包丁 キラッ！

今でこそ、

週一回決めて研ぐ包丁

 

 

以前は毎月自転車に乗ってやってくるおじさん

「包丁研ぎのおじさん」に任せていた

 

ニコニコすると前歯が一本欠けていて愛嬌のあるおじさんです

おじさんの要望は
バケツにいっぱいのお水と、
「研ぎ報酬」をそれなりに。

あたしは手持ちの何本かを渡して研いでいただく。

 

見ていると手のひらをお皿にして数回分のお水を研ぎ石にたらし
満遍なく水分を行き渡せる　
手で研ぎ石を可愛くなでてから、やおら包丁を滑らせます
ガーシガーシガーシ、お水をかけてもう一度
ガーシガーシガーシ、刃の部分をなでなでして　もう一度
ガーシガーシガーシ、向きを変えて　もう一度
ガーシガーシガーシ、行きか帰りかどちらかに力を込めている
その後、刃を天に向けて光り具合？を確認する
それを繰り返し
１本に付き、１０分程で完了　試し切りをする
バシッ、スーと新聞紙を切り裂く　

ギョッとする出来栄え　素晴らしい・・・がっ、コワイっ！

真剣な顔つきしてるぅ

 

真夏のある日のことだった
炎天下の中ペダルをこいで来てハァハァしていた
いつものように、うずくまって構えた
その時汗でシャツが身体にへばりついたのだ
ん？くたびれたＹシャツ？？模様？
ち、違う　本物だわ　
じろじろ見るわけにはいかない・・・・
それでも気になる・・チラ・・チラッ・・・と盗み見る　こわっ！
体中にあるよ　すごい映画みたい

気になるし口数も少なくなりそう・・・ニコニコしてごまかす
そういえば　いつも長袖だったね・・・と胸の内

 

あれから、二度と顔を見せないおじさん

ごめんね　あたし気にしてないよ、
誰にも言ってないよ
きっと、内緒だもんね・・・・・

今頃、どこかで包丁を研いでいるのかなぁ・・・・
おじさん　又来てね

 

　　←やはりプロが研ぐのは違いますぅ
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☆　包丁研ぎも又楽しからずや