弁護女子。~越谷の女性弁護士の日々~

越谷市の弁護士(離婚・親権・面会交流・養育費・財産分与・不貞問題等を主に扱っております)の生井澤葵の日々を綴ります。

内縁の要件に悩む。

2017-06-16 | 【内縁・婚約問題】
婚姻関係にあるよというのは、

戸籍を見ればいいことですので、あまり悩みはありません

一方、

内縁・事実婚関係にあるよというのは、

戸籍には記載がないので、様々なファクターを積み上げて認められることになります


このファクターを、まぁ、法律家は「要件」と言っております

内縁・事実婚の成立には、

要件として「婚姻の意思」が必要と言われています。


この婚姻の意思・・・という言葉や解釈が紛らわしく、悩ましいのです

この紛らわしい感じは、

そもそも(内縁の話ではなく)婚姻の際の「婚姻の意思」について、

実質的意思説やら形式的意思説やら法律的意思説やらの話が難しいからなのですが・・・。


内縁の要件としての婚姻の意思ってなんぞや問題

案1:婚姻の意思、つまり結婚する意思、

   つまりいつかは入籍する意思


法律上所定の手続きに従って婚姻し、正規の夫婦となる意思、と真面目に言い換えることが可能かと思います。

案2:社会通念上の夫婦になる意思

  つまり世間(社会)に夫婦として見られたいんだよという意思

これ・・・案1で考えてしまうと、

現代のニーズの内縁・事実婚には合わないことになります

「婚姻の予約」(夫婦として生活しているが、跡継ぎが生まれてから入籍する・・・等)という、

少し昔の風習から考えるとしっくりするのですが・・・。

最近の内縁・事実婚は、

夫婦別姓等の制度がないことから、夫婦として扱われたいけど手続きがないというカップルに選ばれている件が多いことから、

入籍しないけど、夫婦として扱われたいニーズに案1は合わないのです。

案2を使って行ければ、現代のニーズに合っています

現代の感覚から考えますと案1は、一般的な意味での婚約中に近いでしょうか?



この難しいことをきちんと考えられると、いつか法律の学者さんになれるのだと思います

私がつらつらと書いても、これはあくまで私が裁判を乗り越えるために頑張ったものであり、

書くこともおこがましい、恥ずかしいもののような気がしてきました




こばと法律事務所
弁護士  生井澤 葵(なまいざわ あおい)


         【プロフィール】
       弁護士・中央大学法科大学院実務講師・JADP認定夫婦カウンセラー
       女性の弁護士ということで、夫婦の問題や、男女の問題についての相談が集まり、
       その分野の問題を多く取り扱っています(その他、借金の問題等も取り扱っております)。
       これまで150名以上の方からの、夫婦の問題や、男女の問題のご相談をいただいております。
       ホスピタリティのある法律相談ができるように、カウンセラーの資格も取得しました。
       ある日、普通の方が、ふとぶつかってしまうような法律の問題を、
       分かりやすい言葉で、丁寧に説明することが得意で、
       法律事務所・弁護士に相談することのハードルを下げるために、情報を発信しています。
       法律相談・講演依頼等、お仕事のご依頼は、こばと法律事務所にご連絡ください。


            埼玉県熊谷市筑波2丁目56番3 渡辺総合ビル3階
            こばと法律事務所
            電話: 048-501-1777 (ブログを見たとお伝えいただくとスムーズです)
            HP : http://www.kobato-law-office.com/
            男性弁護士・女性弁護士のいる事務所です


中絶と慰謝料。

2017-04-28 | 【内縁・婚約問題】
「中絶をしたことについて、相手の男性に慰謝料請求ができますか?」

そう、女性からご相談をいただくことが、これまで何度もありました。

私が女性弁護士だからということもあるのかもしれません。

とても繊細でプライベートな問題ですので、

(人の命そして思想・信条にかかわります)

ブログに書くことも少し勇気がいるのですが、

悩んでおられる方の考えのヒントになれば・・・と書くことにいたしました。


 合意による性交渉、合意による中絶手術が前提にあったとしても、

    男性が女性の身体的・肉体的苦痛や経済的負担の不利益を軽減し、解消するための行為をしない場合、

      このような男性の行為は不法行為を構成する 


そう書いてくれた、

高等裁判所や地方裁判所の裁判例があるのです。

当然のことのように感じますが、

裁判所がこのように書いてくれた判決を見つけたときに、私はホッとした記憶があります。

慰謝料自体の金額は高額ではないのですが・・・。




こばと法律事務所
弁護士  生井澤 葵(なまいざわ あおい)
弁護士生井澤葵のホームページ:https://www.lawyer-aoi-namaizawa.net/


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内縁関係について。

2014-10-14 | 【内縁・婚約問題】
ブログのカテゴリを・・・、

【婚約破棄について】【内縁・婚約に関わる問題について】

と変更しました


家庭の問題の多くは、婚姻関係にある男女を前提にしているケースがやはり多いものです

しかしながら、

家族の形態が多様化していく中で、

夫婦同然の生活を送っているけれども、

籍を入れていないカップルも増えてきているのが現実です



・・・ただし、法律が追い付いてきていないのと同時に、

・・・保守的な弁護士の方ですと、

内縁関係についての相談に対し、

かなり冷たい意見を持っておられると聞きます

その結果、

かなり悩んだ上で、

内縁関係についてのご相談を、こばと法律事務所に持ち込まれる方が集まっているような気もしています。

よその事務所でさんざんな目にあったにもかかわらず、

それでも弁護士を頼って、こばと法律事務所を頼ってくださって、ありがとうございます。



私の個人的な意見になりますが・・・

法律的に見れば、

最高裁の判例が出たことから、

入籍の有無は、夫(妻)が亡くなった時に、相続ができるか否かだけになったと感じています

(ロマンぶち壊しですが、入籍は、「あなたの遺産をいただきますわ」という法律効果が大きい)

相続の問題も、遺言を書けば、相当部分カバーできます。

生命保険の受取人等についても、入籍の有無は関係ないものが多くなっています。

女性の社会進出が進み、同時に、子供の数が減っている現在、

女性が結婚により当然のように名字を変えるわけにはいかない事情もあるはずです。

このように考えると、

内縁関係というカップルの形態もあってしかるべきかと。

ただ、

この点は、各人、そして弁護士の思想に大きく関わっている部分ですので、

どの意見が合っている、間違っているではなく、

思想が合う弁護士を探していただくほうが、精神的負担が少ないことに間違いありません。

そのような意味で、

こばと法律事務所のスタンスを、発信することにいたしました




【埼玉県熊谷市 熊谷駅前の法律事務所】

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