~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

信じられません!  いまだに続く側湾整体の犠牲 140度になるまで手術をせずにいたなんて

2009-10-25 00:27:39 | 特発性側弯症と民間療法
初回記載:2009年10月25日
追記:2017年11月8日


追記:2018年2月14日
民間療法に関する主張は、新たに民間療法反対論(https://blogs.yahoo.co.jp/gcpmamoru)というブログに記載していくことにしました。



 整体・カイロ等民間療法者への呼びかけ
 これは私見であり、反対意見があることも知った上でここに記載するものです。
 根本原則として、病気の治療は医療機関で行われるべきものと考えます。医師、看護師、検査技師(検査部門)、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、医療コーディネーター等々が医療設備を用いて、責任の明確な立場の方々が患者を検査し、治療し、看護するもの、と考えます。まして、子どもの病気に対してはそれが否定される理由がどこにあるのでしょう。 特発性側弯症は子どもの病気です。自分の症状や治療内容を理解できる大人ではありません。 子どもなのです。
民間療法者は、大人を対象としてビジネスをすることで何が不満なのでしょう? 自分達が子ども達を救っていると本当に信じているのであれば、その医学的証拠を、医学データととして認められるレベルのものを提示すべきです。施術前後の写真は証拠ではありません。患者さんからの感謝の手紙は証拠ではありません。医者を巻き込んで「これは凄い」とと語ってもらうことは証拠ではありません(そもそも医者であるならば、医学データの何たるかは知っているはず。医者の自分が凄いと言うのだから、これは事実だ。というのは権威を利用した「まやかし」「印象操作」です)。政治家を連れてきて、「これは凄い」と語らせることは証拠ではありません。〇〇協会や△△団体から表彰されることは証拠ではありません。 医学データを示すことなく、事情を理解しえない子どもを治療しようとすることは、もちろん医療ではなく、道義にも倫理にも反する行為です。





(添付写真は100度の患者さんです)


 添付写真は今回の記事を説明するうえで「140度」というものがどれだけのカーブ
であるかを理解していただくために、以前利用した100度カーブを提示してみました

私august03は、医療現場からはほとんど引退した形ですが、いまだに様々な形で
現場の話を聞く機会はあります。
今回の話は、そのような場面で知り得たことのひとつです。伝聞情報ですので
事実の詳細までは把握できておりません。ただ、医療現場で働いている友人らは
仕事の性質上、医学的事実からはずれたことはもうしません。

今回の記事のタイトルに書いた「140度」という側弯カーブがどれだけのものである
かは想像していただけると思います。ほぼ体幹の中央部は折れ曲がり、体軸から
頭部と骨盤は大きく横に外れた位置にまで身体は曲がりくねった状態になってしま
います。いわば、レントゲン写真でいえば、脊椎がほとんどぺしゃんこに折れた
ような感じです。

そのような状態になってようやく「手術」が行われました。患者さんの年齢は、
13歳前後のまさに思春期特発性側弯症です。話を聞いて、一瞬耳を疑りました。
140度は聞き間違いだろうと。でも、写真を示されて理解できました。
これはひどい。あまりに酷すぎました。
なんでこんなになるまで手術をせずにいたのか? もっと早くに手術をする機会も
あったでしょうし、医師からも手術を勧められていたはずでしょうに......

いわゆる地方に住んでいるこどもで、大きな病院が近くになく、結局は、親が近く
の整体に通わせているうちに、どんどんと進行してしまって、その身体の異変に
こんどは病院にいくのが怖くなり、整体からももう少し施術を続ければなんとか
なる、というような言い方をされて、その悪循環に陥ってしまった。
ということのようなのです。

都内の有名大学において添付写真のようなスクリュー/ロッドを用いた脊柱固定手術
が行われ、ある程度はまっすぐになったようです。とはいえ、140度のカーブを
ゼロ度にすることは無理です。
手術したとはいえ、ここまで進行した状態がしばらくは続いていたわけですから、
この子の肺器官、心臓器官への影響は否定しきれません。つまり、将来にわたって
健康に対する不安は拭いきれない。ということです。

