真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

新刊『幕末大名 失敗の研究』(PHP文庫)のお知らせ

2015-02-06 02:13:20 | Weblog
新刊を刊行いたしました。
『幕末大名 失敗の研究』(PHP文庫)。
前著『戦国大名 失敗の研究』、その第二弾です。
おついでの時にでも、書店でお手にとっていただけるとうれしいです。

版元がつくってくれた本書紹介です。
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「開国か攘夷か?」「尊皇か佐幕か?」――もはや一刻の猶予もない欧米列強の脅威と、ひたひたと忍び寄る植民地化の危機。日本の行く末を案じ、また己の権力の増強を目指して、幕府や大名、そして維新志士たちが動乱の時代を駆け抜けた。

 しかし、ある者は権勢を振るった末に消え、ある者は“時代の先駆者”のまま早々に舞台から降り、またある者は、維新を完遂したところで権力を奪われた。

 本書は、幕末人物たちの「強大な政治力が失われる過程」を考察することで、現代にも通じる“失敗の教訓”を学ぶ。

第1章 徳川幕府が気づかなかった売国への道~井伊直弼と田中角栄
第2章 生き残った山内容堂、殺された坂本龍馬
第3章「真珠湾攻撃」なき戊辰戦争で失敗した、松平容保
第4章 西郷隆盛にとっての、「島津久光」という失敗
第5章 水戸藩と長州藩、維新さきがけの組織疲労

など、彼らが“新時代”から姿を消した理由がここにある!

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いま、同シリーズの第三弾目を執筆中です。
また、ご報告させていただきます。

「五つ目」の敵

2014-07-10 00:05:42 | Weblog
 父を見送った緩和病棟で、家族会が開かれた。
 その家族会で、ある看護師さんから教えて戴いたこと。
「人道の四つの敵」。
 赤十字では、以下の四つを、「人道の敵」として戒めている。

 ①利己心 
 ②無関心 
 ③知識の欠如 
 ④想像力の欠如

 中でも、④の「想像力の欠如」について、「患者さんはどんなことを望み、どんなことを望まないのか」、を、想像する力だとおっしゃった。
 いま思うと、そういう気持ちでやって下さっていたのだなぁ、と、思いあたることがたくさんある。
 そして。
 看護師さんは、五つ目の敵として、
「無感動」
 を、付け加えたいとおっしゃった。
 感動は、心を震わせる。心が震えるから、喜びや悲しみを感じられる。喜び悲しみを感じるから、他人の痛みがわかる…。

 少しでも、ほんの少しでも見習いたいと思う、きょうこの頃です。 

新刊、ご報告です。 『戦国大名 失敗の研究』瀧澤中(PHP文庫)

2014-06-08 15:35:29 | Weblog
 『戦国大名 失敗の研究』瀧澤中(PHP文庫)。
 さて、その内容は…。

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 従来、“組織の敗因”を説明するのによく使われてきたのが、「リーダーに問題あり」とするリーダー原因説。
 戦国時代で言えば、戦国大名個人の問題とされてきました。
 
 それは一面の真実なのですが、では、世に名将と謳われた者、圧倒的な権威を持った大名、有能な二世、将来を嘱望された重臣など、本来「敗れるはずのなかった者」が敗れたのは一体、なぜなのだろうか?

 本書は、強大な戦国大名の“政治力”が失われていく過程を見ながら、現代にも通じるリーダーが犯しがちな失敗について触れました。

「武田勝頼の致命傷」
「足利義昭のしぶとい首」
「織田家臣団の有能ゆえの危険な未来」
「柴田勝家が秀吉に勝ったかもしれない可能性」
「自前の勢力をつくれなかった石田三成」
「『重心』に参加できなかった小国の悲しい運命」
「なぜ秀頼は豊臣家を守れなかったのか?」・・・

 など、彼らが激動の時代に滅亡の道を歩み、天下を取れなかった理由がここにある!
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 と、版元がつくってくれたわかりやすい要旨です。
 そろそろ書店に並ぶ頃かと。

