急に、
娘から
「(母校合唱部の)定期演奏会、
一緒に行こう!」
とのラインが届いた。
まぁ、なんて嬉しいこと。
弾む心で出かけた。
開演のブザーが鳴った。
部員たちが、
舞台の裾から出てきた。
わかっていた。
こうなるの、わかっていたのよ。
みんな揃って、
大きなマスク姿。
マスク姿の学生たちが、
一斉に並んだ。
練習を重ねてきた歌声が、
ホールに優しく響く。
娘が部員だった頃、
顧問の先生から、
常に、
「表情豊かに歌いなさい」と
指導を受けてきた。
優しく笑みを浮かべて、
そして、時には力強く。
そんな娘の歌う姿を見ることは、
親として、嬉しかった。
合唱部員の一員であることが、
嬉しかった。
今の部員たちの表情を
見ることは出来ない。
のびやかな歌声を出すことも、
難しい。
でもね。
みんな歌うことが
本当に好きなんだよね。
毎日、練習に励む、楽しむ。
歌いたいからとの
新入部員も少なくはないらしい。
みんなのマスクの下には、
笑顔が溢れているよね。
歌うことの喜びを
体全体で伝えてくれた。
ありがとう。