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側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

人を治療するということの意味 正直であることの大切さ

2008-12-02 02:15:36 | 特発性側弯症と民間療法
初回記載:2008年12月2日
追記:2017年11月8日

 整体・カイロ等民間療法者への呼びかけ
 これは私見であり、反対意見があることも知った上でここに記載するものです。
 根本原則として、病気の治療は医療機関で行われるべきものと考えます。医師、看護師、検査技師(検査部門)、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、医療コーディネーター等々が医療設備を用いて、責任の明確な立場の方々が患者を検査し、治療し、看護するもの、と考えます。まして、子どもの病気に対してはそれが否定される理由がどこにあるのでしょう。 特発性側弯症は子どもの病気です。自分の症状や治療内容を理解できる大人ではありません。 子どもなのです。
民間療法者は、大人を対象としてビジネスをすることで何が不満なのでしょう? 自分達が子ども達を救っていると本当に信じているのであれば、その医学的証拠を、医学データととして認められるレベルのものを提示すべきです。施術前後の写真は証拠ではありません。患者さんからの感謝の手紙は証拠ではありません。医者を巻き込んで「これは凄い」とと語ってもらうことは証拠ではありません(そもそも医者であるならば、医学データの何たるかは知っているはず。医者の自分が凄いと言うのだから、これは事実だ。というのは権威を利用した「まやかし」「印象操作」です)。政治家を連れてきて、「これは凄い」と語らせることは証拠ではありません。〇〇協会や△△団体から表彰されることは証拠ではありません。 医学データを示すことなく、事情を理解しえない子どもを治療しようとすることは、もちろん医療ではなく、道義にも倫理にも反する行為です。





コメント欄に次のような投稿をいただきました。

「なぜ整体を誹謗中傷してるのですか?矯正器具の素晴らしさをアピールするだけで
 良いのではないですか?」

この方は、「誹謗中傷」という日本語の使い方を間違えているようです。
私august03は、医学的事実、あるいは 論理的な考え方に基づいて、間違っている
事を間違っていると指摘しているのであり、偽装と疑われる行為を偽装ではないか
と指摘しているだけです。

添付は、○○整体のホームページにある宣伝写真と宣伝文句です。

   RHPI療法の湾曲の矯正とは
   体重と重力を活用した体幹伸展法 (寝ているだけです)
   聖隷佐倉市民病院 受診 幼児 1歳 11ケ月  60度⇒現在装具して10度。
   進行すれば手術 / 現在は装具療法中 。〇〇整体通院は南先生に話されて
   います。

きっと私の目が悪いせいだと思いますが、この左右のこどもは左側は男の子、
右側は女の子に見えます。左の男の子は聖隷佐倉市民病院にいたときは、装具療法
をされていなかったのでコブ角60度に進行していた。
その子が整体にきてRHPI療法と装具を使用したことで、10度まで減少した。との事
それが事実であるならば、この子にとってはとてもすばらしいことだと喜んであげ
たいと思います。
しかし、私には、このふたりのこどもは全く別々のこども達に見えるのですが.....


RHPI療法.....寝ているだけ.....
寝ていて治るならば、それはとても楽で良いのですが.....紀元前から延々といまに
いたるまで続く原因不明の(特発性)側弯症。この数千年の人類の歴史で、古今東西
の医師達がありとあらゆる方法を、試してきました。東洋医術をもってしても、
西洋医術をもってしても、いまだにどうすれば完治させることができるのか不明で
あり、最終手段として手術による脊柱固定術という選択肢が提供されているわけです。
ところが、古今東西の偉人、名医達も気づくことのなかった画期的治療方法が
日本人の手によって発明? 開発? されていた。ということはまさに人類にとって
の曙です。こどもたちを救う神の出現です。しかも、「寝ている」だけで治るの
です。ゆれるベットに寝て、ゆらゆらと揺られているだけで、体重と重力を活用し
た画期的手法で治るのです.......

皆さん、冷静に考えてみてください。寝ているだけで「治る」とはどういうことを
意味しているのでしょうか?

下記も同じ○○整体に書かれている説明文です。

  ⑦背中に入れたチタンが曲がるほど成長力は強いのです。

たぶんここでいう成長力というのは、身長が上下に伸びるときのことを意味して
いるのだろうと思うのですが、同時に、なぜ脊柱固定術が金属インプラントを使用
するかといえば、確かに「曲がろうという力」がとてつもなく強力なためです。
かつては、ワイヤーでロッドを骨と固定していましたが、ワイヤーではその曲がろう
とする力に負けてしまい、切れたり、ロッドとの固定が緩んだりする例があり、
そのような反省から、現在では、ペディクルスクリューと呼ばれるチタンのネジで
ロッドを骨と固定するシステムに変わってきました。

それほどまでに曲がる力は強いのです。

であるにも関わらず、「寝ている」だけで、体重と重力の作用で側弯が治る....

これを医学とは呼びません。もちろん、医学ではないがゆえに、「整体」という
民間業者による商売として実施されているわけです。もしこれが医学であるならば
ぜひとも、元厚生労働大臣や、この整体を支持しているらしい....支持しているか
どうかはわかりませんが......公明党の政治家の皆さんは、この整体の先生に
ノーベル医学賞を授与してもらうように働きかけをして欲しいと思います。
これが事実であるならば、「寝ている」だけで側弯が治るならば、この治療法は
絶対にノーベル医学賞の価値があります。人類数千年の歴史のなかで、これほどの
偉大な発見(開発)はなかったと私は思います。

コメントを寄せられた方は、じっくりとこの整体のホームページをご覧になられる
と良いと思います。誹謗中傷という言葉は、このホームページにこそ向けられるべき
言葉です。

下記の記事は、本年(2008年)の一月一日に記したものです。
私の信念はこの時点から、いまにいたるまで、そしてこれからも変わりません。

「特発性側弯症治療における整体について」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/cd69807ca5b56d16ecd524984f3dba19

医学を無視し、医師の努力に泥を塗り、悩み続ける母親を騙し、そしてなによりも
こども達のいのちを商売の道具に利用している。そういう存在を私は許せません。
人を治療するということは、己を律する気持ちがなければできるものではありません。
人を治療する者とは、私は、己に正直な人であって欲しいと思います。
何が正しいことであり、何が過ちであるかを知っている人であって欲しいと思います。
それがわからない人は、人を治療しようなどと考えるべきではありません。



         こどもたちの背中を整体から守るキャンペーン
   ~ 私たちは患者を保護するために整体を規制する法制化を求めます ~

もし趣旨にご賛同いただけましたら、上記の言葉をネット上でご使用いただけます
よう、ご協力を御願いします。

(御願い:本ブログ内で使用している「整体」とは、特発性側弯症を医学的根拠を
示すことなく治療できると宣伝し、特発性側弯症という原因不明の病気で苦しんで
いる患者さんとそのご家族を「ビジネス」のために利用している一部の整体のこと
を示しています。そのような整体のために、多くの良識ある整体の方々が同列で
呼称されることは本意ではないかと思いますが、その点に関しては整体という業界
内で解決されることを期待しております。業界基準と倫理規定を持たれている
カイロプラクティックの方々は、もちろん含むものではありません)

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