 よかったら、お手にとってご覧下さい。

わたしたちは、ウクライナのために何ができるのか

2014-03-02 05:51:50 | Weblog
わたしたちは、ウクライナに何ができるのか

現在(3月2日午前五時)、TBSでは、プーチンがウクライナに軍事介入を決定したと報じた(NHKは、「緊迫化」とし、介入決定までは言っていない)。

プーチンが軍事介入をする理由は、ウクライナ南部にいるロシア系住民の保護であるという。

かつてナチスドイツのヒトラーは、ドイツ系住民保護を名目に、近隣諸国を蹂躙した。歴史は繰り返される、ということであろうか。

ウクライナでは、たとえば中学校で松尾芭蕉、高校で川端康成を教えられる。
日本に強い関心のある親日度の高い国として、知られている。

そのウクライナで、何が起きているのか。
簡単に言えば、ロシアの言いなりにはなりたくない、という騒ぎが起き、現職の大統領が亡命を余儀なくされたのである。

そして、ロシアは軍事介入(を準備)。

戦前の外交官、戦後は首相も務めた幣原喜重郎が、シカゴ大学の教授にこんなことを言った(概略。詳しくは幣原著『外交五十年』)。

「人間というものは、自分の死活問題は、血眼になって争う。しかし遠方の、痛くも痒くもない他人のために血を流したりはしない」

これは、国連が、決議してもちゃんと助けに行かない、ということについて述べているのだが、幣原は慎重に、遠方の他国救援の是非は避けている。
が、放置しておいていいのか、どうすれば暴虐な侵略を阻止できるのか、考えねばならない、という意味が読み取れる。

もし放置すれば、力を持つ国が近隣を侵すことを許容し、やがて自らの身にも災禍が及ぶ。

日本の隣人たち、中国、そしてまさにロシア。彼らの、たとえ遠方であり、日本にとって「痛くも痒くもない」暴挙だとしても、許してはなるまい。

日本がいつウクライナとなり、チベットとなるか、だれも保証できない。国際社会は挙げて、ロシアの暴挙を止めねばならず、そのために、国際社会に対して働きかける義務が、日本にはある。

そして。
圧倒的なロシア軍事力の前に恐喝されているウクライナの人々に、せめて日本が、味方であることを伝えようではないか。

連載小説、はじめました

2014-02-24 02:18:50 | Weblog
なのですよ、これが。
しかも、共著。
「藤子不二雄」、みたいな。
で、わたしと、もう一人は科学ジャーナリスト。

まあ、政治史や時事解説を書いているわたしと、科学ジャーナリストなら、
国際政治にからむ化学テロとか、
宇宙開発にからむ陰謀とか、
未来世界を支配する、科学万能の全体主義国家とか…。

うーん、スケールが大きい。

で、我らの小説の舞台は、なななんと、
日本の首都・東京!
ウォーターフロントに厳然と存在する特別な場所。

その名も、

「月島」。

そう、かの、もんじゃ焼きの香り漂う、日本を代表する下町の一つ。

と、いうことは。

下町の中小企業が、日本の誇る技術力を集め、ロケットを飛ばす?
いえいえ。
前人未到の深海へいく、潜水艇をつくる?
そうでもない。
びっくりするような医療技術、もしくはハイテク部品をつくる?
それも、やっぱり、ちがう…。

えー、主人公は、女子大生。
あ、ちょっと、興味持ちました?
で、舞台は居酒屋です。
美人女将も出てきますよ!!!

居酒屋で起きる、科学現象。
宇宙オタクな美人ママと、奇妙なお客さんと、純粋培養のピチピチ理系女子大生が織りなす、科学人間模様!!

