
【暴力革命扇動容疑】
テレビの本放送開始は1953(昭和28)から
それまではラジオ放送が主役だった
ラジオのNHK全国放送開始は1928(昭和3) 民放放送は1951年(昭和26)
因みに銭湯の女湯が空になったという「君の名は」は1952(昭和27)年
私は小学生だったがナマで聴いた記憶がある~当時の主題歌にリンク
懐かしがっていないでテーマの話に移ろう
1959(昭和34) 寺山修司23歳
谷川俊太郎のすすめでラジオドラマを書き始める
投稿した「中村一郎」がラジオ九州の久野(※)に採用され民放祭大賞受賞
※久野浩平(ひさの こうへい) 1929(昭和4)年-2010(平成22)
ラジオ・テレビドラマ演出家・ディレクター ラジオ九州=現・RKB毎日
1960(昭和35) 寺山修司24歳
ラジオドラマ3作目の「大人狩り」が同じくRKBより放送される
このドラマの開始部分でナレーションが入った
"今夜はラジオ劇場を放送する予定でしたが、福岡市内に子供の暴動が発生したので、その模様を中継いたします・・・"
実はこれ寺山がシナリオに書き入れた報道パロディだったのだ
(米国のラジオドラマ「火星人襲来」:オーソン・ウェルズ作が下敷き)
ドラマの内容は
"旧態依然とした大人社会に子供らが立ち上がり 子供だけの国を創ろう
と大人を抹殺してゆく"といもの
このドラマを 福岡県議会で冒頭のパロディと物語の残虐さを問題視
放送したRKBの責任者が謝罪する騒ぎになった
寺山も公安警察から暴力革命扇動容疑で事情聴取を受けた(結果は無罪)
寺山の反論が遺されていると思うが 以下に断片のみ記す
"このドラマは暴力を肯定せず むしろ逆である
イデオロギーに関係なく 一切の政治権力に潜む小児性を拡大したもの
誰が聴いてもマンガだと思えるほど誇張して作っている
視聴者が事実と思い込むことなど考えられない
それより議会が放送内容を制約するなら 表現の自由を奪うのではないか"
このラジオドラマ ネットを探したがアーカイブされていなかった
たぶん著作権の関係だろう CD/DV化されてはいるので購入はできる
購入するのはいいのだが モノでなくネットからDLできるようにすべき
デジタル社会の小児性を拡大しているのは・・・やはり政治家?
作詞:寺山修司 作曲:田中未知 歌:カルメン・マキ
さて お騒がせの寺山 次は何を起こすのか?
その話は次回に それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]