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側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

学校での側弯症検査結果の読み方について

2008-03-08 00:38:20 | 脊柱検診スクリーニング
学校検診で側わん症の疑いあり、という検査結果をもってお子さんが報告して
きたときに、お母さんがあわてないようにと考えて今回の説明を作成しています。


前年度の検診結果(参考)
1 前年度検診 異常なし  2 前年度検診 異常あり

→ 1の場合: この一年間で発症または前年は見落としたのかもしれません
→ 2の場合: 前年の検査結果を受けて専門医での診察を受けていない場合は
      今回は必ず専門医での診察が必要と思います

主カーブ 側わんの部位 胸椎~胸椎 → 胸椎カーブ            
            腰椎~腰椎 → 腰椎カーブ

二次カーブ       胸椎~腰椎 → 胸腰椎カーブ

→ これは側湾(彎)症のタイプを示しています。下記URLでX線写真でイメージを
  とらえることができます。
  http://sekitui-sokuwan.net/medical.html

→ 胸椎カーブとは、そくわん部位が胸椎(胸の部分の脊柱)だけに限局している
  状態です。
  腰椎カーブとは、同様にそくわん部位が腰椎だけに限局している状態です。
  胸腰椎カーブとは、いわゆるS字カーブ(逆S字カーブ)あるいは、ダブルカーブ
  といわれる側彎症です。

主カーブ角度  → コブ角と呼ばれ、カーブの大きさを表します
          大きければ大きいほど、症状は重篤であることを示します

二次カーブ角度 → ダブルカーブの場合で、たとえば

           主カーブ  胸椎  30度
          二次カーブ  腰椎  25度  

というような記載がされていると思います。

側わんの型(メインカーブの部位) 胸椎、胸腰椎、腰椎
→ これは上記と同じことを意味しています

[整形外科での診察結果]
1 異常の有無  □異常なし  □異常を認める

→ 異常なしの場合
  学校検診では側彎の疑いがありましたが、専門医師によるレントゲンによる
  画像診断の結果、異常のないことが確認できました。
  学校検診は、レントゲン検査ではありませんので、擬陽性(本当は病気では
  ないけど、検査では病気の疑いという結果)ということはしばしば起こりえます

→ 異常を認めるの場合 右側諸事項のチェック内容に注意が必要です

2 異常を認めた側わん症の部位、側わん度、型、種類

→ 学校検診で上段に記載された内容とほぼ同様のことがここで専門医師の診断
  結果として確定することになります。
  特に、側わん度、つまりコブ角の大きさに注意して下さい。

(1) 側わんの種別
  □ 機能性側わん
  □ 構築性側わん症 (特発性)
  □ 先天性

→ 機能性側わんにチェックがついているときは、心配はいりません。
  詳しくは、下記のブログ記事を参照ください
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/e2e6d45bc6cb15004219b176157edb4f

  先生から今後どういうことに注意したら良いかについての指導があると思い
  ますので、その指導に従って下さい。

→ 構築性 (特発性側わん症)の場合
  カーブの進行状況に応じた治療方針が先生から説明されることになります。

◇軽度側弯(30°未満)定期的に経過観察、進行を見逃さない
◇中等度側弯(30°~50°)装具による矯正治療
◇高度側弯(50°以上、胸腰椎側弯・腰椎側弯の場合は40°以上)手術療法必要
(日本側彎症学会Q&Aより引用)
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/a10c45d95c00550cbe1ba8dcb7922c9f

→ 先天性の場合
  脊柱カーブの原因も含めて、椎体自体に変形/奇形があります。その変形して
  しまった椎体等を手術により取り除かない限り、根本的な治療にはなりません
http://sokuwan.googlepages.com/%E5%85%88%E5%A4%A9%E6%80%A7%E5%81%B4%E5%BC%AF%E7%97%87

  
2 側わんの部位、側わん度、型 
→この段は、上段と同様のことについて専門医師による確定診断、という意味を
持ちます。コブ角の大きさに注意して下さい。

3 側わんに係る管理指導の内容
 □ 普通の生活を送って差し支えない
 □ 経過を観察する (  ヶ月毎)
 □ 当院において治療を行う
 □ 当院以外の専門医療機関へ紹介する

→ 機能性そくわんの場合や、コブ角10度以下のような場合には
  普通の生活を送って差し支えない、にチェックされていると思います。
  心配は不要です。

→ 経過観察する
  装具を開始するにはまだ早い、というようなカーブの大きさの場合で
  お子さんの年齢や骨成熟度などをリスクを総合的に判断して、しばらく様子を
  見てみましょう。という指導が下されます。
  この状態の場合でも、約70%は、やがて問題なし。というデータにもとづいて
  います。
  http://blog.goo.ne.jp/august03/e/851e562975eabbfbf255008d8f9b4810  

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学校検診の結果、側わん症の疑いありという結果がでたとしても、慌てる必要は
ありえません。擬陽性も含めて約7割のこどもたちは、マイルドカーブ(軽度)です
ので、経過観察をへて、自然に治ったり、それ以上のカーブ進行がなく止まって
しまうパターンとなります。
しかし、残り3割のこどもたちはカーブ進行がさらに進むことになりますので
タイミングを逃さずに装具療法を開始する必要があります。

学校検診の結果、コブ角が30度以上という場合には、できるだけ最初から側彎症
専門医師の病院にいき、専門医師の診察を受けることをお薦めいたします。
そくわん症専門医師は下記URLで知ることができます。

「全国の側彎症専門医師」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/c98b46ae8347107690bc67a459be65f9


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