Finian Cunningham
2020年4月1日
新型コロナウイルス感染者数で、アメリカが世界最大になるにつれ、多数のアメリカ政府チャーター便が、中国からアメリカに肝要な医療機器と物資を空輸し始めた。アメリカで流行がピークに達するのは数週間以上先で、厳しい死者数が予測されている。
この人道的危機ゆえに、大規模な医療物資輸送を組織化する上で、中国は当然、アメリカに協力している。普通、それに対して、ワシントンから多少返礼があってしかるべきだと思うだろう。結局、中国は、アメリカが人権侵害だとするもののかどで制裁を課した国の一つなのだ。アメリカには、中国に対する制裁を中止して、いささかの団結と感謝を示す義務はないのだろうか?
中国だけではない。主に、ワシントンによる人権侵害非難ゆえに、約30の国と地域が、現在アメリカ制裁リスト上にある。キューバや北朝鮮やイランなどの標的に定められた国の中には、数十年間も制裁下にある。ロシアやイエメンやベネズエラなどの他の国々が、最近、このうさんくさいクラブに入れられた。
確かに、国籍にかかわらず、何百万人もの人々を脅かしている未曾有の世界的大流行の中、他者との本当の団結や深い思いやりを示す時期だ。他の国々に制裁を課すという考え自体、時代錯誤であるのみならず、全く野蛮だ。
いずれにせよ、国連安全保障理事会の負託なしで、一方的に課すアメリカ制裁は、まず確実に違法だ。コロナウイルス発生や、それに付随する病気Covid-19以前でさえ、他の国々の通商貿易を混乱させるためのアメリカ禁輸は非難されるべきものと見なせる。このような措置は、国際法や国連憲章違反の、一般人に対する集団的懲罰だと正確に判断される。
だが今、各国がウイルスによる実存的脅威と戦う中、現在のアメリカ制裁は忌まわしいものと見なせる。
イランは特に痛ましい例だ。何週間かで何千人という死者で、イランは世界で最も感染率が高い国の一つだ。それでもトランプ政権は、テヘランに対する厳しい制裁を維持するだけでなく、流行が起きて以来、実際、イランに対して更に三つの制裁を加えた。イランの死者は、アメリカ政策ゆえに増大しているのだ。
トランプ政権は身勝手にも、アメリカ制裁は、イランへの人道的援助を妨げないと主張している。この主張は軽蔑にも値しない。トランプの「最大の圧力」政策によって課された壊滅的制裁は、事実上、イランが、医薬品を含め国際金融取り引きするのを妨げているのだ。さらに、多くの国が、「第二次制裁」によるアメリカの報復への不安で、イランと事業取り引きをしないよう恫喝されているのだ。
あらゆる国のCovid-19に対する戦いを、どんな形であれ一層困難にする上で、ワシントンの手は血にまみれている。違法な制裁で、ワシントンの手は、既に血にまみれている。だが今我々が目にしているのは、世界中が苦しむ中、恥知らずに、その醜い顔を見せる、おぞましく、加虐的なアメリカ政府の奇怪な姿だ。
先週、コロナウイルス感染蔓延を避けるため電子会議で行われたG20サミットで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、この重大な時点において、制裁を中止するよう世界に呼びかけた。彼は全ての国が金融的な制約なしで、医薬品や装置を入手できるようにするのが喫緊の課題だと言った。「人々が生きるか死ぬかの問題だ」と彼は付け加えた。
制裁を止めるようにというプーチン大統領の呼びかけは、アントニオ・グテーレス国連事務総長や習近平中国国家主席を含め、他の世界の首脳に支持された。
だが結局、G20最終共同声明には、制裁に関する、いかなる満場一致の言及もなかった。世界最大の連続的な制裁乱用国アメリカが、このような金融弾圧措置を阻止する、いかなる動きも排除すべく、舞台裏で手を回していたのではあるまいか。驚くほどのことではないが、金融による強要策(はっきり言えば「テロ行為」)は、他国に対する軍事的恫喝と同様、アメリカ外交政策にとって有用な武器なのだ。
代わりに、G20会議が発表したのは、気の抜けた不誠実な語り口の共同声明だった。
それは、こう述べている。「この世界的大流行に対処するため、これまで以上に、世界的行動や団結や国際協力が必要だ。我々は、しっかり協力して、これを克服できると確信している。我々は人命を守り、世界的な経済的安定を復活させ、強い、持続可能な、バランスがとれた包括的な成長のためのしっかりした基礎を据えるのだ。」
最貧最弱な国々が命を救う必需品を入手するのをワシントンが拒否し続ける中「世界の団結」や「人命を守るため、しっかり協力する」というのは、一体どのような現実的な是正措置を意味するのだろう?
