ベリーダンサーASYA ☆ オフィシャルブログ

レバノンを拠点に、アラブ諸国を股にかけた過去を持つベリーダンサーASYA(アシア)の今と昔の奮闘日記

不思議なおじさん

2009-02-26 03:00:13 | Weblog

私の給与は、実はドル払い。しかも現金。

ここ最近はドルの価値がちょっとは戻ってきたようだけれど、ドルが低迷していたとき、日本円に換算すると私の給与って何でここまで変動するの?と言うくらい一時はどうなることかと思ったもの。

さて、この給与、一般会計係に自ら取りに行かなければいけない。ちなみにいつも支払いはずれ込み、ついこの間12月分の給与をもらったりも。全く。困ったもんだ・・・。

レセプションのあるホテルの建物の入り口ををセンターに、ホテルの中の一階部分右手側は、売店やフィットネスクラブがあったり、銀行や香水屋さん、美容室やパソコンが常備してあるビジネスセンターなどがある。ここに来た当初は、よくビジネスセンターの女の子に話し相手になってもらったりと、お世話になったもの。さてこれらのお店や部屋のまた先に、今度はオフィスの部屋が連なる一角がある。そしてその中のいくつかの部屋は、ファイナンスデパートメントにあてがわれていて、一般会計もその部屋のひとつに当たる。

さて、今日は不思議なおじさんの話。なんでこんなに前置きが長かったかって?それはこのおじさんをいつも建物のこちら側で見つけるから。実はおじさん、仕事の内容は知らないけれど、ファイナンスデパートメントに所属しているよう。

ラシッドという名前のこのおじさん、実はもう随分前から私を見かけると話かけてくるのが日課となってしまったよう。果たしてそれは私がオリエンタルダンサーだということを知っているからなのか、知らないのか、それは未だに謎なのだけど。

例え私の姿を認識したのがとーーーーーーっても遠くだったとしても、私が近くに来るまでずっと待っていて、挨拶をしてくれる。両手で私の手をやさしく取り、しわしわの真顔で私を見つめる・・・。そして何度も元気か?、と聞く。何となく、ゆっくりゆっくり進んでいくカタツムリを思い出す(別に悪い意味合いは全くなし)。

いつぞやなんかは、「ちょっと待ってろ、いいものを持ってきてやる」と言ってどこかに消えていったまま戻ってこない。あの、私待ってる時間ないんですけど・・・と思いつつも戻って来た時に私がいないのを見つければおじさんさぞかし肩を落とすだろう、と優しい私はやきもきしながらその場で待つこと10分。何かと思えば戻ってきたおじさん、封筒からNHK試してガッテンの雑誌を取り出して私に差し出す。どこで手に入れたのさ、こんなもの。

フランス語でしゃべりかけてくるおじさんとコミュニケーションが「取れてる」のは、周りにいる人たちのおかげ。今までのこれら、おじさんとの会話全ては通訳付き。だから私も事情が分かったのさ。

だから誰もいない廊下で彼が私を見つけると、同じように話しをしては来るものの、分からない私は「分からない」ときちんと言う(いや、たまにうやむやに返事をするけれど)。なのにおじさん、お構いなしでどんどん私に質問してくる。するとリアクションのしようがない私の反応を見ておじさん、とっても悲しそう。そして本当に肩を落としてその場を後にする。おじさん、そんなに悲しまなくても・・・と思うのだけど。

つい先日、給与を取りにまたホテルの一角に出向くと、案の定おじさんに出会う。いつものことではあるのだけど、中々お金をスムーズに受け取れず、気持ちたらいまわしされる間、あっちに言っては聞いてみて、こっちに言っては聞いてみての私におじさん付いて来る。

途中、あれ?消えたかな?と思ったら再び登場。オフィスの一室に座るよう促された私のその隣に腰を下ろし、今度は椅子をガチャガチャいじってる。なんだろう、と思えばスイッチを引っ張って椅子の位置を降ろすのに一生懸命だったようで、ストンと降ろしたすぐさま私にこう言う。目線を合わせたんだ、と。なんだかやることなすこと全てが滑稽。おかしくてたまらない。

同じ部屋で仕事をしている人にはお構いなしで、色んな話題を振っておしゃべり炸裂。そろそろ私も人がフランス語で何を言っているのかは多少は分かるくらいになったから相手もし易い。良かったね、おじさん。日本ではロボットが飲み物をサーブするというフランスの番組を見た、とか、弟が結婚する話をすればその奥さんにアルジェリア先住民族のカビリの伝統衣装をプレゼントしてあげなさい、とか、金はアルジェリアとリビアの国境でいいものが買えるとか(ほんとか知らんが・・)、話題は尽きないらしい。

部屋で仕事をしている人たちも、おじさんのお構いなしのやんわり会話には笑みがこぼれるらしく、私が分からなくて困っていると助け舟を出してくれる。

そして待つこと40分。やっとお金の支払いが。

ってか、その前からずっと私に付いて回ってたおじさん。仕事もせずにかれこれ1時間近くもうろうろしてていいの?(今回だけじゃないし)

おじさん!おじさんの仕事は一体なんなのさ?

お金を受け取る段階になってもおじさんまだ部屋の外をうろうろしている。ドアが開いておじさんがまた顔を出す。おじさんを見た一般会計係、ラシッド(おじさん)はつい先月、The best employee of the month賞を受賞したんだよ、って。得意げな笑顔のおじさん。

ほんとかいな。

まあ本当なのだろうけど笑っちゃうぐらいおかしい話だ。アルジェリアの皆さん、冗談も休み休みでお願いします。私の感覚、おかしいですか?

 

コメント
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