バードトレーニング

行動分析学の理論に基づく鳥のトレーニングやしつけのサイト。

お迎えした子が餌を食べない

2006年11月06日 | お迎え
一人餌の子の場合

 環境の変化を感じ取り、安心できるまで餌を食べない場合があります。
連れて帰ってから、のぞき込んだり遊んだりするのは控えます。一週間はそっとしておいてあげましょう。外にでたいとアピールする子以外は放鳥しないで様子を見た方がよいでしょう。

●ショップと同じ餌を与える
 与える餌は、ペットショップで与えていたのと同じにします。ムキ餌を与えられていた子は、殻付きの餌を食べない場合もあります。逆に殻付きを与えられていた子はムキ餌やアワ玉を食べないこともあります。またシードを食べていた子は、ペレットを食べないでしょう。

●ペレットへの切り替えは慣れてから
 栄養バランスを考えると殻付きの種子餌やペレットを与えることが望ましいですが、お迎えしたときはまずは食べさせることが先決。鳥は環境の変化だけでも大きなストレスを受けています。いつも食べ慣れていた餌を与える方がよいでしょう。特にシード食の子をペレットに切り替えるのはお家になれてからにしましょう。

●餌や水は、見えるようにする
 また、ケージの種類が変わってしまった場合には、餌箱の中に餌が入っているのがわからない場合があります。糞きり網をはずし床に見えるように餌をまいておくとよいでしょう。また、水もボトルに入っているものは飲み方を教えてあげないと飲めないかもしれません。環境になれるまで飲みやすい容器で与えるようにしましょう。

●健康な子であれば2~3日でしっかり食べるようになります
  お迎えする子は元気で餌を良く食べている子を信頼できるショップで選びましょう。良く餌を食べ、十分脂肪を蓄えている活動的で健康な子であれば、室温が十分暖かければ少し様子を見ても大丈夫です。ただ、人がひっきりなしにかまっていたり、のぞいたりすると餌を食べないかもしれません。そっとしておいてあげましょう。

●体調が思わしくない子
 ただし、病気を持っている子や痩せている子はたった一日の絶食が大きく健康状態に影響し、数日間で命を落としてしまうこともあります。ふくらんで寝てばかりいる子や下痢をしているなど、明らかに不調な様子を見せている子の場合は、すぐに病院に連れてきましょう。

差し餌の子の場合
 自宅に持ち帰り餌をやろうとしても雛が口を開けない場合があります。

 雛であっても環境の変化は敏感に感じ取ります。お迎え直後は、これまでとあまり変化がない状態にしてあげた方が良いでしょう。与える餌、与え方、接し方などできるだけ同じようにします。

●お店で餌の種類と作り方を教えてもらいましょう
 ペットショップで雛に餌を食べさせる所を見せてもらいましょう。どんなものを食べさせているかを確認します。餌は、アワ玉、フォーミュラー、または混合したものなど、それぞれのお店によって異なります。アワ玉を食べ慣れている子はフォーミュラーを食べないかもしれません。食べない子の場合には、まずは食べさせることが先決ですので、これまでと同じやり方で与えることを優先しましょう。食べるようになってから、徐々に切り替えていくようにします。

●お店で餌の与え方を教えてもらいましょう
  使っている道具は、注射筒(シリンジ)、スプーン、育て親(商品名)など様々です。特に、餌の与え方は重要でシリンジで与えられていた雛はスプーンから餌を食べないかもしれません。外に出してのせているのか、手のひらにのせているか、ケースに入れたまま与えているのかなども見ておきます。

●実際にやらせてもらいましょう
 また、できれば自分自身の手で雛に餌をやらせてもらいましょう。ここで、自信がなくなってしまったら一人でご飯を食べられるようになるまで預かってもらい、それからお迎えにくることを検討してみます。

●餌の温度も大切
 また、餌の温度にも注意をしましょう。通常は親鳥の体内から出てくる餌を食べるので、冷たい餌は雛は食べないかもしれません。体温程度に温めておきましょう。また、餌を与えるのが上手にできないと時間がかかり、用意した餌がどんどん冷えていきます。湯煎などをして最後まで同じ温度に保てるようにします。また、温めすぎて温度が高いえさを与えるとそのうをやけどしてしまいますので注意します。

●そっとしておいてね
 しばしばのぞき込んだり、声をかけたり、手に乗せたりしたら疲れてしまいます。雛は環境に慣れようと一生懸命です。できるだけ、そっとしておいてあげましょう。でも、「ゴハンチョーダイ」の鳴き声(餌ごい声)には充分に答えてあげるようにします。

餌を与えるときに優しく声をかけたり、少しなでたりしてスキンシップを図りましょう。


お迎えした子が慣れてない!噛みつく!

2006年09月30日 | お迎え
■手乗りの鳥なのに慣れてない!

手乗りの子をお迎えしたのに、全然慣れていません。手を差し出すと威嚇し噛みつこうとします。一生懸命仲良くしようとしているのにどうしてわかってくれないの?

