先月にこのブログで紹介した、へンデルの「オラトリオ《メサイア》(1742年ダブリン初演版)」(LINN CKD 285(2CDs))(ジョン・バット指揮、ダンディン・コンソート&プレーヤーズ)を聴いてから急にヘンデルへの興味が沸いてきました。昔からメサイヤは何度も聴いていたのに、特別興味が沸かなかったのですが、このCDをきっかけにヘンデルに目覚めたというか、良さがだんだん分かって来たのか、色々聴きたくなってきました(今頃になって、ちょっと遅いのですが....)。このメサイヤのCDは何回聴いても飽きがきません。いまだに景気付けに仕事が終わったら時々聞いています。そこで、以前に買っていた、「ヘンデル・オラトリオ《サウル》」(NAXOS 8.554361-63(3CDs))(指揮:ヨアヒム・カルロス・マルティニ、ユンゲ・カルトライ フランクフルト・バロック管弦楽団)(オリジナル楽器使用)を棚から探し出して再び聴いてみました。今回、聴き直して見ると、いかにもヘンデルらしく、以前より断然魅力的な曲に思いました。メサイヤの姉妹版というような感じで、第5曲のハレルヤ、第77曲の葬送行進曲、その他のすべてのシンフォニア、どれをとってもなかなか聴き応えがあります。今までヘンデルの祝祭的雰囲気はあまり好みではなかったのですが、彼の曲のスケールの大きさや、荘厳さの中にもそこはかとない明るさが漂っている所は、やはり魅力的で、また聴衆を意識したエンターテイメント的な所もあり、楽しく聴けます。また、色々なオラトリオを聴いてみようと思い始めています。
五月の連休はいつもながら毎年忙しくて、仕事で普段出来なかったことをまとめてするため、家に殆どこもりっきりで、徹夜状態でした。ヘルペスも出来て、あ~、疲れました。ちょっと体調も落ち着いてきたので、ブログ再開です。
ここ2週間位はヘンデルを久しぶりに集中して聞いてみました。というのも、一番左のCDの、「オラトリオ《メサイア》(1742年ダブリン初演版)」(LINN CKD 285(2CDs))(ジョン・バット指揮、ダンディン・コンソート&プレーヤーズ)(録音:2006年5月1日-4日)(グレーフライアーズ教会(エジンバラ))の演奏を聴いたからです(世界初録音)。兎に角、あまりにも素晴らしいの一言です。これほど感動的なメサイアを聞いたことがありません。贅肉を切り落とした、シャープで繊細かつ迫力のある演奏です。英語の解説ではっきり分からない所があるのですが、メサイアは10個くらい異なるバージョン(ten versions)があるようです。ヘンデルはメサイアを特定の声楽家(specific performers)を意識して作曲したのではなく、それぞれのプロダクション(each producion)の為に準備(prepare)されたようで、俳優さんによっては調を替えていたようです。もう数回、全曲繰り返して聴いてしまいました。聴いたときに、あまり感動しなかった真中のCD、「メサイア」(DHM:BVCD 34030~31)(アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス)(録音:2004年12月17日-21日)(ウィーン、ムジークフェラインザールでのライブ・レコーディング)を、この演奏と比較するために、もう一度棚から引っ張り出して聞き直してみたら、その差は歴然でした。その時には気づかなかったのですが、アーノンクールの演奏があまりにも気合が入っていないというか(良く言えば自然体なのでしょうが...)、緊張感が感じられないのです。レコ芸では評価が高かったように記憶しているのですが、その理由が良く分かりません......。
最近、スペインのGLOSSAレーベルのCDが多く出ていますが、右のCD、「水上の音楽&王宮の花火の音楽(Water Music & Fireworks)」(演奏:エルヴェ・ニケ指揮、コンセール・スピリチュエル)(録音:2002年9月、メッツ・アーセナル(フランス)でのライヴ)も良かったです。
今夜は久しぶりにヘンデルの「メサイア」を聞いて見ました。これはクレンペラー指揮のCD(TOCE 59100-1)でゆったりとした壮大な演奏です。今さら説明するまでもなく、第二部・第20曲の「ハレルヤ・コーラス」はさすがに名曲で、聞くとやはり元気がでます。さすがのバッハも、この明るくて、快活で、胸がすく、しかも壮大なイメージは出せないのではないかと思います。私の出身中学校はコーラスで全国的に有名な学校だったので、いつも学期末にはクラス対抗の合唱コンクールがありました。何か良く分からない曲をいつも歌わされたいたような記憶があるのですが、今になって考えればいい経験だったと感謝しています。今はコーラスとは無縁で、人前で歌うなんて恥ずかしくてとんでもない...などと思っておりますが、実は卒業式に、この「ハレルヤ・コーラス」のテノールのパートを歌い、ソノシート(もう今では化石物ですが.....)に録音までしてあります(卒業式の記念品になりました)。未だまだ暗譜しており、音楽を聴きながら口をついて歌詞が出てくるのが不思議です。今後も一生忘れない曲の一つです。