように注意するだけで大半の方は改善されます。案外、関節を鳴らさなくても過ごせるものですから、ぜひ意識的に鳴らさないようにしていきましょう。
また、下半身や首、腰といった体幹に対しては、生理歩行が自然で最良の荷重となり、意図的にやってないポキポキ対策になります。
繰り返し歩き続けていくと、足腰や背骨にしなやかな関節の強さが取り戻されていきます。やがては簡単に関節がポキポキと鳴ることは無くなるはずです。時間はかかりますが…。
関節が鳴ることは、関節の中で骨がズレたわけでも、筋肉がおかしくなったわけでもありません。ちょっとやそっとでは、大きな影響はないとは思いますが、積もりに積もると話は別です。
関節が太くなったり、動きづらくなる前に止めておくことが重要です。