めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

21年前のチケット

2014-11-01 21:20:37 | 日記
                 
 娘の部屋の本棚から椎名誠の 『菜の花物語』 を読もうと取り出してきてあった。
 
 我が家の子供たちは結婚してからも、実家の元自室を物置代わりにしていた。
 娘は39歳まで家にいたから、置いてある物の量ときたら半端じゃない。
 お陰で私は、自分の断捨離以外にも処分しなければならない物があるのだ。
 だいぶん整理したのだが、まだまだ・・・。

 このことはさておき、本の話に戻ろう。
 娘の読書の好みは母親の私に似ていた。
 私が読んで面白いと思う本を彼女に回すと、大概は面白かったと感想が返ってきた。

 娘が逝ってから、部屋を整理していたら椎名誠氏の著書がたくさん出てきた。
 中にはサイン入りの本や椎名氏を囲んで娘の友人たちと撮った写真まであった。
 可成りの椎名誠ファンだったようだ。
 娘に、こんなミーハーな部分があったとは驚きであった。
 それなりに人生を楽しんでいたようで嬉しくも思う。
 
 『菜の花物語』 は、題名に惹かれて読んでみようと思ったのだ。
 今日、パラパラとページを捲ると、ピンクの名刺大のカードが挟んであった。
 よく見ると、ロンドンの地下鉄のチケットのようである。
 1993年10月19日 木曜日のチケット。
 遡ること、21年前、娘が27歳の時だ。
 当時、確かに娘はロンドンに行っていた。
 ロンドンに留学していた友人を訪ねて行ったように記憶する。

 イギリス好きの娘、大学時代から入れて何回目かのロンドン行きだった。
 
 娘はこの本 『菜の花物語』 を旅のお供に持って行ったのであろう。
 
 奇しくもきょう、娘の足跡に出会ったのだった。

 まだ、娘が生きていて、何処かを旅しているように思えてならない。
 
 
 
コメント (7)
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謹呈本とインコのスーちゃんの話

2014-11-01 11:33:21 | 日記
                
                  
外は雨。
  風邪が中々治らず、頭痛と関節痛有り。
  そんな中での、まとまりのないブログ更新を。
  
  いつの間にか、頂いたご本が書棚にたくさん並んでいる。
  故人になられた作家さんもいらっしゃる。   
  平山壽三郎氏は時代小説大賞の受賞作家だ。
  膨大な史実に基づいて書かれた時代小説を出版された。
  友人である奥様から、出版の度に達筆な毛筆で謹呈と記されたご本を頂戴した。
  胸躍らせて読ませて頂いたものだ。
  お宅へ伺ったことがあるが、氏は優しくて穏やかなお方だった。
  しかし、残念ながら故人となられた。
  
  本箱には短歌、俳句、エッセイと様々なジャンルで活躍されていらっしゃる方々の作品。
  友人の父上で高名な詩人の立派なご本もある。

  過日、身辺整理でたくさんの書籍を処分したが、頂いたご本だけは大切にとってある。
  しかし、私の死後はこれらの書籍はどうなるのだろうと、ふと、思った。
  形ある物にあまり執着しない私だが・・・。
  
                      
          
            

昔、飼っていたインコのスーちゃんの写真が出てきた。
  空から、我が家に飛び込んできたアキクサインコ。
  赤とブルーが美しい。
  コヒー、コヒーと甲高く啼く度、道行く人が辺りを見回していた。
  飼い主が見つからないまま我が家で飼っていた。   
  ある秋の日に元気がなくなり、動物病院に連れて行ったが死んでしまった。
  可愛がっていた親方は剥製にして手元に残すと言った。
  とんでもない。
  私は、スーちゃんの亡きがらを金木犀の下に埋めてやった。
  大きな石を目印に置いてある。
  草をむしりながら話しかけている。

             
コメント (4)
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