(山本文緒著)
★★★(ベアの満足度)
著者が31歳からの十年間のエッセイをまとめたもの。
その期間に、離婚、再婚、直木賞受賞。
日常のこともあれば、本の紹介もある。
直木賞受賞後のエッセイは、
作文に対する想いを感じた。
ご友人が多そうであるが、ひとりの時間を愛する
著者の生活をかいま見れ、
ひとりの時間もありでいいんだと
なぜかほっとする。
人と群れていると安心するけど、
そればかりでは、気持ちが少し疲れてしまう。
でも、空白のスケジュール帳や
メールの受信が全然ないと
こんな風にひとりぼっちなのは
私だけかもという強迫観念。
ひとり時間に罪悪感をもつ気持ちが薄らいだ。
たまに、鋭く心に切り込ん来る文章。
気持ちにひっかかる文章というのが、名文なのだろう。
私は彼女の小説も好きです。
立て前と本音は、カーテンと押し入れ。
そのたとえに深くうなずいた。
私はきっちりとカーテンをしめて、
押し入れを開けていることが多いのかもしれない。
本音も気づいてしまうと、辛いことが多いのだよ。
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