ルーサー・グロヴナー Luther James Grosvenor
【別名】
アリエル・ベンダー/Ariel Bender
【パート】
ギター、ヴォーカル
【生没年月日】
1946年12月23日~
【出生地】
イングランド ウースターシャー州イヴシャム
【経 歴】
ディープ・フィーリング/Deep Feeling(1966~1967)
The V.I.P.'s(1967)
アート(1967)
スプーキー・トゥース/Spooky Tooth(1967~1970)
スティーラーズ・ホイール/Stealers Wheel(1973)
モット・ザ・フープル/Mott The Hoople(1973~1974)
ウィドウメイカー/Widowmaker(1975~1977)
ヴァーデン & ルーサー/Verden & Luther(1978)
スプーキー・トゥース/Spooky Tooth(1998~1999)
アリエル・ベンダー・バンド/Ariel Bender Band(2005~)
イギリスのギタリスト。
スプーキー・トゥースの創設メンバー。
1960年代後半から1970年代前半にかけては、イギリスの人気ギタリストのひとりに数えられていた。
モット・ザ・フープルとウィドウメイカーでは「アリエル・ベンダー」の名で活動している。
イングランドのウースターシャー州イヴシャムで生まれる。
1960年代中頃、イヴシャム地方に「ザ・ヘリオンズ」(The Hellions)というローカル・バンドがあった。ヘリオンズにはジム・キャパルディ(drums, vocal)やデイヴ・メイスン(guitar)が在籍していた。
1966年、ヘリオンズは「ザ・レヴォリューション」(The Revolution)と改名する。その年、グロヴナーはデイヴ・メイスンの後任としてザ・レヴォリューションに加入。
ザ・レヴォリューションはグロヴナーの加入に伴い、「ディープ・フィーリング」(Deep Feeling)と名を改めるが、キャパルディはスティーヴ・ウインウッドらと「トラフィック」(Traffic)を結成するため、翌67年4月にディープ・フィーリングを脱退する。
これによりディープ・フィーリングは解散を余儀なくされるが、グロヴナーはすぐに同じマネージメントの「The V.I.P.'s」にフランク・ケニオンの後釜として加入。
The V.I.P.'sは間もなく「アート」と改名し、その後ゲイリー・ライト(keyboard, vocal)が加わって、同年秋に「スプーキー・トゥース」として再始動する。スプーキー・トゥースの創設時のメンバーは、グロヴナーのほか、マイク・ハリスン(vocal, keyboard)、ゲイリー・ライト(vocal, keyboard)、グレッグ・リドリー(bass)、マイク・ケリー(drums)である。
スプーキー・トゥースはブルース・ロックをベースに、アメリカン・ロックのエッセンスを積極的に取り入れているが、グロヴナーのギターはそのスプーキー・サウンドにマッチしていると言える。セカンド・アルバムにして名盤との評価を得ている『スプーキー・トゥー』に収録されている『イヴィル・ウーマン』におけるグロヴナーのソロは、ブルージーかつヘヴィそのもので、ハード・ロック萌芽期における出色のギター・ソロである。
Luther Grosvenor 1969(Spooky Tooth)
1970年に入ると、スプーキー・トゥースの内部はマイク・ハリスンとゲイリー・ライトの対立など、不協和音が目立つようになる。同年7月に4枚目のアルバム『ザ・ラスト・パフ』を発表したものの、秋に行なったツアーを最後に解散した。
解散後のグロヴナーはスペインに渡り、スプーキー・トゥースでのバンドメイトであるマイク・ケリーや、ディープ・フィーリング時代のバンドメイト、ジム・キャパルディなどを起用して、1971年10月にファースト・ソロ・アルバム『Unde Open Sky』を発表する。
1973年2月にはジェリー・ラファティ(Gerry Rafferty guitar)の後任として「スティーラーズ・ホイール」に参加したが、同年7月まで在籍したのち脱退した。
1973年、「バッド・カンパニー」を結成するために脱退したミック・ラルフスの後任として「モット・ザ・フープル」に加わる。この時、まだアイランド・レコードとの契約が残っていたため、アリエル・ベンダー(Ariel Bender)という変名で活動することになった。
この「アリエル・ベンダー」というのは、モット・ザ・フープルが歌手のリンジー・デ・ポールとともにテレビ番組出演のためドイツに行ったとき、当時のギタリストのミック・ラルフスが歩きながら道端の車のアンテナを次々と曲げていったのを見たデ・ポールが口にした言葉「Aerial Bender」(アンテナを曲げる奴)である。これをイアン・ハンターが覚えており、変名としてグロヴナーに提案した。
モット・ザ・フープルでは1974年のアルバム『ロックンロール黄金時代』の制作に加わったが、同年9月に脱退。
