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塀越しで道路から手が届く枝にもなってますが、無断で持って行く人はいない
ようですね。
大ぶりでとても美味しそうなのですが。
近くに公園がありますが、子供たちもイタズラしません。
飽食の時代の子供には見向きもされないのですね。
子供の頃、余所さんの渋柿を採って食べ、酷い目に遭ったことを思い出しました。
戦後間もないころで、いつもお腹を空かせていた時代でした。
祖母にばれて、お腹にお灸を据えられましたね。
買ってきた蜜柑にも当たり外れがあって、昔のように箱ごと買わなくなりました。
滅多に、美味しかったと思える蜜柑に出会いませんが
今でも、時々、親方とアレは美味しかったねと話す夏みかんがあります。
それは、河津桜を見に行ったときのことです。
西伊豆の河津桜は寒桜よりも早くに咲きます。
一度は見てみたいと思いながら実現、出来ずにいました。
数年前でしたか、親方の熱意にほだされて久し振りにバスツアーに参加しました
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3月初めでしたが前日は雪。
西伊豆へとひた走る車窓から眺める箱根路は、木立が白い雪をいだいてまるで
水墨画のよう。雪の箱根路は初めてでした。
この寒さの中、桜が咲いているかどうか心配でした。
多分、バス会社はリサーチ済みだとは思いましたが。
「後ろの席のおばさん4人組はにぎやかだなあ」、親方が声を潜めて言いました
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一段と高い後ろの席、元気溢れんばかりのおばさんたちはパワー全開
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聞き耳たてているわけではないが聞こえてしまう
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絵画教室の先生たちらしく、彼女たちの家族構成まで分かってしまった
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これも、バスツァー故の楽しさと理解してうるささは我慢しました。
春浅き桜は密やかに咲く物と思い込んでいたが、河津に到着するやいなや期待を
裏切られました。
大きな駐車場にはたくさんの車と公衆トイレの塊、その前に並ぶ人の列
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桜堤には露店が並び呼び込みの声。どこも人人人。
人を除けるのに必死で桜を愛でるどころではない。
それでも、何とか桜の下に立つことが出来ました。
河津桜は濃いピンク色で八重桜のように下に垂れて咲いていました。
桜堤の傍の庭先で自家製の夏みかんを売っていました。
新しい品種とかで美味しいと自慢しています。
瑞々しくて香りがよく4個入りを一袋買いました。
帰宅してから食した夏みかん、とても美味しくて、
「もっと買ってくれば良かったね」と、何度も申したほどでした。
その夏みかんの味は、河津桜よりも私たち夫婦の記憶に残っています。
桜の話は時季外れですが、蜜柑を見る度に思い出すことです。