ワシントンに何らかの思いやりや道義があれば、共通の人間性を認めて、即座に、他の国々に対する全ての制裁を取り消しているはずだ。だがワシントンの無情さは、危機や死においてさえ揺るがないのだ。それは、思い上がりと偽善が恐るべき規模の、アメリカの独善に基づいている。
アメリカ支配階級に固有の、この犯罪的精神構造には、ある種自然の「懲らしめ」が加えられるはずだ。同胞の人類への組織的悪業に対する懲らしめは軽いものでは済むまい。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/04/01/sick-and-sadistic-world-fights-covid-19-amid-us-sanctions/
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『アメリカの制裁外交』を読み始めた。ファーウェイの話から始まる。
昔竹槍、今マスク。感染者が、より多くの人に感染させない程度の効果はあるだろう。個人的に、さけられない外出時には、咳をして、人さまに、いやがられないよう、マスクをしてはいる。
植草一秀の『知られざる真実』
国民守る意思と能力がない布製マスク内閣
LITERA
三浦瑠麗、高須克弥…「布マスク2枚」を擁護する安倍応援団はもはや精神論だのみ! SNSではネトウヨが浦沢直樹攻撃
腐っても大国?
在日アメリカ大使館「日本はウイルスの検査を広く実施せず、感染状況の把握が難しくなっている」と指摘した。一時的に日本に滞在しているアメリカ人に対して「とどまるつもりがなければ、直ちに帰国の準備をすべきだ」と呼び掛けた。
日刊IWJガイドは、こう指摘している。
この「警報」の中で、特に問題なのは、日本政府がコロナ感染を「広く検査しない」と「決定」したとしている点です。
これまでも、日本の検査数が少ないことは国内外から大きな批判を浴びており、安倍総理も記者会見で「確かに少ない」と回答。批判に対して、厚生労働省は「検査能力を増やす」と言い続けてきました。検査数を抑えると「決定」したことは、少なくとも「表向き」にはないはずです。
にもかかわらず、米国大使館の「警報」は、日本政府の「表向き」の宣伝とは、完全に正反対の「事実」を語っています。たしかに「検査能力」と「検査数」は違います。「検査数」はほとんど増えていません。日本政府の誰が、いつ、検査数を抑えると「決定」し、米国に伝えたのでしょうか? それが事実であるなら、その「決定」はなぜ、日本国内では報道されないのでしょうか? 事実に反するなら、日本政府は米国大使館に抗議し、訂正を求めないのでしょうか?
2020年3月31日
ケイトリン・ジョンストン
コロナウイルス・ニセ情報は、現在ホットな話題で、ウイルスに関する正しくない情報を検閲するため、ソーシャル・メディアへの圧力が高まり、世界的大流行に関するウソの流布による脅威について、主流マスコミが毎日緊急警告をがなり立てている。
「コロナウイルスは地球中を実に素早くかけ巡っているが、病原体に関連した、どうやらロシアに由来するソーシャル・メディアの妖術やプロパガンダの目もくらむような雪崩にはかなわない」とワシントン・ポスト編集委員会が警告している。「いつも通り、欧米との関係になると、モスクワの主要通貨はニセ情報で、彼らはそれを気前よく使う。」
これは、イラク政府が大量虐殺兵器を保有しているという「反駁できない」証拠をブッシュ政権が提示していると、我々に偽って保証した同じワシントン・ポストなのだ。冬の間、暖房を断絶するため、ロシア人ハッカーが、アメリカ配電網に侵入したと我々に偽って保証し、「ロシア・プロパガンダ」とされる匿名インターネットあらし連中が編集した代替メディアの赤狩りマッカーシー・ブラックリストを流布したワシントン・ポストだ。唯一の所有者が文字通りCIA請負業者であるワシントン・ポストは、アメリカ諜報界について報じる時は、標準的なジャーナリズムの慣習に従って、決してこの恥知らずな利害の衝突を公表しない。
もしワシントン・ポストのようなメディアが、非常に重要な問題について、常に読者をだますのではなく、信頼できる情報源として評判を強固にする、もっと良い仕事をしていれば、人々は「ソーシャル・メディアの妖術の目がくらむほどの雪崩」(やWeb魔法やインターネット呪文や電子魔法やネット降霊術)を信じる代わりに彼らを信じるだろう。
奇妙に、これは、まさにアメリカが、アメリカを世界最大の大企業の犠牲地域に変えた、自身の見るも無残な失敗から目をそらすため、中国やイランやベネズエラやキューバにしているのだ。https://t.co/yIXGZoZp9L
- アビー・マーティン(@AbbyMartin) 2020年3月28日
選挙という選挙、戦争という戦争で、現状維持の言説で、人々にウソを売り込んでいる主流マスコミによる、コロナウイルス・ニセ情報や誤報に関する緊急警告を目にしている。
かつて我々に「来るべきイラクへの侵略は深遠な徳行行為として記憶される」と保証したジェフリー・ゴールドバーグが編集長で、花形筆者がデイビッド「悪の枢軸」フラムである雑誌アトランティックの見出しは「コロナウイルス誤報と戦う方法は、これだ」とある。
