遊びをせんとや

人生総決算!のつもりで過去・現在のことなどを書きます
といっても肩肘はらずに 楽しく面白く書きたいと思います

詩人あの人この人~「萩原朔太郎~その1」

2023年10月05日 | 読書


あれこれと考えた末 この人を取り上げることにした

萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)1886(明治19)-1942(昭和17)詩人・評論家 

若い頃 彼の詩集を読んだ記憶がある それだけの理由からだが・・・
純情小曲集だったと思う 断片が残るだけの微かな記憶
"フランスに行きたしと思えど フランスはあまりに遠し・・・"

ブログで書くにはそれなりの情報が必要 早速収集を開始する
たいてい年譜などは集めた情報から自分で作るが 今回それは不要だった
  
年譜を眺めると次のことがわかる
・小学生の頃から読書好きで学校の勉強はキライ
・音楽好きで楽器演奏好き ハーモニカ・手風琴・マンドリン・ギターetc.
・15歳の時 従兄の萩原栄次から短歌の作法を学ぶ
・18歳の頃 永遠の恋人馬場仲子(後のエレナ) と知り合う
・旧制中学・高校・大学時代は 落第・転校・退学・再入学などの常習犯
・一時は音楽家になりたかったが両親に反対され諦めた

朔太郎が前橋生まれだということを今回初めて知った
10年程前 シンポジウムの講演者の一人として前橋へ行ったことがある
群馬県の県庁所在地だが どことなく淋しい街という印象が残っている
その時撮った写真があったはず・・・


昼近い時刻なのに駅前には人影が殆ど無かった

帰りの新幹線車窓から~赤城山遠景・左のビルの影に隠れて榛名山は見えず

寄り道をしてしまった
今日のメインは? やはり忘れられぬ恋人馬場仲子の詩だろう
「純情小曲集」愛憐詩篇より「夜汽車」

"有明のうすらあかりは
硝子戸に指のあとつめたく
ほの白みゆく山の端は
みづがねのごとくにしめやかなれども
まだ旅びとのねむりさめやらねば
つかれたる電燈のためいきばかりこちたしや。
あまたるきにすのにほひも
そこはかとなきはまきたばこの烟さへ
夜汽車にてあれたる舌には侘しきを
いかばかり人妻は身にひきつめて嘆くらむ。
まだ山科(やましな)は過ぎずや
空氣まくらの口金(くちがね)をゆるめて
そつと息をぬいてみる女ごころ
ふと二人かなしさに身をすりよせ
しののめちかき汽車の窓より外(そと)をながむれば
ところもしらぬ山里に
さも白く咲きてゐたるをだまきの花。"


音楽好きの朔太郎は前橋で演奏会にも参加している
年譜に名前は出て来ないが 大沼竹太郎という人が音楽の師でもあった
また 朔太郎の片恋?の相手エレナのこともよく知っていた
その人が前橋を去るに当たり 朔太郎が別れの詩を贈っている

萩原朔太郎の序奏はこのくらいにしておく
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]