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骨成長期終了後に側弯変形は進行する? (装具終了時のコブ角がポイント)

2017-11-07 17:14:31 | 特発生側弯症と装具療法

下記のオリジナル投稿は 2007-06-17

2017年11月7日 タイトル変更・コメントを追加しました。

 

(comment by august03)

医学データを記載した他のトピックスを参照してください。このブログを見ておられる患者さん自身、あるいはそのご両親にとっては、ここに記載することは後付けの話になってしまいますこと、ご容赦ください。

医学データが示していることは、

1. 初診時のコブ角が大きければ大きいほど、装具療法(25°以上から開始)から1年程度で手術を必要とするコブ角45°以上に進行するリスクが高い

2. 上記は、年齢が小さい、リッサーサインが0~1~2のようにまだ「骨成熟期に達していない」子どもでは、そのリスクが高くなる

3.骨成熟期に達して装具療法を終えたときの、そのときのコブ角が大きければ大きいほど、大人になってからもカーブが進行するリスクが高い  (個人差があるわけですが、一般的にはこの傾向ということです)

☞どうすればいいのか 

  いま装具療法中の方は、一日20時間以上の着用を頑張りましょう

  目標は25°~30°ほどで 骨成熟期に達して 装具療法を終えること

 

装具療法終了した25年後のアウトカム (2016年最新文献より) 更新 を参照ください。


◇2016年 Curve progression 25 years after bracing for adolescent idiopathic scoliosis: long term comparative results between two matched groups of 18 versus 23 hours daily bracing (ギリシア) 

・1978年から1993年のあいだに思春期特発性側弯症で装具療法を実施した117名
・この117名は全て手術することなく装具療法を終了
・使用した装具はボストンブレース
・117名のうち25年後のアウトカムを調査できた77名について報告

・77名(女子は71名)のうち、装具装着時間18時間群42名(part timeと表記)と23時間群35名(full timeと表記)とを比較
・初診時の平均年齢 13歳
・初診時のコブ角平均 29° (21~38°)
・   46名(60%)は 30°以下
    31名(40%)は 30°以上
・装具終了時平均年齢 16歳
・平均装具装着期間 2.7年(1.4~4年)
装具終了時の平均コブ角 22° (10~35°)

・平均フォローアップ期間 25年(22~28年)
・25年後調査時での平均年齢 40歳(37~43歳)
25年後調査時での平均コブ角 26°(12°~40°)

 

 

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質問より:
投稿日:2007年 6月16日(土)09時13分30秒
装具治療により 10°ほどの改善がありましたが、成長期をすぎて装具治療を
やめてしまった場合、もとに戻ってしまうなんてことはありますか?

...........................................................

私は医師ではありませんので、主治医の先生とよく相談して終了のタイミングを決めることが第一優先です。専門の先生は、数多くの患者さんを治療してこられ様々な特殊パターンと平均的パターンのようなものを把握されています。医学的判断をともなうことであり、また、将来にも影響を及ぼすことですのでよく先生とご相談して決めて下さい。


1. 個人差があること (平均はあくまでも平均であって、全ての個人にあてはまるものではありません)
2. 成長終了の判断は「絶対的」なものではないこと
3. 特発性側弯症は、命に関わる病気ではなく、いわば、病気ではあっても「病人」とは違います。ですから、装具療法が成功し、解放されて、日常に戻るほどに忘れてしまいがちですが、自分の健康は自分で守る、という意識を忘れずに、....神経質になる必要は全くありませんが....運動で身体を鍛えるとともに、定期的に検査することも忘れずに

先の論文をベースにしますと、20年間で平均8度程のカーブの進行があります。

 このことより、次のことは言えるようです。

-成長期終了後、急激なカーブ進行はほぼありえないが、わずかな進行はありえる -

この論文からは、少しづつ進行するのか、何かのひょうしに進行するかまでは不明です。ですから、定期検査の必要性はここにあると思います。さりとて、20年で平均8度程度であれば、過剰に神経質になることもないと言えると思います。報告にありますように、健常者と比較して、日常のQOLではまったく差がないのですから。ただ、腰痛は彼らに比べると悩まされる率は若干高い、というのは、これは病気ゆえにいたしかたない結果だと思います。....それでも、VASという10点評価票で2.7点の腰痛ですから、おおげさに考える必要もないと思います。

お子さんは、何歳になられたのでしょうか?その点が不明なのですが、例えば、先生からそろそろ装具療法を終わりにしてもいい頃だよ、と告げられていて、でも、なんだかまだ不安が残ってる。というのでしたら、こういう方法はいかがでしょう。つまり、外出時ははずすとしても、夜だけは、もうしばらく装着を継続してみる。という方法です。それで、半年たって、変化がなければ、それにこしたこともないと思うのですが..... こういうことが実際可能かどうか、私にはわかりません。皆さんの経験がやはり情報として役立つと思いますので、よろしくお願いします。

こういうとき、メリットとデメリット/リスクを箇条書きにして、比較検討してみることもひとつの方法だと思います。 書き出してみると、道筋が見えてくるものですよ。例えば、継続することのデメリット/リスクのひとつとして、筋力の衰えがありますが、これは、どんどん運動することによってカバーできるでしょう。

それと、装具療法中は、どうしても、運動不足になっています。体力、筋力が鍛えられていない状況が続いていたわけです。これが、データに表れている腰痛の原因のひとつでもあると思いました。また女の子はどうも牛乳の嫌いな子が多いように感じています。やたらわけのわからない健康食品は不要ですが、そうでなくても
女性は将来、骨粗鬆症に悩まされる率が高いわけです。側弯症治療のために、身体を鍛えておくべき時期に、鍛えられていない状態だったわけですから、これからはどんどん運動して、栄養をとって、足腰を鍛えることはとても将来にとって、大切だと考えます。(太陽光とビタミンDの関係も忘れない下さい)

(この項で述べ切れませんでしたが、なぜスゥエーデンの研究なのか、日本のデータは? ということについても、次回記載してみたいと思います)

☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。  医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。 ☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。 ☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?

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