「中国とロシアは、コロナウイルス発生を、世界的大流行との彼らの闘いに対する国民の批判に言及するかわりに、アメリカと、そのウイルス対策を中傷しようとするニセ情報キャンペーンのために最大限利用している」とイラク侵略への支持を作り出すニセ情報キャンペーンで主導的役割を果たし(悪名高いウソの「17の諜報機関」主張の撤回を含め)狂気のロシア・ヒステリーを積極的に推進したニューヨーク・タイムズが警告している。
だから、人々が疑念を抱いて、答えを代替情報源に求めているのは理解できる。このウイルスの危険について、人々に警告し、普通の人々の生活に対する巨大な影響を与える大規模な未曾有の変化を擁護しているマスコミは、非常に重要なことについてウソをつく、十分裏付けされた広範な実績がある。人々は自分なりに、多かれ少なかれ、これに気付いており、あらゆる札付き連中が不快なほど見慣れた手口で振る舞っても効果はない。
「この世界的大流行は、9/11事件よりずっと重大なものだろう。おそらく既にそうなのだ。人々は依然、これが終わりさえすれば、元々そうだったものに戻るだろうと感じ、考えているので、人々はそれが理解できない。そうはゆくまい」と極めて影響力のあるシンクタンク、アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)の開祖だったビル・クリストルが、やはり発行人であるThe Bullwalkが言っている。PNACは周知の通り、9/11攻撃一年前に、当時彼らが推進していた米軍干渉の世界的大規模増加は「新しい真珠湾攻撃のような破滅的、触媒的な出来事」なしでは不可能だと主張した。それが全て、まるで魔法のように起きた。
「この世界的大流行は、9/11事件よりずっと重大なものだろう。おそらく既にそうなのだ。人々は依然、これが終わりさえすれば、元々そうだったものに戻るだろうと感じ、考えているので、人々はそれが理解できない。そうはゆくまい。」https://t.co/WzorDyXIYR
- Bill Kristol (@BillKristol) 2020年3月30日
私は個人的には、国がしている重要な予防措置の多くを正当化するのに、このウイルスは十分危険だという沢山の証拠があると考えている(もちろん我々は、政府が独裁主義へと踏み越むのに反対し、警戒を怠らないようにする必要がある)。統計はまだ非常にぼんやりしていて当てにならないが、蔓延の酷い地域から殺到している一般医療職員による証言の山は、私が、我々が集団的に抜本策をとらなければ、このウイルスは極めて容易に、アメリカ医療制度を圧倒しかねないと信じる十分な事例証拠になっている。
とは言え、私は、ウイルスの脅威が大いに誇張されていると信じる人々を非難できない。私が彼らが正しいと思うからではなく、常にウソをついてきた、まさにその政治/メディア階級に語られることを信じない国民を非難できないからだ。主流報道機関よりも、陰謀論的言説や誤ったフェースブック記事や右翼評論家や大統領を信じているのは、一般庶民大衆の過失ではない。それは主流報道機関自身の過失だ。
私は最近Covid-19に対する私の比較的普通な姿勢のため、陰謀サークルで多くの非難を浴びているが、それは彼らの過失ではないので、私は本当にそれを個人的に受け取ることができない。全員が独自に、ある話題について、様々な情報をくまなく調べ、何が起こっているか明快な理解をまとめる時間と資源を持っているわけではない。それは報道機関の仕事のはずなのだが、彼らが何度も仕事を怠ったために、彼らには、彼らが報じていることを信じるよう、人々に要求する信頼性に欠けている。
だから私は、本当に起こっていることに疑いを表明する人々を、やかましく非難する悪魔化には決して加わらない。彼らが大いに実に楽しんでいるように思われるので、主流連中にまかせよう。私自身は、エセ情報が容易に信じられる理由は、主流マスコミに対するトランプの批判が実に容易に信じられるのと同じであることを指摘し続けたい。彼らは、連中のたわごとの評判をしっかり確立したのだ。
世界が今のような状態になっている理由は、メディアを支配する階級によって、絶対に正気でない現状を普通と認めるよう、人々が操られているからだ。それが、それほど多くの人々が、ごく僅かしか持たず、ごく僅かな人々が、実に多くを持っており、金持ちで、有力な連中しか恩恵を受けない軍の拡張や戦争に、何兆ドルもが注ぎ、更に何人かの百万長者を、億万長者にするための環境破壊や、地球上で最も権力がある公職を目指して、頭がおかしな右翼の人種差別戦争屋が、もう一人の頭がおかしな右翼の人種差別的戦争屋に対抗して立候補することを、理にかなっていると信じている唯一の理由だ。
たまには大きなウソもあるが、我々の正気でない現状を当たり前のものにする、これら小さなウソは日常茶飯事だ。全員が、ある程度、我々の社会が狂っていて、劇的に変わる必要があるのを、どんなにぼんやりとであれ知っており、「権威ある」言説製造者から毎日受け取るメッセージとは逆なのを知っているのだ。事態が更にばかげれば、この認識も必然的に更に増し、所有者が彼らの王国を築いた現状維持が唯一の目的である、億万長者メディアを、益々少数の人々しか信頼しなくなるだろう。
人々を疑い深くさせながら、人々を疑い深いとは非難できない。今、ニセ情報について最も大声で金切り声を上げている人々は、それに対して最も責任がある人々だ。
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