亡くなったというニュースを聞いてから、相当な時間呆けていたと思う。数日が経った今でもそうだ。それほどに好きな役者さんだった。
そうは言っても、「復讐するは我にあり」「楢山節考」「砂の器」「太閤記」などの、緒形さんの代表と言われる作品は見ていない。
それでも、一体どのくらいたくさんの作品で緒形さんを見たかわからない。代表作としてあげられていないものでも、惹きつけられるのに充分な魅力がいっぱいだった。
例えば大河ドラマなら長い一年の間、中だるみするような時期に「でも緒形拳が出てるから見よう」と思ったりしたものだ。主役でも脇役でも、緒形さんの存在感はキリリとドラマをしめ、面白くしていたと思う。どうしたって目がいかずにはいられなかった。
切れすぎて怖い武将役でも、昼行灯な家老でも、浮気性な父親でも、一風変わった政治家でも、非情な医者でも、力の抜けた上司でも、オッサンになっても、おじいちゃんになっても、愛嬌があった。何だか憎めなくて、かわいげがあって、人懐こい笑顔がとても素敵だった。
残念です。ご冥福を祈ります。
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