このインターネットの進歩した時代において、よもや140度にまで進行してから
手術をするというような患者さんがいるとは、夢にも想像できませんでした。
でも、現実にいまだにそのような患者さんがいることを知り、愕然とするとともに
やはり、インターネットから「側湾整体」の宣伝は削除されるべきであり、
側湾整体を規制する法的規制と、社会啓蒙、社会運動が必要であることをさらに
訴えていくことの必要性を痛感しています。

思春期特発性側弯症が側湾整体で治るはずもなく、その犠牲者はいまだに続いて
おり、また中年以降における「大人の側弯」においても、同様に犠牲となっている
かたがあとをたちません。

整体で「治る」という幻想を抱かされて、いまだに患者さんが騙され続けています
騙されだけではなく、結局は、症状を悪化させることすらある。ということを
皆さんは忘れてはいけません。

「行ってはいけない !  整体は逆効果 治るものも治らなくなります」

http://blog.goo.ne.jp/august03/e/c93c2d75b992a93f92aec71cae4e8291


10月24日にコメントを寄せていただいたYumiさんの記述を下記に転記します

今更ながら勉強しています。 (Yumi)
2009-10-24 20:53:22
初めまして。Yumiと申します。
40才にして側わん症について調べ始めました。
長文になります。

これまでの自分の経緯を申しますと、中学ぐらいから健康診断で、「側わん症」と
診断され続けていたのですが、軽度だから適度に運動すれば良いと言われ、ここま
で来ました。
その後、その運動を怠っていたせいか、35才で腰を痛めました。

その後、腰の歪みばかり着目し、側わん症はただ曲がっているだけで、時折右肩下
にしびれがあっても大丈夫と思っていました。

そして今年。腰痛も少しあり、ウエストの括れがずっと左右おかしかったので、
友人の薦めた整体へ行きました。短期間に2回やったせい?もあるかもしれません
が、施術後、ぎっくり腰になりました。しかも鏡を見ると前よりも上半身が左に傾
いているのです。

怖くなり、やっと側わん症について調べ始め、このサイトにたどり着きました。
側わん症は決して軽く見てはいけない病気だったのに、これまで調べもしなかった
こと、整体がなんたるものか、こちらも調べせずに行ってしまったこと。自分が
いかに愚かだったか思い知らされています。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////

 整体は、医師免許をもった医師でもなければ、国家試験をへて勉強を続けている
理学療法士でもありません。彼らは、ただの「素人」なのです。
彼らに「触られて」気持ちがよくなり、リラックスできて、「治った」ように感じ
るのは、もともとが病気などのない「健康体」の人なのです。疲れた身体をもみ
しごかれれば、もともとが病気ではないてのですから、血行もよくなり、身体が
リフレッシュしたような感覚になるのは当然です。
それをあたかも病気が治ったかのように錯覚させたり、あたかも病気があったもの
を治したかのように宣伝するがゆえに、医学的事実を知らない方、とくに女性の方
は、あちこちで、○○整体がいいわよ、というような口コミをしてしまうことに
なってしまいます。

整体のしていることは、端的にいえば、「肩もみ」をされるとそれは誰がやった
ものでも、「気持ち」がいいと感じる。その範疇のものなのです。
他人から「触れられて」「マッサージ」されれば「気持ち」いいと感じる。そうい
う心理的効果であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
病気が治る、病気を治した、というようなそういう次元ではないのです。

このような大きな勘違いを生む、最大の原因は、インターネットにはびこる側湾
整体の宣伝にあります。
これらをインターネットから削除しなければ、今後も同様の被害者はあとをたたな
いでしょう。

このブログStep by stepをお読みいただいている多くの皆さんが、少しづつ声を
だし、あるいは、ご自分のブログに書かれるなどして、少しづつでもいいですから
側湾整体がその存在を悔い改める機会を広げていくことにご協力をお願いいたします


