超マイペースな女が一人で木工・家具工房を始めてみる。できるかな?

マイペースに木工・家具工房での日々を綴ります。
研修生時代~就職~リストラ~転職~復活~起業
ときどき趣味も。

就職3:小物いろいろ

2020-01-20 14:31:10 | 木工2・就職
コースターで機械に慣れたところで、次は小物をいろいろ作らせてもらえることになりました。
卓上ミニチェスト、フォトスタンド、トレー、ミニ座卓etc。

ちょうど、会社がネットショップに力を入れ、小物のラインナップを増やそうとしていた時期だったので、私は小物担当になったのです。

まぁ、大物を作れる技術がないので、小物をやらせるしかなかったのでしょうけど^^。
自分の担当があるって、うれしいものです。


図面はデザイナーさんや番頭さんが書いていました。
正直、最初の頃は図面を見ても、完成図が想像できませんでした。
作る手順もわからず、その都度ベテラン職人さんに教えてもらっていました。

毎回、なんか、このデザインいまいちな気がする・・・と思いながら作るのですが、だんだん完成が近づくにつれて、いい感じになるんですね。
木地のままでも充分かっこいいいのですが、塗装が済むと尚、素晴らしい。

完成するたび、休憩時間にショールームで完成品をボーっと眺めていました。
そこは、会社の中で唯一落ち着ける空間でした。
ベテラン職人さんたちが作った水屋箪笥やダイニングセット、ソファーなどが並び、私も早くこういうものを作りたいな~と思いました。

自分が、会社の製品の一番のファンなんじゃないかと思ってました。
ドイツでも、私は師匠の作品のファンでした。
そうでなければ、こんなきつくて怖い仕事、すぐ辞めてますよ^^。

夏、工場の温度は38℃まで上がりました。
ちなみに冬の朝は2℃。
機械がキンキンに冷え、刃物が回れば冷たい風が吹き、入社した年はまだ暖房がなかったので、体は冷えに冷えて生理止まりました・・・。

就職2:コースター

2020-01-19 16:05:33 | 木工2・就職
就職先は、水屋家具が人気の家具工場でした。
特徴はその塗装。
新品なのに、まるでアンティーク。
重厚感があり、「メンテナンスを繰り返しながら丁寧に使い込みました」感が満載。
ブランド名「久遠」

社長から、「昼間はここで仕事をして、夜は会社の機械を使っていいからいろいろ作って勉強しなさい。」と言っていただき、働かせてもらうことになりました。

入社後、私の最初の仕事は、会社の隠れた人気商品「コースター」作りでした。
大物の家具を作る際にでる端材を利用するのです。


丸い部分にお茶、四角い部分にお菓子を乗せて使う、「端折り」がアクセントの人気コースター。


これ一枚を作るにも、ハンド、プレナー、横切り盤、昇降盤、ルーター、ベルトサンダー etc、いろいろな機械を使うので、「まずはこれで基本的な機械の扱いを覚えなさい」ということでした。

転職組で訓練校をでているベテラン職人さんが、私の指導をしてくれました。
メンターですね。
安全面も技術面も論理的に説明してくれるのでわかりやすく、この職人さんのおかげで私の腕は少しずつ上達していきました。

・・・いや、上達、と自分では思っていましたが、社長にはよく注意されてました^^。
このころよく注意されたのは、「時間がかかりすぎる」。

お菓子を乗せる部分を振動型の彫刻刀で掘るのですが、手が疲れるし、枚数が多いので飽きるし^^、そのうち首や腰まで痛くなる。
それが終わると今度はアンティーク感を出すために、研磨機でひたすら研磨。
磨くというより削る感じ。
研磨機を使いこなすには握力が必要でした。
とにかく手が疲れる。疲れる。疲れる。
こんなに小さなものを作るだけで、こんなにも体力がいるのか、と先行き不安になるのでした・・・。