 手乗りは、誰の手にも乗る人見知りしない鳥、というわけではないようです。大まかに言えば、「雛のうちに親鳥から離され、人の手で餌を与えられた鳥」でどれだけ人に慣れているかどうかは鳥によって(お店によって)それぞれのようです。

 お迎えしてから、一週間くらいはどの子も環境の変化にとまどっています。

このケージの中で動いても平気かしら? 怖い敵はいない? あの物音は何? このにおいは何? この人間は怖くないの? などすべての物事を慎重に吟味しています。

 自発的に手に乗り外に出たがる子以外は、お迎えしてから一週間はあまりかまわないようにし、様子を見る程度にします。餌を取り替えたり水を換えたりするときに声かけしたりおやつを手渡したりしてみましょう。

 ここで、慣らそうと無理矢理手に乗せたり、手に乗るようにしなくちゃとステップアップの訓練を繰り返したり、放鳥してケージにもどすのに手間取って追いかけ回したりすると、手に乗らない子になったり、噛みついたりする子になり、信頼関係を築くのに時間がかかる可能性もあります。

 噛みついたり、威嚇するのは鳥からの「やめて!」のメッセージ。嫌なものを避けるために噛んだり威嚇したりするのは、鳥が生きていくために必要な行動です。鳥には「No!」の意思表示をする権利があります。鳥が「No!」と言わない方法で私たちを好きになってもらうように私たちが上手にリードしてあげましょう。

■慣れていない子のパターンと仲良くなる方法

1.人には慣れているけど、人の識別をしている子

 鳥は、人の顔を見分けることができます。毎日お世話をしてくれるペットショップの店員さんに慣れていたけれど、見慣れないあなたのことはちょっと怖いのかもしれません。とりあえず、手に乗せることは後回しにして、毎日お世話をするときに声かけしたり、おやつを渡す「ちょびっとコミュニケーション」からはじめてみましょう。「いい人」と思われれば手乗りになるのはすぐです。

2.挿餌で育てられたけれどあまりかまってもらっていなかった子

 ショップで手に乗せられたり、頭をかいてもらったりする経験があまりなかった子です。手を差し出されても乗るものだとわかりませんし、頭をかこうと手を近づけた手を噛んで遊ぼうとしたり、怖い!と思ってしまうのです。じっくり時間を取って「こうしてね!」を教えてあげれば、仲良くなれるでしょう。

3.親から離されたのが遅かった子

 親から離されたのが遅かった子は、人という存在自体にあまり慣れていないかもしれません。ケージから出るのを嫌がったり、人を見ると遠ざかったり。まずは、徐々に見慣れてもらいましょう。次に一日に食べる餌をとりわけできるだけ、人の手から餌を与えるようにするとあなたのことが段々好きになっていきます。

■ケージに手を入れるのはNG!

ケージに手を入れて慣らそうとしたり、ケージに手を入れて鳥を捕まえて外に出そうとするのは×。狭いところに手を入れて鳥を追いつめることは鳥に大変な恐怖を与えます。鳥は、怖い思いをしたことを忘れません。慣れるのに時間がかかったり、人を怖がるようになったりします。ケージはいつでも鳥が心穏やかに休める場所にしてあげましょう。そして、鳥が自発的に手に乗ってくるような工夫をすることを忘れないようにしましょう。

■あなたの気持ちを上手に伝えよう

「この人はいい人みたい」と思われれば、すぐに仲良くなれるでしょう。とにかく、無理矢理は禁物。

 できるだけ怖がらせず、食べ物のような「うれしいこと」と結びつけてもらえるように接することが「いい人」への近道です。焦らず進めば、「いい人」から「大好きな人」に変わります。毎日毎日お世話をして優しく声をかけましょう。そして、手からご飯を食べてもらいましょう。あなた自身や手が食べ物といううれしいことと結びついて好きなものになります。そうしたら、次に「こうして欲しい」をわかりやすく鳥に伝えましょう。手を差しだしたとき、ちょっと近づいてくれたらごほうびで「そうしてくれてうれしい!」を伝えましょう。ちょっとずつ距離を縮めていきましょう。「そう、上手ね!」「そうしてくれてありがとう!」をごほうびで伝えていきましょう。大切なのはコミュニケーション。だんだんあなたのことが好きになれば、ごほうびがなくても手に乗ってくれるようになります。


■放鳥に注意

鳥をケージから出すのは簡単でも、戻ってもらうのは大変です。小さな扉にはいることを憶えるのはなかなか難しいのです。戻すときに追いかけたり、掴んだりするとそれだけでせっかく結んだ信頼関係が壊れたり、さらに悪化することもあります。

 鳥を放す場所は、高い場所に止まれないよう細工をしておき、囓られて困るものはとりのぞきましょう。放鳥の前に2時間前くらいにはケージからえさ箱をはずし、空腹状態にしておきます。戻ってもらうときにはえさ箱を見せて誘導したり、うんと好きなものを見せて戻ってもらうようにします。

■鳥のいる生活に慣れたら

 クリッカーを使ってより仲良くなるのも良いアイディア。色々なことをいっぺんにはじめるとどこかに無理が生じるかもしれません。鳥の様子を観察して判断する余裕ができてからはじめるとよいでしょう。


詳しいトレーニングのやり方はこちら<amazon>をご覧下さい