よくわからない?
それじゃあ一度、ためしに、読んでみて下さい。
ぜひ!
http://dze.ro/columns/series/moonisland

ラジオ出演のお知らせ

2014-01-23 16:05:06 | Weblog
1月25日(土)、
RKB福岡毎日放送(ラジオ)の、

「あべちゃんトシ坊 こりない二人の日産ワイドサタデー
Ohキュ~ット倶楽部」

に、16:10くらいから、電話出演致します。

朝日新書で書いた
『秋山兄弟・好古と真之~明治の人材はいかにして生まれたか~』
の、特に秋山好古について、喋る予定です。

福岡近隣の方で、ご興味がおありでしたら、
お聴き下さいませ。

ちなみに、生放送です…。




父が逝って1年

2014-01-17 22:56:37 | Weblog
父が逝って、きょうでちょうど1年。
「ガンは、死期がわかるから、他の病気よりマシ」
と本に書いている医師がいたが、父を見ていて、とてもではないが、そんな気にはならなかった。

家族を末期ガンで亡くした方ならば、わかって戴けると思う。
苦しみのあまり、私の腕をつかんで、かすれた声で、
「オイっ、殺せ!いいから俺を殺せ!」
と言った父のあの顔を、忘れる事ができない。

手術から1年。
一度も症状が好転する事なく、苦しみ抜いた末の死であった。

病気は、もしかしたら運命かもしれない。
しかし、死に至までの医療や介護制度のあり方、特に医師や病院、関係者のあり様は、考えさせられるものがあった。

某大病院でのこと。
ガンの全身転移の検査結果をまったく見ずに、機械的に診察する医師。
一度も、患者である父の方を向いて話をしなかった、某科の医師。
たった1分の、電話でも済むような結果を聞くために、ガンが全身に転移した患者を
3時間以上病院のベンチで待たせる、某科の医師。

入院中、熱を下げるために額に巻く保冷剤を、温かくなったので取り替えてくれるよう父が頼むと、
「数がないのよ。あなたには特別にやっているのだから、文句言わないで!」
と、吐き捨てるように言った看護師。
(さすがにこの時は頭に来て、「ないなら買って下さい」と言い、父が末期がんであることを説明して、「もう少し優しく接してもらえまいか」と頼んだ。驚くべき事に、この担当看護師は、父の病状を知らなかった)。

医師や看護師が悪いのではないかもしれない。
たしかに、この病院は患者数が多く、多忙だった。
しかし、「忙しすぎるから、仕方ない」と言い訳できる職業は、そうはあるまい。

一度、父は病院のシステムについて注文めいたことを、丁寧な口調で担当の医師に話した。
すると、
「ボクは、そういうのは関係ありませんから!」
と、面倒くさそうに言い放った。

もし、デパートで、
「あの売り場のやりかたは、少しおかしいんじゃないですか」
と別の売り場の店員さんに言ったとする。
「ボクは、そういうのは関係ありませんから!」
と言うことは、あり得るのだろうか?

(偉ぶるなよ、コノヤロー!)と、叫びたい気持ちを押さえた。
命を人質に取られることの弱さを、感じた。

最期の2週間は、都内の某ホスピスで過ごした。

父はガンと診断されてから初めて、人間らしい、「心の治療」を受けた。
かかりつけの医師以外で初めて、心から「先生」と呼べる医師たちに、出会った。
献身、という言葉そのものの看護師たちに出会った。
ほとんど泊まりがけで看病してくれた家内も、このホスピスで、気持ち的には救われたようであった。

そして、雪の残る東京から、父は旅立った。
寒がりだった父は、雪の東京が嫌だったのかもしれない。
(オヤジ、天国は、あたたかいのかい?まだ、使い残しのホカロンが、残ってるよ…)。

手術から1年と4日目であった。

この間、信じられないほど親身になってくれた友人たち。
その友人から紹介してもらい、見返りもないのにご尽力下さった方たち。
仕事上のお付き合いしかないのに、様々な手助けをして下さった方たち。
年末年始のお休みをすべてキャンセルして、父に寄り添って下さった先生。
父の好物を持って、いつもお見舞いにきて下さったおじ、おば。
父と一緒に泣いてくれた親戚のみなさん。
心配をし、励まして戴いた皆様。
あらためて、心から、深く、深く、御礼申し上げます。