グロヴナー(ベンダー)は派手なステージ・アクションがトレード・マークであったが、モット・ザ・フープルでは、フロントに立つイアン・ハンターが、自分より目立つグロヴナーのアクションをいやがっていたという。
Luther Grosvenor 1974(Mott The Hoople)
1975年、スティーヴ・エリス(vocal 元ラヴ・アフェア)、ヒュー・ロイド=ラングトン(guitar 元ホークウインド)、ボブ・デイズリー(bass 元チキン・シャック)、ポール・ニコルス(drums 元リンディスファーン)とともにハード・ロック・バンド「ウィドウメイカー」(Widowmaker)を結成、翌76年にデビュー・アルバムを発表する。
ロック界でのキャリアを持つミュージシャンが集まったため、ウィドウメイカーはスーパーグループとして期待されたが、2枚のアルバムを残して解散した。
1978年には「ヴァーデン & ルーサー」のユニットでシングル「On the Rebound」をリリースしたが、その後グロヴナーは音楽界の表舞台から姿を消す。
Luther Grosvenor 1977(Widowmaker)
1996年、20年近い沈黙を破って、ジム・キャパルディ(chorus)、ジェス・ローデン(vocal)、マイク・ケリー(drums)、デイヴ・ムーア(keyboard)、ミック・ドラン(guitar)、スティーヴ・ドラン(bass)らを迎え、スティーヴ・ウインウッドの所有するスタジオで制作した久々のソロ・アルバム『Floodgates』を発表。
1998年には、ゲイリー・ライトを除く4人のオリジナル・メンバー(グロヴナー、マイク・ハリソン、グレッグ・リドリー、マイク・ケリー)でスプーキー・トゥースが再結成され、25年ぶりにニュー・アルバム『Cross Purpose』を発表した。
再結成ライヴは、2001年に『Live In Europe』としてリリースされている。
2005年、アリエル・ベンダー・バンドを結成。このバンドは不定期に活動している。
2007年と2008年は、「アリエル・ベンダーズ・モット・ザ・フープル」の名でライブを行い、モット・ザ・フープルとスプーキートゥースの曲を演奏した。
2018年、イアン・ハンター(vocal)、モーガン・フィッシャー(keyboard)とともにモット・ザ・フープルを再結成し、6月23日にスペインで開催された「アズケナ・ロック・フェスティヴァル」に出演。6月30日にはイギリスの音楽フェスティヴァル「ランブリン・マン・フェア」にヘッドライナーとして出演している。
2019年4月にも同じメンバーで集結したが、これはモット・ザ・フープルが1974年に行なったアメリカ・ツアーの45周年を記念したものである。彼らは45年ぶりにアメリカ・ツアー(8公演)を行ったのち、次いで6公演のイギリス・ツアーを行った。この年10~11月にも「モット・ザ・フープル '74」としてツアーを予定していたが、これはイアン・ハンターの体調不良によってキャンセルされた。
【ディスコグラフィ】
<アート>
1967年 Supernatural Fairy Tales
<スプーキー・トゥース>
1968年 イッツ・オール・アバウト/It's All About a Roundabout
1969年 スプーキー・トゥー/Spooky Two(アメリカ44位)
1970年 セレモニー/Ceremony *with Pierre Henry(アメリカ92位)
1970年 ザ・ラスト・パフ/The Last Puff(アメリカ84位)
1999年 Cross Purpose
2001年 Live in Europe
<モット・ザ・フープル>
1974年 ロックンロール黄金時代/The Hoople(アメリカ28位、イギリス11位)
1974年 華麗なる煽動者~モット・ライブ/Mott The Hoople Live(アメリカ23位、イギリス32位)
<ウィドウメイカー>
1976年 Widowmaker
1977年 Too Late to Cry
<ソロ・アルバム>
1971年 アンダー・オープン・スカイズ/Under Open Skies
1996年 Floodgates
2011年 If You Dare
<ソロ・シングル>
1971年 Here Comes the Queen
1971年 Heavy Day
1972年 All the People
1978年 On the Rebound(※Verden & Luther)
<参加アルバム>
1968年 Featuring the Human Host & The Heavey Metal Kids(Hapshash & The Coloured Coat)
1969年 Thinking Back(Gordon Jackson)
1972年 Smokestack Lightning(Mike Harrison)
1995年 Peter Green Song Book-First Part
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