脊椎の病気について一般向けに書かれた本というのは少ないのですが、平林教授が
書かれた「せぼね / 治療と健康のアドバイス」医事出版社 (\1660)は、脊椎の様々な
病気と治療ならびに、手術に対する患者さんへのアドバイスなどが書かれており、
背骨の病気を理解する上で、お役にたつと思います。
この本の中から、このコラムでは「手術を受ける人のために」。
別コラムでは「民間療法」をご紹介します。
「手術を受ける人のために」
.....手術の決定には、医師の説明による患者の納得が基本。手術を薦められた際
には手術後に症状が悪くなる可能性、あるいは再発する頻度など、一生涯を視野に
入れた長期成績の話しも医師から聞いておかれるとよいでしょう。その可能性や
頻度だけでも知っておくと知らないでいるとの差は、手術後の療養方針や生活態度
に反映され、長いめでみて相当に大きな差になって還ってくるのではないでしょうか
....ですから、術後の良くなり方の程度、例えばすっかり良くなるのか、少しは
何かの症状が残るのか、残るとすればいつまでどの程度続くのか、など、
医師側は十分に説明するべきですし、患者さん側も納得いくまで
聞くべきなのです。
そのような経過を経て、はじめて、医師を信頼でき、過大の期待を持つこともなく
また、過度の不安を持つこともなく手術を承諾できれば、これがベストといえます。
.....信頼できる医師をさがすという目的の中には、0.0何パーセントの生命の危険
や数パーセントの再手術に至る確率があるという現実を直視して、その不幸な確率
をできるだけ低くすることと、万一そうなった場合に自分が選択した自己責任を
自分に納得されること、の二つの意味が含まれます。
.....このため、手術の適応とともに、手術法の選択についても、
セカンドオピニオン、つまりもう一人の医師の異なった意見を
聞くことも大切なのです。華道や茶道の流派ではありませんが、
できれば異なった複数の大学系の医師から聞くのも一法です。
-------------------------------------------------------------------
August03より :
この本は、「脊椎に関わる全ての病気」を網羅したものです。具体的手術の方法
が図や写真で解説されていますので、一般の方が読まれても、さらに具体的
イメージが掴めると思います。側弯症に特化したものではありませんが、上記に
引用しました「インフォームドコンセント」に関しては、すべての手術、つまり
整形外科のみならず、全科の手術において該当することがらですので、十分に活用
されると良いと思います。
ただ、現実の医療現場は、医師側にとっては、過酷な業務で動かされている為に
十分なインフォームドコンセントがなされているかは難しいかもしれません。
...(それは医師側の問題というより、現状の医療制度を押しつけている行政側の
問題のように個人的には感じていますが)....しかし、できるだけ事前に説明を受け
自分が納得できるかどうかをじっくりと考える時間を持たれることはとても大切
だと思います。何が理解できて、何が理解できていないかを、できればメモにして
先生に示しながら、説明を受けるのも方法だと思います。
セカンドオピニオンもできるだけ得られるように努力されると良いと思います。
上記で書かれている「複数の大学系」というのは、その医師が学んだ大学によって
治療方針や治療方法が異なることがありえる為です。特に「外科的手術方法」は、
唯一の技術というものはなく、ひとつの病気に対しても、複数の手術方法、複数の
技術があると考えていいと思います。大都市ですと、系列の違う大学が複数ある為
意見を得やすいと思いますが、地方では1県1医科大学のような感じになっているの
で、なかなか難しいのが現実かもしれません。でも、可能な限り、一日休みをとっ
て隣県の医科大学に行ってみてはいかがでしょう。
手術の結果は、一生ご自分の身体についてくるものです。医師との信頼関係が
得られた上での手術と、半信半疑で受けた手術では、その結果に対しての「納得」
が天と地ほどの差になってしまうと思います。
書かれた「せぼね / 治療と健康のアドバイス」医事出版社 (\1660)は、脊椎の様々な
病気と治療ならびに、手術に対する患者さんへのアドバイスなどが書かれており、
背骨の病気を理解する上で、お役にたつと思います。
この本の中から、このコラムでは「手術を受ける人のために」。
別コラムでは「民間療法」をご紹介します。
「手術を受ける人のために」
.....手術の決定には、医師の説明による患者の納得が基本。手術を薦められた際
には手術後に症状が悪くなる可能性、あるいは再発する頻度など、一生涯を視野に
入れた長期成績の話しも医師から聞いておかれるとよいでしょう。その可能性や
頻度だけでも知っておくと知らないでいるとの差は、手術後の療養方針や生活態度
に反映され、長いめでみて相当に大きな差になって還ってくるのではないでしょうか
....ですから、術後の良くなり方の程度、例えばすっかり良くなるのか、少しは
何かの症状が残るのか、残るとすればいつまでどの程度続くのか、など、
医師側は十分に説明するべきですし、患者さん側も納得いくまで
聞くべきなのです。
そのような経過を経て、はじめて、医師を信頼でき、過大の期待を持つこともなく
また、過度の不安を持つこともなく手術を承諾できれば、これがベストといえます。
.....信頼できる医師をさがすという目的の中には、0.0何パーセントの生命の危険
や数パーセントの再手術に至る確率があるという現実を直視して、その不幸な確率
をできるだけ低くすることと、万一そうなった場合に自分が選択した自己責任を
自分に納得されること、の二つの意味が含まれます。
.....このため、手術の適応とともに、手術法の選択についても、
セカンドオピニオン、つまりもう一人の医師の異なった意見を
聞くことも大切なのです。華道や茶道の流派ではありませんが、
できれば異なった複数の大学系の医師から聞くのも一法です。
-------------------------------------------------------------------
August03より :
この本は、「脊椎に関わる全ての病気」を網羅したものです。具体的手術の方法
が図や写真で解説されていますので、一般の方が読まれても、さらに具体的
イメージが掴めると思います。側弯症に特化したものではありませんが、上記に
引用しました「インフォームドコンセント」に関しては、すべての手術、つまり
整形外科のみならず、全科の手術において該当することがらですので、十分に活用
されると良いと思います。
ただ、現実の医療現場は、医師側にとっては、過酷な業務で動かされている為に
十分なインフォームドコンセントがなされているかは難しいかもしれません。
...(それは医師側の問題というより、現状の医療制度を押しつけている行政側の
問題のように個人的には感じていますが)....しかし、できるだけ事前に説明を受け
自分が納得できるかどうかをじっくりと考える時間を持たれることはとても大切
だと思います。何が理解できて、何が理解できていないかを、できればメモにして
先生に示しながら、説明を受けるのも方法だと思います。
セカンドオピニオンもできるだけ得られるように努力されると良いと思います。
上記で書かれている「複数の大学系」というのは、その医師が学んだ大学によって
治療方針や治療方法が異なることがありえる為です。特に「外科的手術方法」は、
唯一の技術というものはなく、ひとつの病気に対しても、複数の手術方法、複数の
技術があると考えていいと思います。大都市ですと、系列の違う大学が複数ある為
意見を得やすいと思いますが、地方では1県1医科大学のような感じになっているの
で、なかなか難しいのが現実かもしれません。でも、可能な限り、一日休みをとっ
て隣県の医科大学に行ってみてはいかがでしょう。
手術の結果は、一生ご自分の身体についてくるものです。医師との信頼関係が
得られた上での手術と、半信半疑で受けた手術では、その結果に対しての「納得」
が天と地ほどの差になってしまうと思います。