オリジナル投稿:2009年9月29日
追記:2017年11月13日
(添付写真は、開胸術の状態を示しています)
前方固定(anterior approach)が脇腹を皮切して体内に侵入する方法であることを
前回の写真でお示ししましたが、ここではさらにその深部にいたる場面を示しています。
皮切写真の段階で、肋骨への処理はどうするのかを気にされた方もおられると思います。
写真をご覧いただきますとおわかりになるように、肋骨の一部を切除することで身体の
奥に至ることになります。
脊柱へのアプローチは、肺をよけて侵入していきますので、肺を傷つけるような
ことはありません。
肋骨切除は、thoracoplasty(ソラコプラスティ)と呼ばれる リブハンプrib hampの
矯正手術と同じことになります。
後方固定の場合、rib hampへの矯正が不十分であったときには、しばらく時間を
あけてから、リブハンプrib hampの矯正を目的として一部の肋骨を切除することが
ありますが、前方固定の場合は、それらを一度の手術で行えるというメリットを
有していることになります。
リブハンプrib hampとその矯正については次回の写真をご参照ください
(備考 : 近年のインスツルメンテーションの進歩により、後方固定の場合も
そのカーブの矯正力.....ねじり方向の矯正力が増加していることから、リブハンプ
の残存も昔ほどには気にならない手術成績が得られるようになってきています)
次回へと続く
☞下記の医学文献はgoogleに「Rib deformity in scoliosis」を検索するとダウンロード可能です。
これは2003年に公表されたもので、ちょっと古いのですが、リブハンプについて非常に大切なことが記載されています。
いま2017年は、当時とは手術技術に大きな進歩がありましたので、単純に当時の手術成績と比較することはできませんが、脊椎固定術を行っても、リブハンプが期待したようには減少しておらず、術後にコンプレインになるケースが米国では見られることが記載されています。この文献をダウンロードして、手術について先生と話し合われときには、患者さんの希望というものをしっかりと伝えて、先生の見通しなどと合わせて、事前に心構えをしっかりと持てることが大切と考えます。
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?
追記:2017年11月13日
(添付写真は、開胸術の状態を示しています)
前方固定(anterior approach)が脇腹を皮切して体内に侵入する方法であることを
前回の写真でお示ししましたが、ここではさらにその深部にいたる場面を示しています。
皮切写真の段階で、肋骨への処理はどうするのかを気にされた方もおられると思います。
写真をご覧いただきますとおわかりになるように、肋骨の一部を切除することで身体の
奥に至ることになります。
脊柱へのアプローチは、肺をよけて侵入していきますので、肺を傷つけるような
ことはありません。
肋骨切除は、thoracoplasty(ソラコプラスティ)と呼ばれる リブハンプrib hampの
矯正手術と同じことになります。
後方固定の場合、rib hampへの矯正が不十分であったときには、しばらく時間を
あけてから、リブハンプrib hampの矯正を目的として一部の肋骨を切除することが
ありますが、前方固定の場合は、それらを一度の手術で行えるというメリットを
有していることになります。
リブハンプrib hampとその矯正については次回の写真をご参照ください
(備考 : 近年のインスツルメンテーションの進歩により、後方固定の場合も
そのカーブの矯正力.....ねじり方向の矯正力が増加していることから、リブハンプ
の残存も昔ほどには気にならない手術成績が得られるようになってきています)
次回へと続く
☞下記の医学文献はgoogleに「Rib deformity in scoliosis」を検索するとダウンロード可能です。
これは2003年に公表されたもので、ちょっと古いのですが、リブハンプについて非常に大切なことが記載されています。
いま2017年は、当時とは手術技術に大きな進歩がありましたので、単純に当時の手術成績と比較することはできませんが、脊椎固定術を行っても、リブハンプが期待したようには減少しておらず、術後にコンプレインになるケースが米国では見られることが記載されています。この文献をダウンロードして、手術について先生と話し合われときには、患者さんの希望というものをしっかりと伝えて、先生の見通しなどと合わせて、事前に心構えをしっかりと持てることが大切と考えます。
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?