語り部のアヴァンです。
先日、「闇金ウシジマくん」を見て来ました。真鍋昌平先生の原作は好きで、ほとんどを持っていたのですが、最近、買っていませんでした(冷や汗)。映画を見た後で、「公式映画原作本」をコンビニで買って、「かなり原作に忠実に描いてあるな~」と感心しました。大島優子、最初の方のシーンではかなりナチュラルメークでびっくりしたのですが、途中からどんどん魅力的なキャラクターになっていって、「さすがAKB48のセンター・オーラあるな~」とまた感心しました。
すでにお伝えしたように、この夏はテネシー州メンフィスへ出張があったのですが、最近、日本企業がどんどん進出してレストランや工場も増えているのに、いわゆる低賃金労働者にはそうした影響がおよばす、「富める人だけがより富めるようになり、貧しい人はずっと貧しいまま」という現実を見て来ました。日本も政治家が「中流家庭」を復活させるために、正規雇用社員比率を高めたり、女性の働く環境の整備をして出席率を回復させないと、近い将来、アメリカのように経済格差が固定化した社会になってしまうと危惧します。
話を戻すと、「闇金ウシジマくん」を見て、いろいろ考えることがありました。第一に、「小泉政権時代」に経済格差が拡大・固定化したかのように言う人は多いのですが、それは一面的です。実際には、『経済白書』などで調べてみると、過去35年間で日本の正規雇用比率は85%(専業主婦を除いた数字なので、世界に冠たるすばらしい数字でした)からゆるやかに現在の65%まで下がったのであって、平成になって急に下がったわけではありません。自民党政権で、正規雇用社員を非正規雇用社員に切り替えるという「疑似雇用創出」が行われていたのを、民主党が止められなかっただけです。ただし、ユニクロの柳井社長などが、優秀な人は正規雇用社員にしないと逃げられてしまうとがんばってくれている結果、ここ数年は65%前後で踏みとどまっています。
しかし、第二の問題は、30才以下に限った場合には、日本の正規雇用社員比率は約50%まで下がるために若い世代が割を食っています。彼らの二人に一人は、非正規雇用社員か、フリーターか、失業者です。自分が正規雇用者員の人も、彼らが年を取って無年金者や生活保護受給者になってしまえば、税金で彼らを救う必要がでてくるので社会的に重要な論点です。「消えた年金問題」などどうでもいいと思えるほどの、年金受給額の世代間格差があるにもかかわらず、誰も真剣に取り組まないのは、若い世代や次や次の次の世代があまりにもかわいそう・・・
最後の問題は、昔、「勝ち組と負け組」という言葉が生まれた時には、「夢をかなえた人たちと夢破れた人たち」という価値観に関する言葉だった気がします。ところが、現在では、「勝ち組と負け組」は、単なる経済格差を指す言葉になってしまいました。
「大阪維新の会」の橋下徹さんに期待するのもよいのですが、もっと政治家同士や知識人の議論を活発化して、メディアが提供する公の議論の場をふくらませて、日本の将来のヴィジョンを示せる状況にしないと、これから日本はどうなってしまうんだろうと不安です。反対するだけの一言居士ではもうダメで、日本の状況は農業でも産業でも教育でもほっておくと、どんどん劣化してしまうので「ヴィジョンとヴィジョンの闘い」、「政策と政策の闘い」が必要と感じます。例えば、アヴァンは、道州制賛成論者ですが、あまり考えずに導入すると「国と道州政府と地方の三重行政」になって現状より悪くなってしまうため、システム構築に1年、人材の割り振りに1年、古いシステムの廃止に1年と、最低3年はかかると思っています。
個人的には、「社会保障と税の一体化改革」に取り組んでいる野田佳彦首相や「みんなの党」の渡辺喜美さんをもっと評価してもよいと思います。国政選挙の度に、政党助成金目当てで離党・新党設立する政治家や、「選挙の顔」になる人という基準だけで与野党首選びが繰り返される現状には、世界中があきれはてているのに、国の内部からもっと建設的な提案が出てこないとダメだと思います。
今日は、いつもと違って真面目な話でした。