就職 1:問い合わせ

2020-01-11 22:42:21 | 木工2・就職
ドイツに渡る一か月前、まだポリテクに通っていた頃、地元で開催された家具メッセに行きました。

多くの家具屋さんのブースを覗いて、その内の気になる十数件で会社案内のチラシや製品カタログをもらい、それをドイツまで持っていきました。

ドイツでの研修終盤には、そのチラシを見ながら、帰国後の進路を考えました。

どう考えても、自分の力量では、すぐに自分の工房を持つなんて有り得ないこと。
お金もないし・・・。
まずは、家具工場に就職して経験を積まねば。

無垢材をメインに扱い、
腕のいい職人さんがいて、
自社ブランドがあって、
素晴らしい製品を世に輩出していて、
自宅から近くて・・・
そんな夢のような家具工場、
あるわけないと思っていたら、ありました。



帰国後、早速その工場に連絡をしました。

が、

ちょうど訓練校の卒業生を雇ったばかりで人手は足りている。これ以上雇う予定はない。と。

撃沈でした。

でも、想定内です^^。

給料はなくてもいいのでとにかく勉強したい、と伝えていたからなのかどうかわかりませんが、社長が、「雇うことはできないが、うちは腕のいい職人たちがいるから、彼らに何か聞きたいことがあれば聞くといい。きっといいアドバイスをくれるから。休憩時間なら工場見学に来ていいよ。」とメッセージをくださったのです。

あわよくば…、と下心いっぱいで、さっそく履歴書をもって工場に行きました。


そして、

翌週からアルバイトとして働かせてもらえることになりました。

順調でした。

ここまでは^^。

ドイツ木工研修留学 53:最後の日

2020-01-09 00:43:45 | 木工1・研修
帰国間近の6月の日曜、同居人たちと一緒に、それぞれの友人を呼び、皆でアパートの裏庭でバーベキューをしました。
日本に帰りたくないな〜と思いました。


帰国の日、工房に挨拶に行くと、工房のみんなが書いてくれたメッセージカードをもらいました。
読んでないのに泣けてくる。

荷物の発送などであわただしく時間が過ぎ、あっという間にお別れの時。

あまりにバタバタしすぎて、大事なアパートの鍵を返し忘れました^^。
フランクフルトで郵便局に寄り、工房宛に鍵を送りようやく何もかもが終わりました。




日本に到着。
車窓から見る地元は何も変わらず、特に感慨深いわけでもなく、懐かしいわけでもなく、普通に、いつもの街並みでした。

師匠にもらった鉋がなければ「あれは夢だったのか…?」と思うくらい、あっさりと日本の日常に戻りました。



そして私は、かれこれ1年半の無職にピリオドを打つべく、就活を始めるのでした。

工房、そろそろ始めます。15:仕事始め

2020-01-02 17:18:20 | 木工4・工房
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

12月の遅れを取り戻すべく、今年は元旦から工房で作業をしてきました。
年末から作り始め、元旦に完成しました。

「炉縁」です。
小間用なので漆は塗らず、木地のままです。

(ここは単なる和室で、炉を切ってませんが・・・)


茶道(裏千家)の先生からの依頼でした。

通常、炉縁は上の面と内側しか見えません。
パッと見、簡単そう、と思っていたので、安請け合いしました^^。

先生が念のため見本にと、春慶塗の炉縁を貸してくださいました。

横からまじまじと見ました。
あ、通しの二枚ほぞか、なるほどね。

そして、初めて裏側を見ました。
しばらく理解できませんでした。
何これ・・・
機械じゃ無理・・・

お借りした見本は春慶塗ですから、仕口の様子はうっすらとしか見えません。
何かの間違いかな。

ネットで炉縁を調べてみました。
高価な炉縁は四方八方からの写真が掲載されています。
ほぼ、お借りした炉縁と同じでした。
やっぱり、手作業で加工しないとできないんだ・・・。

作りました、という投稿も見つけました。
私と同じように、安請け合いしたものの実物を見てビックリ、ということでした。
ですよね~。

できる限り機械を使って、最後は手加工しました。

裏側

組み立ても、気を付けないと組めません^^

炉縁、恐るべし。

ちなみに、木は屋久杉です。

ネットで購入したので、偽物の可能性もあると覚悟していましたが、届いた木材からはあの懐かしいにおいが^^。
削れば削るほどあの嫌いなにおい^^。
ほぼ屋久杉に間違いないでしょう。
きっと倒木ですね。
加工しているうちに、だんだんあのにおいが病みつきになってきました^^。
なぜか、嗅ぎたくなる。
中毒性がありますね。

懐かしい屋久杉のにおい↓