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カイロプラクティックでは治りません

2007-05-10 00:00:11 | カイロプラクティック & そくわんヨガ
PubMed(パブメド)というのは、医学論文検索でもっとも知名度が高く、信頼性が
高いことから、広く多くの医師等を始めとした医学関係者に使用されている
検索サイトです。そこで検索できた論文を一件ご紹介します。
私は、一貫して、「自分は特発性側弯症を治療できる」ととなえている整体や
カイロプラクティックのサイトに対して批判します。この文献は、ブレース装着が
適応となる前のマイルドカーブに対する施術結果を述べたものですが、結論として
まったく効果がなかった。と述べています。
一部ニュースでは、整体でわいせつ行為がなされた、という報道もありました。
側弯症掲示板でも、経験者の声として、セクハラ行為や姿形に対する屈辱発言で
傷つけられた。ということもありました。
整体、カイロプラクティックで、特発性側弯症が治ることはありません。
側弯症に立ち向かえるのは、ブレース装着と、ご家族と友人等の支えと、そして
患者さん自身のこころなのではないかと思います。
次回からは、自身で行える訓練として、側弯症とヨガとの関係についての記事を
幾つかご紹介していこうと思います。


専門誌 :J Manipulative Physiol Ther. 2001 Jul-Aug;24(6):385-93.
タイトル:Effect of chiropractic intervention on small scoliotic curves in
younger subjects: a time-series cohort design.
    若年者における軽度側弯カーブのカイロプラクティック効果:
研究機関:Life University, Marietta, GA, USA.

BACKGROUND: Chiropractors have long claimed to affect scoliotic curves,
and case studies abound reporting on successful outcomes.
No clinical trials exist, however, that evaluate chiropractic's
effectiveness in the management of scoliotic curves.
背景: カイロ施術者は長きにわたり側弯カーブに効果があり、また、成功例報告の
研究もあると主張してきた。治験の実施ではないが、カイロ施術者による側弯カー
ブへの効果を評価した。

OBJECTIVE: To assess the effectiveness of chiropractic intervention in
the management of adolescent idiopathic scoliosis in curves less than 20
degrees.
目的 : 20度以下のカーブを有する思春期特発性側弯症に対するカイロ施術の効果を
評価する。

DESIGN: Cohort time-series trial with all subjects electing chiropractic
care. Entry-level Cobb angle was compared with postmanagement curve.
デザイン: カイロ施術を受けている全ての患者を時間軸で観察。初回時のコブ角と
施術後のコブ角とを比較する。

METHODS: Forty-two subjects completed the program of chiropractic
intervention. Age range at entry was 6 to 12 years, and patients were
included if their entry-level x-ray films revealed curves of 6 degrees to
20 degrees. Participants had adjustments performed for 1 year before
follow-up. Full-spine osseous adjustments were the major form of
intervention, but heel lifts and postural and lifestyle counseling were
used as well.
方法 : 42人の患者にカイロプラクティックプログラムを完全に実施した。
年齢は6歳~12歳。コブ角6度~20度。経過観察の開始前の1年間にわたって
カイロ施術を行った。主な施術は脊柱全体の調整と、また姿勢や生活様式への
カウンセラーも行った。

RESULTS: There was no discernable effect on the severity of
the curves as a function of age, initial curve severity,
frequency of care, or attending physician.
結果 : 初回側弯カーブの重篤度(の矯正)、施術回数による差、施術者による差
というような目に見える効果はなかった。

CONCLUSION: Full-spine chiropractic adjustments with heel lifts
and postural and lifestyle counseling are not effective in reducing
the severity of scoliotic curves.
結論 : 脊柱全体への調整、姿勢や生活様式へのカウンセルは、側弯カーブを
減少させることに効果はなかった。


(御願い:本ブログ内で使用している「整体」とは、特発性側弯症を医学的根拠を
示すことなく治療できると宣伝し、特発性側弯症という原因不明の病気で苦しんで
いる患者さんとそのご家族を「ビジネス」のために利用している一部の整体のこと
を示しています。そのような整体のために、多くの良識ある整体の方々が同列で
呼称されることは本意ではないかと思いますが、その点に関しては整体という業界
内で解決されることを期待しております。業界基準と倫理規定を持たれているカイロプラクティックの方々は、もちろん含むものではありません)




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