真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

学力試験の結果を出されて、困るのは誰か

2008-10-21 10:57:47 | Weblog
学力試験の結果を公表すると、地域格差が生れる?
学校はもっと大切なことを教える場所?

学力試験の結果公表について、バカバカしいので触れてこなかったが、こういう珍妙なコメントをするテレビがあまりにも多いので、ちょっと一言。

学力試験を公表すると地域格差が出るというが、「あの地域の学校って、バカなんだよ!」と言われていじめられるとか、そういうことだろうか?
まさかそんな、幼稚園児みたいな低レベルの話で、この問題を論評しているんじゃないだろうな、と、ちょっと心配である。

だめなら、次頑張ればいいじゃないか。
だいいち、子どもの能力が、そうそう地域で差が出るわけがない。出るとすれば、教え方が悪いに決まっているじゃないか。

以前、アルバイトで塾講師をしていた経験で言わせてもらえば、ある科目が好きになる理由は、先生が好きだった、教え方が良かったからだし、嫌いになるのは、先生がキライ、授業がヘタクソ、という理由が圧倒的だった。
勉強なんて、その科目に興味さえ持たせれば、中学生程度だと勝手に勉強する。要は、教師の質である。


学力試験結果の公表に反対しているのが、教育委員会や教職員組合など、教師やその関連組織であることがすべてを物語っている。

ちなみに、学力試験全国一位の秋田県では、結果公表どころか、単元ごとに試験問題をオンラインで配信、それを各学校でテストとして使い、ネット上で結果がすべてわかるようになっている。つまりどの学校のどのクラスが、たとえば二次方程式が弱いとか、そういう細かなところまでわかる。
結果が出れば、弱いところを重点的に教えて、次につなげる。

子どもが成績表を親に見せたがらないのは、親に叱られるから、と同時に、勉強をさぼっていた、という、後ろめたさがあるからである。
結果公表を恐れる教師たちよ。次、頑張ろうよ。子どもたちに、「失敗しても何度でもやり直せるんだよ」と、実体験させる最良の機会ではないか。

教師としての自分の失敗を認めないと、再スタートは切れないけど、ネ。

そうそう、忘れてた。
「学校は勉強以外の、もっと大切なことを教える場」、という珍コメント。
心の教育、とか言ってたが、はて、具体的に何を、どのような方法で教えるのか。いじめはいけない、人を殺してはいけない、他人に迷惑をかけてはいけない、困っている人がいたら助けよう、ゴミは道路に捨てない、お年寄りには席を譲ろう、等々か?

お願いだよ、そういうのは、家でやってよ。