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先日、「闇金ウシジマくん」を見て来ました。真鍋昌平先生の原作は好きで、ほとんどを持っていたのですが、最近、買っていませんでした(冷や汗)。映画を見た後で、「公式映画原作本」をコンビニで買って、「かなり原作に忠実に描いてあるな~」と感心しました。大島優子、最初の方のシーンではかなりナチュラルメークでびっくりしたのですが、途中からどんどん魅力的なキャラクターになっていって、「さすがAKB48のセンター・オーラあるな~」とまた感心しました。
すでにお伝えしたように、この夏はテネシー州メンフィスへ出張があったのですが、最近、日本企業がどんどん進出してレストランや工場も増えているのに、いわゆる低賃金労働者にはそうした影響がおよばす、「富める人だけがより富めるようになり、貧しい人はずっと貧しいまま」という現実を見て来ました。日本も政治家が「中流家庭」を復活させるために、正規雇用社員比率を高めたり、女性の働く環境の整備をして出席率を回復させないと、近い将来、アメリカのように経済格差が固定化した社会になってしまうと危惧します。
話を戻すと、「闇金ウシジマくん」を見て、いろいろ考えることがありました。第一に、「小泉政権時代」に経済格差が拡大・固定化したかのように言う人は多いのですが、それは一面的です。実際には、『経済白書』などで調べてみると、過去35年間で日本の正規雇用比率は85%(専業主婦を除いた数字なので、世界に冠たるすばらしい数字でした)からゆるやかに現在の65%まで下がったのであって、平成になって急に下がったわけではありません。自民党政権で、正規雇用社員を非正規雇用社員に切り替えるという「疑似雇用創出」が行われていたのを、民主党が止められなかっただけです。ただし、ユニクロの柳井社長などが、優秀な人は正規雇用社員にしないと逃げられてしまうとがんばってくれている結果、ここ数年は65%前後で踏みとどまっています。
しかし、第二の問題は、30才以下に限った場合には、日本の正規雇用社員比率は約50%まで下がるために若い世代が割を食っています。彼らの二人に一人は、非正規雇用社員か、フリーターか、失業者です。自分が正規雇用者員の人も、彼らが年を取って無年金者や生活保護受給者になってしまえば、税金で彼らを救う必要がでてくるので社会的に重要な論点です。「消えた年金問題」などどうでもいいと思えるほどの、年金受給額の世代間格差があるにもかかわらず、誰も真剣に取り組まないのは、若い世代や次や次の次の世代があまりにもかわいそう・・・
最後の問題は、昔、「勝ち組と負け組」という言葉が生まれた時には、「夢をかなえた人たちと夢破れた人たち」という価値観に関する言葉だった気がします。ところが、現在では、「勝ち組と負け組」は、単なる経済格差を指す言葉になってしまいました。
「大阪維新の会」の橋下徹さんに期待するのもよいのですが、もっと政治家同士や知識人の議論を活発化して、メディアが提供する公の議論の場をふくらませて、日本の将来のヴィジョンを示せる状況にしないと、これから日本はどうなってしまうんだろうと不安です。反対するだけの一言居士ではもうダメで、日本の状況は農業でも産業でも教育でもほっておくと、どんどん劣化してしまうので「ヴィジョンとヴィジョンの闘い」、「政策と政策の闘い」が必要と感じます。例えば、アヴァンは、道州制賛成論者ですが、あまり考えずに導入すると「国と道州政府と地方の三重行政」になって現状より悪くなってしまうため、システム構築に1年、人材の割り振りに1年、古いシステムの廃止に1年と、最低3年はかかると思っています。
個人的には、「社会保障と税の一体化改革」に取り組んでいる野田佳彦首相や「みんなの党」の渡辺喜美さんをもっと評価してもよいと思います。国政選挙の度に、政党助成金目当てで離党・新党設立する政治家や、「選挙の顔」になる人という基準だけで与野党首選びが繰り返される現状には、世界中があきれはてているのに、国の内部からもっと建設的な提案が出てこないとダメだと思います。
今日は、いつもと違って真面目な話でした。
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