イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が28日水曜朝、ローハーニー現大統領と第12期政権の閣僚メンバーとの最後の会談で、同国に対するアメリカの敵対行為の目的に触れ、これに関する重要な点を指摘しました。
ハーメネイー師は「現政権においては、西側への信頼が無意味であり、助けにもならず、どこでも可能な限り攻撃を加えてくるであろうこと、そしてどこかで攻撃してこなくとも、それは攻撃できないからであることが判明した」と語っています。
また、最近のオーストリア・ウィーン協議にも言及し、外交官の努力とこれらの会談での彼らのいくつかの良い業績に満足を表明し、「これらの交渉では、アメリカは自らの立場に固執し、一歩も踏み出さなかった。アメリカ人は言葉では制裁を解除すると約束したが、それをせず、規定しながら実施しなかった。またいくつかの問題については、後で説明する、そうしないと合意が得られない、などと言っている」としました。
また、最近のオーストリア・ウィーン協議にも言及し、「アメリカ人は言葉と口約束では制裁を解除すると言っているが、実際にそうしたことはなく、これからもない。しかも条件すらつけ、一部のテーマについては今後話し合われるという一文を合意に追加しろ、さもなくば合意は成立しないと迫る」と述べました。
さらに、「この文言を追加することにより、彼らは核合意の原則とミサイル・地域の問題に対するその後の介入の言い訳を作りたいと考えている」と述べています。
アメリカを信じないとするイランの見解は、単なるスローガンではなく、過去の経験、アメリカの現在の行動、そして同国の覇権主義的な目的の現実的な分析に基づくものです。核合意が当初の目的に達することができなかったというのは、現実にもとづいた話であり、その理由もまた明らかです。
米国および、フランスを含むいくつかのヨーロッパ諸国の行動は、今や核問題の範疇を超えており、イランの防衛にまで及んでいます。このアプローチは介入を意味しますが、その思惑はイランを内部から弱体化させることにあります。
ハーメネイー師はこれに先立ち、5年前にもある演説においてこの問題に深い鑑識眼を示し、次のように述べています。
「我々にとっての模範や経験となったのは核合意である。まさにこの合意において、相手側は見た目は約束し、柔らかく温厚な言葉で物を語るが、実際には共謀・破壊し、物事の進行を妨害している」
この点で重要な問題は、米国が交渉する必要性は何か、そして、なぜ彼らがそれに固執するのかということです。
イランに対抗する米国政府の究極の目標は、イランのイスラム共和制を再び支配すること以外になく、また今後もそれが変わることがないのは明らかです。
イランの政治評論家エナーディ氏は、アメリカの思惑を分析する中で、次のように述べています。
「1980年以来イランに対する議会承認の制裁行使を続けてきた米国は、人権侵害やイランのテロ支援疑惑を口実に、CAATSA対イラン新制裁法などの新しい政策を用いて、新しい方法で二次制裁を実際に・継続強化している」
これまでの経験が示しているのは、イランが様々な折における対米交渉で弊害を受けてきたということです。
この観点から、ハーメネイー師の言葉は、実際には次期政権が核合意とウィーン協議を客観的に捉える指標と尺度だといえます。それは、イランが空の約束に振り回されてその時間とエネルギーをいつまでも浪費するつもりはないからです。イランの現在と未来にとって重要なことは、特に国家の経済部門における国内能力の活用です。
明らかに、米国政府は、さまざまなシナリオと計画でイランを屈服させるために全力を挙げていますが、米国の行動と核合意での得られた経験・知識からして、アメリカにそのようなチャンスがめぐってこないであろうことに疑いの余地はありません。
ブリンケン米国務長官は最近、米上院委員会に提出した報告において、「アメリカとイランが核合意に戻ったとしても、イランに対する数百もの米国の制裁措置が引き続き実施されだろう」との予測を示しています。
事実上、以前のこれまでの約束不履行や公約違反を考えると、米国に対するイランの不信感はきわめて根深いというべきでしょう。ハーメネイー師が指摘したように、米国は現状においても自らの約束に違反することに躊躇しておらず、これは次期政権や入閣する政治家、そしてすべての政治活動家にとって極めて重要な1つの経験だと言えるのです。
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