本物に陥れられ、二十面相として捕まってしまう主人公の曲芸師。自分が二十面相ではないことを証明するために、二十面相の技を次々とマスターしていく。名探偵明智小五郎とその婚約者の葉子が絡みながら、やがて対決の時がくる……
正直言えば、そう期待していたわけではなかった。が、金城武くんのサーカス曲芸師の、ちょっととぼけた感じがキュート 結構ひどい目にも遭いながらも、お気楽すぎず、深刻すぎず。巻き込まれて人生が変わっていくのに、力が入りすぎない前向きさなので、スーッと物語に入っていけた。
一番気に入ったのは、相棒となってちょこちょこ面白い技を繰り出してくる國村隼さん 泥棒長屋を束ねるリーダーシップがあって、高島礼子という元詐欺師の美人妻もゲット。頼りがいがあって時に愛嬌がある。こういう役、とっても似合います。
松たか子さんの「お姫様」も当たり。世間知らずで、上品で、けれど時に大胆すぎなのが、何とも微笑ましく魅力的。
ストーリーは、なるほど、というわかりやすい作りで、細々と笑えるし、最後のオチまでかなり楽しめた。格闘シーンや飛行シーンなど、スピーディで、まるでアニメを見ているようだった。今は実写でこれだけできるのね(*^_^*)。
ただ、架空の歴史をたどった日本における「格差社会」を、今の日本とだぶらせたかったのだろうけれど、今ひとつ響いてこなかった。あまりストーリーの進行に関係なかったような気がするので、もう少しかんでいたらなあ、と残念に思った。