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5 コメント

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望みを捨てたくないです (Unknown)
2009-11-03 17:52:38
わたしは33歳で写真方よりも曲がっています。
100度以上だと思います。
現在は病院に通っていませんが今度、内視鏡の手術をしてくれるところへ行こうと思います。
中学時代に側弯がみつかり、当時で40度くらいでした。マルファン症候群なので大動脈に瘤がありその影響もあって、手術が危険と言われコルセットは付けましたが進行してしまいました。
内視鏡術なら、麻痺とかないようで、体の負担が少しでも少ないと思いますが曲がりがひどいので拒否されるかもしれません。
少しでも戻ればいいなと思います。
返信する
脊柱側湾患者の者です (Unknown)
2010-03-16 11:08:26
わたしは18歳のときに56度の湾曲になり、手術しました。三年が経ちましたが術前にあった胸部の圧迫感や息苦しさ、肩こり、腰痛がなくなり快適です。血のめぐりがよくなったようで青白かった顔に赤みが差しました。金属のブリッジで背骨を固定しています。もちろん傷跡はファスナーのごとく背中に一筋くっきり残りますが服を着ている分にはまったくわかりません。たまに風邪をひいて医者に言ったとき、医者に驚かれてやっと傷の存在を思い出す程度です。
手術に対して拒否反応をされる親御さんが多いのは残念です。女の子ですから体に傷をつけたくなかったのでしょうが、100度超えてしまうとわたし以上にさまざまな体調不良に苦しめられたことと思います。やはりこの病気の患者さん(特に成長期)は病院にきちんと行くべきだと思います。
返信する
側湾症の娘を持つ母です (カルチェラタン)
2010-03-31 14:44:37
つい先週12歳の娘が側湾症との診断を受けたものです。角度は14度と比較的軽症ですが、今後進行しないとも限らず定期的な検診が必要と言われています。

米国在住という事もあり、症例が豊富なためかサポートグループ等は多いものの、日本との健康保険適用範囲との違い等戸惑いや不安も多々あります。

これからもちょくちょくお邪魔させていただきます。
返信する
全然危機感がありませんでした (中学一年生 女子 13歳)
2010-12-11 15:06:44
 
 今年の6月に熱が高く上がり、肺炎を疑われてレントゲンを撮ったところ、側弯症が発覚しました。
 かかりつけの整形外科へ行きレントゲンを撮り、診察していただいたところ、16°と言われ、進行がなければ問題ない、半年に一度レントゲンを撮って見て行こう、と言われました。
 
 しかし二週間ほど前、肩・首筋がすごく痛くて接骨院へ行ったら、側弯症がひどくなってる、27°と言われました。そして大学付属病院へ紹介状が書かれました…

 一週間程度で痛みは治まったので平気と思っていましたが、紹介されたんだし、行ってみるか♪ という軽いノリでお母さんと受診に行ってみることにしました。

 そこでは、、45°と診断され、今、手術にするかまよっています。
 
  今この記事を読んで、心が苦しいです。
返信する
思い切って手術を (父親)
2011-01-09 21:10:05
私の娘は5年生の健康診断で判明しました。
現在中2です。先日手術を行いました。8時間以上に及ぶ大手術でした。帰ってきた娘はとても哀れな姿。代わってあげたくても代われない 親としての無力に手術前から何度も涙してきました。術後の辛さを乗り越え2週間で退院しました。本人の強い要望からです。第一は本人の気持ちです。手術に挑むのも 退院に向けての努力も 全て本人次第なのです。親は何も出来ません。一緒に頑張ろうとお互いの勇気を搾り出すしかないのです。泣くだけ泣いたら勇気を持って挑みましょう。今だ療養中の娘ですが 今あるのは希望だけです。これ以上の苦しみは無いと思いこれからの人生に立ち向かっていけます。
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