ここしばらく、筆を止めておりましたが、今年、本格的に執筆活動を再開します。
またこの場で、ご報告できれば、と思います。
(直近の刊行は、初夏を予定しています)。

父の一周忌にあたり、久しぶりに書かせて戴きました。
重ねて、皆様に御礼と、ご報告を申し上げます。

読み手の見識が問われる、雅子妃殿下の報道

2013-02-27 21:29:23 | Weblog
いったい、最近の皇太子妃報道は、何が言いたいのか。
雅子妃殿下の、ほとんどバッシングとしか言いようのない一部報道に嫌気がさしているのは、私だけではあるまい。

適応障害とそれに付随する病気が、一朝一夕に治らないことは、経験者や患者の家族なら誰でも知っている。
日によって、あるいは時間帯によって体調が大きく変わることも、わかっている。
それゆえに、ご公務をご出席されたりご欠席されたりするのは当然であり、公務内容の好き嫌いとはまったく関係ない。

真面目で責任感の強い人に多く見られることからも、妃殿下ご自身がどれだけ苦しんでおられることか。

私は以下のように思う。
皇族の方が、一般の国民と同じ病気で苦しんでおられる。同じ痛みを感じ、同じ悩みを共有している。
このことの、どこが問題なのか。むしろ私は、皇室をより身近に感じるが、如何であろうか。

ご公務を果たすことについては、たしかに難しい問題がある。
しかしこれも、宮家の議論と一緒に論じてはどうか。
皇族といえども、ご病気で臥せられることもある。そうした場合にどうすべきか、現状で不十分なら、さらに手だてを講じればよいだけであろう。

一部の識者が、妃殿下の公人としてのありようを批判的に論じているが、公人もまた人である。
人である以上、弱さもまた包含するのである。
私たちは、皇室に完璧を求めるよりも、皇室だからこそ、国民の象徴だからこそ、国民と同じ弱さと共にあって戴きたい。

震災で、避難所を訪れた両陛下や両殿下が、膝を折って被災者と語り合ったのは、心を共有されようとしたからにほかなるまい。
国民と共にある皇室だからこその御姿であろう。

人間としての弱さ、病を抱きしめながら、それでも懸命に立ち直ろうとされておられる妃殿下に、私は共感する。

報道はなるほど自由であるし、いろいろな取り上げ方もあろう。
それゆえにこそ、読み手の見識が、問われるのではなかろうか。

福田達夫君のこと

2012-12-03 23:34:52 | Weblog
明日、12月4日。衆院選の公示である。

「どんな人に投票すればいいですか?」
「どうやって政党を選べばいいですか?」

複数のマスコミや出版関係者から質問を受けた。

立場や利害によって、選択は違ってくるであろう。
しかし、以下の4点は、大事に考えてほしいと答えた。

1。今のことも未来のことも大切だが、過去、たとえば震災で亡くなった方や戦争で亡くなった方たちがどういう国家を望んでいたのか、「死者の声」に耳を傾けるような政治家や政党。

2。今後4年間、国民的な議論を恐れない、国民の政治意識を高められるような、政策的に積極果敢な政治家や政党。

3。今後4年間、大きなかじ取りを間違わない、派手ではなくても、国民と外国から信頼を勝ち取れる政治家や政党。

4。誠実な政治家や政党。


福田達夫、という候補者がいる。
たまたま、10年ほど前にある会合で知り合った。

背が高く、頭が良く、英語もペラペラで、しかも元首相の孫。
およそ嫉妬を受ける要素満載だったが、なぜかその周りにはいつも笑いが絶えず、人が集まって来た。

今でも覚えていることがある。

私がある文章を書いた時、脅迫状を受け取った。
その話を宴席でしたら、居合わせた男性が、「なんか、面白そうだね」、と、冗談めいて口走った。
すると、福田達夫君は、
「脅迫状を受け取った身になってみろっ、笑いごとではないぞッ!」
本気になって怒ってくれた。

福田達夫君は、私が知り合った頃はバリバリの大手商社マンで、政治家になるつもりはないと聞いていた。

今度、出馬するにあたって、その思いの一端を聞いた。

地域が幸せにならずに、どうして日本全体が幸せになれるのか。

11年勤めた商社を退職して、議員秘書をしながら、最近3年半ほどは完全に地元で活動。仲間たちと集まり、地域の課題を解決するために、動いていた。

いかにも彼らしい、真面目でダイナミックな取り組みだった。

地元の大学で「群馬学」のフェローをしながら、しかし常に現場で考え現場で一緒に汗を流す姿に、仲間たちがどんどん増えていった。

本人は、会津藩の藩祖・保科正之を尊敬している。
徳川家光の異母弟。
常に縁の下の力持ちとして、幕府を支えた男。
自分の功績を後世に残さないために、晩年、功績を証明できる書類を燃やした男。

いかにも、福田達夫らしいなあ、と思った。

話をする時、相手がどんな人でも一切手抜きをしない。
真面目で誠実な男、というのが、10年来彼を知っている私の感想である。

本人は忘れているだろうが、知り合ったその日に、
「あなたのような人が、政治家になれば、きっと日本はよくなる」
と、私は言った。
すべての政策が、彼と一致しているわけではない。
しかしこの3年間、政策以前に、有能かつ誠実な政治家でなければ、国はとんでもないことになると思い知らされた。

衆院選公示。

誠実な人物に、祖国を託したい。

民主党のCM

2012-11-16 23:56:33 | Weblog
15日の衆議院本会議は、3時間遅れで始まった。
亡くなった議員の追悼演説を聴くために、その遺族たちは、ずっと待たされた。

本会議が遅れた理由。
それは、本会議直前に、常任委員長等の手当廃止法案を突然、民主党が提出したために起きた混乱だった。

選挙前に、「わたしたちはこんなに努力してますよ」、とアピールするため、民主党は混乱などお構いなしに突然法案を提出したのである。
亡くなった同僚議員への敬意も弔意も、あったものではない。

思えば、この政党は、問題の連続だった。
オープンな政治を掲げながら、尖閣での中国漁船の暴挙をひたすら隠す。
TPPの情報を開示せず、朝鮮学校に対する授業料無償化も、いったいどんな議論を誰がしているのか、はっきり出さない。
クリーンなはずの民主党で、政治資金の不適切な問題が続出。
マニフェストに載っていない消費税増税を、選挙を経ずに強行…。

要は、不誠実なのである。

次々に党を離れて行く人々。
基本政策、基本的な価値観を共有せず、綱領もつくれなかった「お粗末政党」が、いずれこうなることは、識者でなくてもわかる。
不誠実な人たちの集まりが、自壊していく。

そして民主党は、なぜか準備万端でテレビCMを流し始めた。

「今と未来に、誠実でありたい。」

「今」のことも、「未来」にも誠実ではない政党が、何を言っても、何の説得力もない。
鳩山由紀夫・元首相は、
「国民が聞く耳を持たなくなった」
と、自身の失政を国民のせいにしていたが、今や本当に国民は、民主党の言う事に聞く耳を失った。

そして、この政党の致命的な欠陥が、このCMの謳い文句に隠されている。

「今と未来に、誠実でありたい。」

過去は、どうでもいい。過去に誠実でなくていい。過去は、自民党がやったことだから、俺たちには関係ない…。

きょう、菅・前首相がテレビで、

「膨大な財政赤字は、この民主党政権の3年間ではなくて、自民党政権時代につくられたものだ」

とインタビューに答えていた。

たしかにその通りだ。しかし、史上最大の赤字予算を、バラマキ政策実現のために3年間組んだのはどの政党か。

「今と未来に、誠実でありたい。」

過去3年間は、誠実ではなかった、ということか。
だから、こうとしか言えないのであろう。
しかし、過去3年間誠実でなかった政党が、どうしてこれから誠実になれるのか?
その答えは、CMの中に、ない。